2024年2月29日木曜日

『超短編! 大どんでん返し Special』(浅倉秋成ほか)読みました。

         

怒られるのはイヤだと
常に恐々としている小心者ってのは
ぼくのことです。

それを隠しておいて大きく見せるなんて行為は、
バレたときのことを考えると怖くて仕方がないので、
ことある度に、臆病だと公言して、周知を図っています。

だから、ここに書いている文章はさておいて
(この感想文もどきは、
 怒るというか気にかけるほどの内容じゃないと
 みんな素通りしているハズなので)
仕事でつくっている記事なんかは、
999個等間隔に立てたドミノの
1000個目を並べるように慎重に慎重に、
ミスはないか、読みにくくなっていないか、
お客さんに満足してもらえるか、
読者があきれないクオリティはあるか、
などなど考えビビりながらこなしているんです。

前の仕事を振り返って見直すことは滅多にしないんですが、
何かの折にふっと過去の作品が目に入ることがあり、
そんなのも大抵は「うん、よくやった」と
自分を褒めてあげられるものになってます。

でもまれに
「これちょっとレベル的にどうなの」
と疑問符がつくのもあったりするんです。
(言っちゃうと今後仕事に差し支えるかもだけど)

んで、そういう疑問符モノに共通するのは、
単発業務で、時間も1日2日で完了するような
短いスパンの仕事であるようです。

で、この『超短編!大どんでん返しSpecial』。

30人ほどの作家さんが
それぞれ書いた超短編を集めた本。
皆さん決して力を抜いているわけではないんでしょうが、
好みからすれば、多くが疑問符モノに類別されちゃいました。


**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2024年2月27日火曜日

『寺田寅彦随筆集1』(寺田寅彦)読みました。

        

文章をつくってくれる頭のいいコンピュータが
流行っているというので、
うんうん唸りながら、
ああじゃねえこうじゃねえと検索かけながら、
毎回なんとかネタを捻り出している、
仕事で書かなきゃいけないコラムを、

じゃあやってごらんと
「朝日新聞の天声人語と同様の文字数・文体で
 育児に関するコラムを書いてください。
 春夏秋冬いずれでもいいので、
 どれか1つの季節感を盛り込んだもので」
みたいに入力してエンターキーを押し、

ふーっと息をついて、
冷めたお茶が入ったコーヒーカップから、
粉茶の粉が底にたまり
上層は水のようになった液体を一口飲んで、
器をもとの位置に戻したら、
すらすらっと文章がもう出来上がっていて、

「うわーっ、あのうんうん唸っていた
 時間はなんだったんだ!」

と髪の毛をかきむしりたくなる衝動を抑えつつ、
よくよく目を通してみると、

「あのさーあんた、
 1ナノメートル分も面白いトコないんですけど…」
今検索したけど、
ウィキペディアによるとナノって10億分の1だってよ。
見えないよ。

で、この『寺田寅彦随筆集1』。

昔から読み継がれているこういう本を読むほうが、
いいネタは見つかります。今のところは。

**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2024年2月20日火曜日

『剣客商売三 陽炎の男』(池波正太郎)読みました。

       

前回予告した通りマイブーム本になりました。
(予告通りこの一文↑は、コピペしました)
そして前回通り轍は踏まずに閑話休題と。

うろ覚えだったから検索かけてみたら、
やっぱありました。
江戸時代の俳句の人・小林一茶さんのこと。
「雀の子そこのけそこのけお馬が通る」
とかは知っていたけど、
日記みたいなものも残しているんだとか。

そこに、子づくりに励んだ回数が書かれていて、
なんとまあ50代半ばにして
一晩に5回もこなしていたそうな。

ほへー元気もりもりじゃんと思っていたら、
それと正反対のことを
同じ江戸時代の人が言ってたなあと、
これまたうろ覚えだったので検索かけてみたら、
それもありました。ネットすごい。

本草学者、儒学者ってあるけど
お医者さんのようなもんでしょ、貝原益軒さん。

『養生訓』って聞いたことがあるような
ないような書物の中で、
健康のためにはあまりこなさぬほうがよく、
1回いたす間隔を、20歳で4日、30歳で8日、
40歳で16日、50歳で20日にして、
60歳でやめにするのが
おすすめみたいに言ってるらしく。
ま、人それぞれなんでしょうけどね。

で、この『剣客商売三 陽炎の男』。

主人公の秋山小兵衛は
60歳で20歳の女子と結婚し、
元気もりもりしてます。面白いです。

**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2024年2月14日水曜日

『剣客商売二 辻斬り』(池波正太郎)読みました。

      

今回は前に予告した通りマイブーム本になりました。
どうやらこの次も、
間にほかの作品(前回登場の2冊のうちいずれか)が
入ることなくシリーズ3巻目が続く予感がしてます。

そうなると、
ここの冒頭の1文をコピペして書き出せばいいなと、
ぼく内1割のライフハックくんと
9割の小心くんが珍しく同調してます。
と、前回の轍を踏まぬよう前置きはこれくらいで…。

さて、業務上やり取りするメール文や
仕事でやっているフォーマルな記事なぞは別にして、
この感想文もどきのような
おのれさらけ出し系のテキストでは、
読んだ本の影響を受けて文体が変化するように思います。

