2024年3月19日火曜日

『寺田寅彦随筆集 第二巻』(寺田寅彦)読みました。


昔、上板東映という映画館がありました。
東武東上線の上板橋駅のすぐ近く。
そこは、結婚して家を出るまで
ぼくが過ごした実家の最寄駅でした。
つまりは上板東映まで徒歩圏内。

あ、違う違う。

今回は映画館について話そうとしたんじゃなく、
その道路を挟んだ向かい側にあり、
もうじき閉店して取り壊されると聞いた
イトーヨーカドーのことを書いておこうと思ったんです。

ぼくが小学生のときにできた
5階建てくらいの結構大きなスーパーで
まだあちこちにサッカー場数面規模の原っぱがあった
東京とはいえさびれた場所に、

そんな立派なピカピカのハイカラスペースが出現し、
ぼくをはじめ鼻垂れガキどもは
はしゃぎまくって、叱られながらも
店内を走り回ったものです。
ネットみると築52年だとか。時は流れます。

で、この『寺田寅彦随筆集 第二巻』。

大正11年に書かれたものもあり、
数えてみれば102年。
時は流れてるけど、
そのまま残るものもあるんだなと、しみじみ。

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2024年3月14日木曜日

『魔眼の匣の殺人』(今村昌弘)読みました。

   

これからここに紹介しようと思っている
レイモンド・チャンドラー作品に対する寸評
(というか解説、もしくはツッコミ)は
長編全7作を翻訳してる村上春樹さんが、
どっかの対談で言ってたことなんですが、
例によってうろ覚えで、
正確じゃないかもしれません。

いや、もしかしたら、
言ってた人自体が村上さんとは違っている
可能性もなきにしもあらずで、

絶品オマージュを何冊も出している原尞さんとか、
熱心なチャンドラーファンだと
ウィキペデアに載ってた大沢在昌さんだったかもしれず、

いやいや、それどころか、発言者は、
ぼくの夢の中に出てきた幼稚園のとき以来音信不通で
たぶん街で会ってもわからない
性格が妙にスネ夫ライズされている
山本くんという架空の存在で、
ぼくの頭の中で醸成されたエピソード内の
小話だという危惧もあり、

そんなあやふやなことを
ここに書いてしまってもいいのか、
きっと怒られるぞと心配になってきたので、
やっぱ、やめます。

うーん、でも……
ここまで読んでくれたであろう皆さんに
申し訳ないので、やっぱ、やります。

「チャンドラー作品は、総体的には素晴らしい
 文学なんだけれど、設定なり、人間関係なり、
 それぞれの思惑なり、トリックなりが、
 ラストの締めでごちゃごちゃし過ぎて
 よくわからん」
という寸評(というか解説、またはツッコミ)でした。

で、この『魔眼の匣の殺人』。

チャンドラー的ハードボイルドとはちょいと違うけど、
ごちゃごちゃ感は通じるものがあると、
貧弱回転数仕様のぼくのおつむは判断しているようです。
とはいえ面白かったです。

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2024年3月12日火曜日

『刀と傘』(伊吹亜門)読みました。

  

何個か前に
『超短編!大どんでん返し Special』
って本のこと、ここに書きました。

題名通りのショートショートを集めたもので、
(30人ほどの作家さんが
 各人数ページの超短編を寄せてます)
「小説って長編の方が面白いな」と
好みが偏ってきているぼくにとって、
ずしんと心に残るようなものは、
ほとんど見つからず、
「面白かったー」的な印象にはなりませんでした。
(でも、星新一さんの作品が大好きだった
 中学生の頃だったら、今とは正反対の感想に
 なったかもしれません)

実際、その短編集の中で
ストーリーを覚えているものは
1つを除いてまったくないんです。
(ポンコツな記憶力しかなかいぼくには
 当たり前ともいえますが)

で、この『刀と傘』。

唯一覚えていたのが、この作家さんの超短編でした。
なので長い物も読んでみようかと。
試してみて損はありませんでした。

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2024年3月7日木曜日

『自由の丘に、小屋をつくる』(川内有緒)読みました。

 

今住んでるマンションに来たのは
20年ほど前でした。

(どれくらい時間がたってるのか曖昧だったので、
 ネットで建物名を入れて検索してみたら
 中古物件を扱う不動産屋さんのページが
 ごまんと出てきて、そこに築年数が
 書いてあったので間違ってないと思います。
 つーか、空いているうちは1つもないと思ってたのに、
 いくつか売りに出ているとこがあって、びっくり)