到底その域には達していないのですが、
最近のぼくの文体は、町田康さんの、
修飾の言葉がずらずらと続いて1文が長く、
長いけれども、読みにくくはなくって、
そこで言いたかったのだろう要点よりも、
比喩で示したあれそれのほうが
ずしんと頭に残っているみたいなものに、
意図せず流れていっているようです。

で、この『剣客商売二 辻斬り』。

読まずにページを眺めるだけでわかる池波さんの文体。
もうじき、この感想文もどきも
町田→池波へ文体変化ような気がします。

**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2024年2月8日木曜日

『黛家の兄弟』(砂原浩太朗)読みました。

     

たぶんこの次回の、
つまりはこの上に表示されるだろう
感想文もどきには、
池波正太郎さんの剣客商売シリーズの
2巻目がくると思います。

(並行読みしているほかの本が、
 予想より短時間で読了しないことが前提。
 同時に進めている2冊のうち1冊は、
 出版年が少し古く文字が小さいので、
 今どきの書籍と比べて見た目で1・5倍ほど
 文字量が多いから、最終ページまで行き着くには、
 まだかなり時間がかかるはず。

 もう1冊は内容的にどうも好みに合わず、
 それなら読むのやめればいいのにと、
 ライフハックを重んじる
 胸中の片隅にいるもう一人のぼくが、
 しきりに呼びかけるのですが、
 それだとせっかくこの本をつくった人に
 申し訳ない気がするし、そういうことすると
 自分のつくった作品も
 同じようにムゲに扱われるだろう
 因果応報的なしっぺ返し技を受けるからイヤだと、
 片隅ではない胸中占有率90%の小心者のぼくが、
 途中棄権をかたくなに拒むので、
 必然的に読む速度は遅くなり、
 この紙面への登場もまだ先になるので。

 …って、またカッコ括りのテキストを
 こんなに長く書いちゃった)

えーと、なんだったけ?
あ、そうそう。
池波さんの剣客シリーズのこと。

それが今マイブームになってて、
どこがいいんだろうかと考えてみたら、
いきつくところは
ユーモアなんじゃないかと思い至りまして。
滑稽さというか、楽しさというか、
何回ニヤニヤ笑いできるかというか。

で、この『黛家の兄弟』。

面白かったです。
だけど、ニンマリ回数はゼロでした。

**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2024年2月6日火曜日

『屍人荘の殺人』(今村昌弘)読みました。

    

犯人を追っている刑事が、
走っている車の前にいきなり飛び出し
警察手帳をかざして急停車させ、
何事かとびっくりしている
善良そうなおじさんを
引きずり下すようにして、
自分が運転席に乗り込み、
逃げている悪人を猛追跡
──みたいなシーンは
アクション物のドラマや映画にはよくあって、
ぽかんと口を開けた
車の持ち主であるおじさんが一人、
道端に取り残される。

たしか伊坂幸太郎さんがエッセイの中で、
おじさんのその後が気になって仕方ない
と書いてました。

なんの映画か忘れましたが、
やはり気の弱そうな小太りのおじさんが、
縦列駐車したいらしく、
でも空いているスペースは狭くてぎりぎりで、
自分の車がそこに入るかどうか不安らしく
一旦脇にとめて、歩幅かなんかで長さを図りつつ
「どうかな、入るかな」と頭を捻っているところに、

ドライブテクニック抜群の主人公が、
横道からドリフトで横滑りさせたまま
すっぽりとそのぎりぎり狭い駐車スペースに
スポーツカーを停車させるって場面もありました。

あれはジャッキー・チェンの映画だったかな。違うかな。

ぼくもそれ見たとき、
カーアクションがすごいと感心しながらも、
そのあと発生するだろう小太りのおじさんの
駐車問題を悩ましく感じたのでした。

で、この『屍人荘の殺人』。

最初に出てくる学生探偵に
上記2人のおじさん的命運が重なってしまいました。
そんでも!面白かったです。
今年最初の5つ星。

**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2024年2月1日木曜日

『グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船』(高野史緒)読みました。

   

もう何十年もの昔になる、
高校卒業を記念してクラスで行った卒業旅行。

おっきな貸別荘に大勢で詰めかけ、
どんちゃん騒ぎをしたってことは
おぼろげな記憶にあります。

そのとき男女ペアになって
夜道の先にあるチェックポイントまで
行って戻ってくるという肝だめしゲームを
やったらしいんです。

ぼくは、そんなのまったく忘れていたんですが、
数年前に同窓会にきていた女子から、
あのときにペアになったでしょと言われ、
どうあがいてもその情景が心に浮かんでこないので、
素直に「頭が悪くてごめんなさい」と謝りました。

人並みの記憶力を持っていないことは、
とうの昔から自覚しているので、
それはとくに驚くことではありません。

びっくりしたのは、その後再びあった同窓会で、
かの女子が教えてくれた肝だめし話の続編でした。

彼女が昔のクラス仲間と、
卒業旅行の思い出を語っていたら、別の女子が
「私、肝だめしゲームで、きくち君(ぼく)とペアだった」
と言ったそうなんです。

レクリエーションメニューはほかにもたくさんあり、
肝だめしは1度だけだったはずなのに、
どうしてぼくは2人も相手がいたのでしょう。
どっちも脳内情報には保存されていないんですけどね。

で、この『グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船』。

パラレルワールドのお話でした。
肝だめしもパラレル世界の現象なのかな。

**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************