ここ、住んでみた当初は
特に不便を感じる箇所はなかったんですが、
1カ月ほどたって1つだけ、
これは変えたほうがいいと思うとこが出てきたんです。

廊下から風呂場の脱衣スペースに入るところのドア。
そこは洗面台もあり洗濯機を置く場所でもあるんですが、
扉が内開きで洗濯カゴなんかがあるとドアが半分しか開かない。

そこで、
「よし、ここはいっちょセルフリフォームで、
 開きドアを、引き戸に変えてみよう。
 うまくできたら、家族みんなに喜ばれて、
 お父さん株があがるかもしれないし」と
新築ほやほやのまだおニューな家の匂いが
抜けきれていない中で、ぼくは決心したのでした。

で、この『自由の丘に、小屋をつくる』。

その決心は、いつの間にか忘れられ
20年ほど経過してしまいました。
この本読んで、思い出しました。
そろそろやろうかな。
本にある通り、素人でも小屋つくれるんだし。

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2024年3月5日火曜日

『剣客商売四 天魔』(池波正太郎)読みました。


20代後半もしくは30才を
少し過ぎていた頃だったと思います。

勤めていた会社の上司がどこからか
ぼくが本が好きだということを聞いたらしく、

「お前が読書家だとか、
 そんな偉そうなこと言ったって
 (注:ぼくはそんなこと一言も口にしてはいないけど)
 どうせくだらない本ばっかりあさってるだけだろう。
 司馬遼太郎は読んだことあるか」

と、つば飛ばしながら尋ねるので、
〈龍馬〉と〈項羽と劉邦〉を読んでたから
「まぁ。何冊かは…」と答えたら、

「読んでんのかよ。えれぇじぁねえか。
 何冊読んでるんだよ」
とのしかかり気味に来るので、

作品的には2冊だけど、
龍馬はたしか7、8巻あったし、
項羽も上・中・下だったから、
合計で10にはなるので、
でもそんなにいうとボロが出ると思って

「5、6冊だったかな」
「うっ、そんなにか。うーん、何読んだ」
「〈龍馬〉とか、〈項羽と劉邦〉とか…」
「ふーんそうか。偉いな。俺もまあ本は読むけど、
 池波正太郎みたいな軽いやつしか読まないんだよ」
と言ってました。

で、この『剣客商売四 天魔』。

上司さん、ぼくも今ハマってます。
軽いって言い方もあるかもしれないけど、
確実に面白いです。

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2024年2月29日木曜日

『超短編! 大どんでん返し Special』(浅倉秋成ほか)読みました。

         

怒られるのはイヤだと
常に恐々としている小心者ってのは
ぼくのことです。

それを隠しておいて大きく見せるなんて行為は、
バレたときのことを考えると怖くて仕方がないので、
ことある度に、臆病だと公言して、周知を図っています。

だから、ここに書いている文章はさておいて
(この感想文もどきは、
 怒るというか気にかけるほどの内容じゃないと
 みんな素通りしているハズなので)
仕事でつくっている記事なんかは、
999個等間隔に立てたドミノの
1000個目を並べるように慎重に慎重に、
ミスはないか、読みにくくなっていないか、
お客さんに満足してもらえるか、
読者があきれないクオリティはあるか、
などなど考えビビりながらこなしているんです。

前の仕事を振り返って見直すことは滅多にしないんですが、
何かの折にふっと過去の作品が目に入ることがあり、
そんなのも大抵は「うん、よくやった」と
自分を褒めてあげられるものになってます。

でもまれに
「これちょっとレベル的にどうなの」
と疑問符がつくのもあったりするんです。
(言っちゃうと今後仕事に差し支えるかもだけど)

んで、そういう疑問符モノに共通するのは、
単発業務で、時間も1日2日で完了するような
短いスパンの仕事であるようです。

で、この『超短編!大どんでん返しSpecial』。

30人ほどの作家さんが
それぞれ書いた超短編を集めた本。
皆さん決して力を抜いているわけではないんでしょうが、
好みからすれば、多くが疑問符モノに類別されちゃいました。


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2024年2月27日火曜日

『寺田寅彦随筆集1』(寺田寅彦)読みました。

        

文章をつくってくれる頭のいいコンピュータが
流行っているというので、
うんうん唸りながら、
ああじゃねえこうじゃねえと検索かけながら、
毎回なんとかネタを捻り出している、
仕事で書かなきゃいけないコラムを、

じゃあやってごらんと
「朝日新聞の天声人語と同様の文字数・文体で
 育児に関するコラムを書いてください。
 春夏秋冬いずれでもいいので、
 どれか1つの季節感を盛り込んだもので」
みたいに入力してエンターキーを押し、

ふーっと息をついて、
冷めたお茶が入ったコーヒーカップから、
粉茶の粉が底にたまり
上層は水のようになった液体を一口飲んで、
器をもとの位置に戻したら、
すらすらっと文章がもう出来上がっていて、

「うわーっ、あのうんうん唸っていた
 時間はなんだったんだ!」

と髪の毛をかきむしりたくなる衝動を抑えつつ、
よくよく目を通してみると、

「あのさーあんた、
 1ナノメートル分も面白いトコないんですけど…」
今検索したけど、
ウィキペディアによるとナノって10億分の1だってよ。
見えないよ。

で、この『寺田寅彦随筆集1』。

昔から読み継がれているこういう本を読むほうが、
いいネタは見つかります。今のところは。

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2024年2月20日火曜日

『剣客商売三 陽炎の男』(池波正太郎)読みました。

       

前回予告した通りマイブーム本になりました。
(予告通りこの一文↑は、コピペしました)
そして前回通り轍は踏まずに閑話休題と。

うろ覚えだったから検索かけてみたら、
やっぱありました。
江戸時代の俳句の人・小林一茶さんのこと。
「雀の子そこのけそこのけお馬が通る」
とかは知っていたけど、
日記みたいなものも残しているんだとか。

そこに、子づくりに励んだ回数が書かれていて、
なんとまあ50代半ばにして
一晩に5回もこなしていたそうな。

ほへー元気もりもりじゃんと思っていたら、
それと正反対のことを
同じ江戸時代の人が言ってたなあと、
これまたうろ覚えだったので検索かけてみたら、
それもありました。ネットすごい。

本草学者、儒学者ってあるけど
お医者さんのようなもんでしょ、貝原益軒さん。

『養生訓』って聞いたことがあるような
ないような書物の中で、
健康のためにはあまりこなさぬほうがよく、
1回いたす間隔を、20歳で4日、30歳で8日、
40歳で16日、50歳で20日にして、
60歳でやめにするのが
おすすめみたいに言ってるらしく。
ま、人それぞれなんでしょうけどね。

で、この『剣客商売三 陽炎の男』。

主人公の秋山小兵衛は
60歳で20歳の女子と結婚し、
元気もりもりしてます。面白いです。

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2024年2月14日水曜日

『剣客商売二 辻斬り』(池波正太郎)読みました。

      

今回は前に予告した通りマイブーム本になりました。
どうやらこの次も、
間にほかの作品(前回登場の2冊のうちいずれか)が
入ることなくシリーズ3巻目が続く予感がしてます。

そうなると、
ここの冒頭の1文をコピペして書き出せばいいなと、
ぼく内1割のライフハックくんと
9割の小心くんが珍しく同調してます。
と、前回の轍を踏まぬよう前置きはこれくらいで…。

さて、業務上やり取りするメール文や
仕事でやっているフォーマルな記事なぞは別にして、
この感想文もどきのような
おのれさらけ出し系のテキストでは、
読んだ本の影響を受けて文体が変化するように思います。

到底その域には達していないのですが、
最近のぼくの文体は、町田康さんの、
修飾の言葉がずらずらと続いて1文が長く、
長いけれども、読みにくくはなくって、
そこで言いたかったのだろう要点よりも、
比喩で示したあれそれのほうが
ずしんと頭に残っているみたいなものに、
意図せず流れていっているようです。

で、この『剣客商売二 辻斬り』。

読まずにページを眺めるだけでわかる池波さんの文体。
もうじき、この感想文もどきも
町田→池波へ文体変化ような気がします。

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2024年2月8日木曜日

『黛家の兄弟』(砂原浩太朗)読みました。

     

たぶんこの次回の、
つまりはこの上に表示されるだろう
感想文もどきには、
池波正太郎さんの剣客商売シリーズの
2巻目がくると思います。

(並行読みしているほかの本が、
 予想より短時間で読了しないことが前提。
 同時に進めている2冊のうち1冊は、
 出版年が少し古く文字が小さいので、
 今どきの書籍と比べて見た目で1・5倍ほど
 文字量が多いから、最終ページまで行き着くには、
 まだかなり時間がかかるはず。

 もう1冊は内容的にどうも好みに合わず、
 それなら読むのやめればいいのにと、
 ライフハックを重んじる
 胸中の片隅にいるもう一人のぼくが、
 しきりに呼びかけるのですが、
 それだとせっかくこの本をつくった人に
 申し訳ない気がするし、そういうことすると
 自分のつくった作品も
 同じようにムゲに扱われるだろう
 因果応報的なしっぺ返し技を受けるからイヤだと、
 片隅ではない胸中占有率90%の小心者のぼくが、
 途中棄権をかたくなに拒むので、
 必然的に読む速度は遅くなり、
 この紙面への登場もまだ先になるので。

 …って、またカッコ括りのテキストを
 こんなに長く書いちゃった)

えーと、なんだったけ?
あ、そうそう。
池波さんの剣客シリーズのこと。

それが今マイブームになってて、
どこがいいんだろうかと考えてみたら、
いきつくところは
ユーモアなんじゃないかと思い至りまして。
滑稽さというか、楽しさというか、
何回ニヤニヤ笑いできるかというか。

で、この『黛家の兄弟』。

面白かったです。
だけど、ニンマリ回数はゼロでした。

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2024年2月6日火曜日

『屍人荘の殺人』(今村昌弘)読みました。

    

犯人を追っている刑事が、
走っている車の前にいきなり飛び出し
警察手帳をかざして急停車させ、
何事かとびっくりしている
善良そうなおじさんを
引きずり下すようにして、
自分が運転席に乗り込み、
逃げている悪人を猛追跡
──みたいなシーンは
アクション物のドラマや映画にはよくあって、
ぽかんと口を開けた
車の持ち主であるおじさんが一人、
道端に取り残される。

たしか伊坂幸太郎さんがエッセイの中で、
おじさんのその後が気になって仕方ない
と書いてました。

なんの映画か忘れましたが、
やはり気の弱そうな小太りのおじさんが、
縦列駐車したいらしく、
でも空いているスペースは狭くてぎりぎりで、
自分の車がそこに入るかどうか不安らしく
一旦脇にとめて、歩幅かなんかで長さを図りつつ
「どうかな、入るかな」と頭を捻っているところに、

ドライブテクニック抜群の主人公が、
横道からドリフトで横滑りさせたまま
すっぽりとそのぎりぎり狭い駐車スペースに
スポーツカーを停車させるって場面もありました。

あれはジャッキー・チェンの映画だったかな。違うかな。

ぼくもそれ見たとき、
カーアクションがすごいと感心しながらも、
そのあと発生するだろう小太りのおじさんの
駐車問題を悩ましく感じたのでした。

で、この『屍人荘の殺人』。

最初に出てくる学生探偵に
上記2人のおじさん的命運が重なってしまいました。
そんでも!面白かったです。
今年最初の5つ星。

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2024年2月1日木曜日

『グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船』(高野史緒)読みました。

   

もう何十年もの昔になる、
高校卒業を記念してクラスで行った卒業旅行。

おっきな貸別荘に大勢で詰めかけ、
どんちゃん騒ぎをしたってことは
おぼろげな記憶にあります。

そのとき男女ペアになって
夜道の先にあるチェックポイントまで
行って戻ってくるという肝だめしゲームを
やったらしいんです。

ぼくは、そんなのまったく忘れていたんですが、
数年前に同窓会にきていた女子から、
あのときにペアになったでしょと言われ、
どうあがいてもその情景が心に浮かんでこないので、
素直に「頭が悪くてごめんなさい」と謝りました。

人並みの記憶力を持っていないことは、
とうの昔から自覚しているので、
それはとくに驚くことではありません。

びっくりしたのは、その後再びあった同窓会で、
かの女子が教えてくれた肝だめし話の続編でした。

彼女が昔のクラス仲間と、
卒業旅行の思い出を語っていたら、別の女子が
「私、肝だめしゲームで、きくち君(ぼく)とペアだった」
と言ったそうなんです。

レクリエーションメニューはほかにもたくさんあり、
肝だめしは1度だけだったはずなのに、
どうしてぼくは2人も相手がいたのでしょう。
どっちも脳内情報には保存されていないんですけどね。

で、この『グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船』。

パラレルワールドのお話でした。
肝だめしもパラレル世界の現象なのかな。

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2024年1月30日火曜日

『ナイフをひねれば』(アンソニー・ホロヴィッツ)読みました。

  

前回の『剣客商売』の感想文もどきでは、
時間の認識力(というほど高尚ではありませんが)
みたいなのがテーマのようになっちゃいましたが、
じつは書き始める前に考えていた内容とは、
ぜんぜん違ってるんです。

最初、書こうと思ったのは、その中に出てくる
久々に会った旧友との飲み会での話題なのでした。

「いろんな本を読んでるみたいだけど、
 本当に好きなのはどんなジャンル?」
って感じの質問をされて、ぼくが
「ジャンルはなんでもいいんだけど、
 とにかく楽しいのが好き」
と答えた。

前回文章は、そこからひっぱっていって、
『剣客商売』は楽しい本でした、
で締めようとしていたんです。

ほら、こんな短い文字数で終わっちゃうでしょ。

そんなんだから
キーボードをぺこぺこ打ち出す前に、頭の中に
「その流れはいいけれど、
 そこに何か付け足さないと、短すぎるぞ。
 内容は薄っぺらで質的にどうしょうもないのに
 量まで少ないんかい。それでいいのか」
って、どっかから戒めの声が聞こえてきて、

ほんじゃあってことで、
時間の認識力的なあほ話を乗っけたら、
それだけで終わっちゃったんです。

で、この『ナイフをひねれば』。

楽しかったです。
でも楽しさ値は前2作のほうが高いです。

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2024年1月23日火曜日

『剣客商売1』(池波正太郎)読みました。

 

昔々の思い出なんかは覚えていて、
最近の出来事になると忘れてしまうってのは、
年寄りになればなるほどよく見られる認知機能の
ぎくしゃく現象らしいですね。

もちろん、
サザエさんのお父さんの波平さんより6才も
年上のぼくなので、その脳みそぎくぎく状態は
多分にあるんですけれど
(というか、昔とか今とかにはかかわらず
 記憶力そのものが軟弱ですが)
それに加えて最近気になっているのが、
覚えているエピソードがいつだったのか、
そのイベント発生時から現在までの期間が、
どうにもあやふやになっていること。

時間の認識力っていえばいいでしょうか。

あの久々に会った友だちと2人で飲んだのは
いつだったか、頭の中がごちゃごちゃしてたり。
たしかあのときは、マスクもしてなくて、
コロナ前だったはずと思い込み、
だとすれば、もう4、5年はたってる。
ほーほそんなになるかと一度は納得し、

それでも、いや待てよと、
待ち合わせ場所とかをやりとりするメールが
残っているかもとメーラーを検索してみたら、
ありましたありました。

あれ? 2022年5月じゃん。
つーことはまだ2年もたってない。
でもぉ…。

それってたぶん、
もしメーラーの日付が2010年とか相当前でも
「ふーん、そんなになるんだ…」
と受け入れてしまうんだろうな。

で、この『剣客商売』。

鬼平で池波さんにはまったのは
2、3年前だと思ってたけど、
既読リストたぐってみたら約15年前でした。
そんなにたっても、本の好みは変わっていないようで、
また、マイブームが始まりそうです。

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2024年1月16日火曜日

『渇きの街』(北方謙三)読みました。


オマージュっていうんでしたか。
付け焼き刃的に覚えてる「換骨奪胎」
っていう四字熟語でもいいのかな。

世に出てる既存の作品に影響を受け、
その筋や構成なんかを引き継ぎながら、
自分なりの物語とかをつくること。

印象に残っているのは、
『呪われた街』(スティーヴン・キング)の
オマージュで、小野不由美さんが書いた『屍鬼』。

たしか小野さんのほうを先に読んで、
強烈に引き込まれ、そのあとで、
元になってるのがキング作品だと知り、
期待で鼻の穴全開にして目を通してみたら、

それなりに面白かったものの、
ひねくれたぼくのお眼鏡は
「かなう」とは言ってくれず、

オマージュって
オリジナルを超えちゃうこともあるんだ
と知りました。

で、この『渇きの街』。

北方作品は2冊目。
この話は1冊目に読んだ『檻』の
オマージュなのかなと思ったり。
でも「かなう」の声が聞こえたのは1冊目でした。

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