2016年9月30日金曜日

『かめ探偵K』(北野勇作)読みました。



いつ頃からでしょうか。
句点や読点を続けて書き、
「……」の代わりに
するようになったのは、、、、、、
はっきりとは言えないか。。。。。

ぼくは、
ワープロが普及するちょっと前から、
原稿を書く仕事を
やらせてもらっていました。

だから原稿用紙に
手書きしていた時期が
しばらくあった。

たしかその頃、
「……」の書き方を
教えてもらったんです。

「これは〈三点リーダー〉といって、
 原稿用紙の1マス(1文字ぶん)に
 3つの点を並べて書き、
 それを2マスぶん続けるんだ。
 だからまあ、
 合わせて6点リーダーだ。
 それが一般的な書き方のルールだ。
 覚えとけ」って。

誰が言ったのかも
忘れてしまったその教えを、
今まで忠実に守ってきたぼくは、

パソコンの入力ソフトに
「ろくてん」という語句を
登録しています。

「ろくてん」と打って
変換キーを押すと
「……」に変換されるように
設定しているんです。

さてここで、話は変わって……。

文末の「。」は、
印刷用のデータをつくるとき
よくミスるので、
注意しなきゃいけない
文字(というか記号)です。

要らなくなった一文を削除するとき、
句点の直前まで選択して、
「。」を残しちゃうことがある。

そうすると、
この文末のように、
句点が2つかぶってしまうんです。。

ということで、
読んでいる本の中に、
この「句点2つかぶり」が出現したとき、
それがデータ作成時のミスなのか、
それとも、三点リーダーの代用とされる
流行(?)の「句点続け書き」であるのか、
気になって夜も眠れなくなるのです。
……眠れるけど。

で、この『かめ探偵K』。

あの「。。」は、どっちだろう。






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2016年9月28日水曜日

『ママと若者の起業が変えたドイツの自然エネルギー』(海南友子)読みました。



小説を読んでいて
ぼくがよく思うのは、

「押しつけられるのはヤだな」です。

「悪い事をしてはいけない」と
頭ごなしに言われると、
へそ曲がりのぼくは、
「いいじゃん、ちょっとぐらい」
なんて思ってしまう。

正義の味方とまでは言わなくても、
その物語に出てくる「良い人」が、

不正を働くワル者に対して
胸を張って正しい道を説く場面が
あったとしましょう。
(ま、よくありますね)

で、そのセリフが、
読者に対する作者のメッセージに
思えてくるときがある。

そうなると、
もう途端に興ざめです。

考えることは読み手にゆだねて、
つくる人は
「こんなお話がありました」
「こんな人がいました」と、
情報だけを提供してほしい。

考え方の道筋をつけないで、
荒れ野のママにしておいて、
どっちのほうに行くかの、その道は
読む人につくらせてほしい。

標識も地図もいらないんです。
考えるのが楽しいんだから、ね。

で、この
『ママと若者の起業が変えた
 ドイツの自然エネルギー』。

ママさんたちの起業も、
若者たちの起業も、
とっても面白かったです。

だから
「みんなこっちに行きましょう」
みたいなメッセージ性がなければ、
もっと良かったのにな。





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2016年9月26日月曜日

『ランボー怒りの改新』(前野ひろみち)読みました。


だいぶ昔に読んだので、
このブログには
感想文を書いていないと思いますが

わりと好みの小説に
『僕僕先生』という
中国(唐の時代)を舞台にした
ファンタジーがあります。

(今、自分のパソコン内を検索したら、
 6年前に読んだことになっていました。
 この読書記録を始める、ちょっと前でした)

ひょうひょうとした語り口で、
思わずニンマリするようなユーモアが
あちこちにちりばめられていて、

読み終わったとき
「あー楽しかった」と
思わずこぼれたのを覚えています。

ぼくだけでなく
ほかの人にも受け入れられたようで、
その後、シリーズ化され、

今はもう10冊くらいに
なっているんじゃないかな。
(確かじゃありません)

ぼくももちろん、
続刊に手を出したんですが、
4冊目くらいに

「ちょっと、楽しさの種類が違ってきた」
と思い、そのタイミングで
同じ作者の別の本に手を出して、

「あ、これは完全に違うわ」となり、
それ以降、読むのをやめてしまいました。

もしかしたら、そのあとのシリーズは、
もっと面白くなってるのかな。
どうなんだろう。

で、この『ランボー怒りの改新』。

解説が、ぼくが途中でやめてしまった
『僕僕先生』の仁木英之さんでした。

ふーん、こんなことに出てきたか。
シリーズの続き読んでみようかな。

あ、このランボーも面白かったですよ。





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2016年9月23日金曜日

『アヒルと鴨のコインロッカー』(伊坂幸太郎)読みました。



小学校の書道の時間。
何の文字を書いたのか忘れたんですが、
自分で書いたものとお手本とを見比べて、

「ちょっとハネが足りないな」と感じ、

太い筆から細筆に持ち替えて、
鋭角のぴゅっと上にあがる部分を、
ちょこちょこっと、書き足しました。

「うん、これでよし!」
と思ったら、

今度は、
一筆目の書き出し部分が、
見本では右下がりでカッコイイのに、

ぼくのは、
丸まっちくずんぐりしており、

「これじゃ、ドラえもんみたいだ」
と感じたので、

さっきから握っている細筆で
丸部分を鋭角に修正したんです。

墨が重なるトコの濃淡にも気をつけて、
後から修正したようには見えないように、
微妙なグラデーションもつけたんです。

「よっしゃ!」と顔を上げると、

目の前に先生が立っていました。

そして苦笑いしながら、
「ちょうちん屋はダメです!」
って言われました。

修正したり書き足したりすることを
そう言うんですね。

そんなの知らないよ、小学生だもの。

でも、
それを家に持って帰ったら、
親から「うまいな」と言われたんだけど。

で、この『アヒルと鴨のコインロッカー』。

かなりのちょうちん屋的補正作業をしないと、
ここまでのモノはできないだろうな。
すごいっす。






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2016年9月21日水曜日

『罪の声』(塩田武士)読みました。



昔、
つくったことのないジャンルの
本の制作を依頼されて、

「ああ、それなら任せてください」

なんて、
さもその道の専門家のような顔して
仕事を受けたことがありました。

四苦八苦しながら、
なんとか半分くらいまで仕上げて、
依頼元の編集者さんに、
こわごわ提出したんです。

1週間ほどして戻って来た原稿には、
もとの文字が見えなくなるくらいに
赤ペンの修正依頼が入っていました。

まーそうだよな。
うん、わかるわかる。

編集さんも、
キチンと仕事をしているってことだ。

んで、気を取り直し、
修正作業は後回しで、
残り半分を先に仕上げることにし、

後半部分をつくって、
編集さんに渡したんです。

前と同じように1週間ほどして、
後半の原稿が戻って来ました。

びくびくしなら、
それをのぞいてみると、

……あら不思議。
ほんの数カ所しか
赤ペン文字の修正依頼はなく、
ときどき

「ここいいですね!」
「わかりやすい!」

なんてコメントが書かれていたんです。
前回とは天と地ほどの違いでした。

あとで編集さんに話を聞いてみると

「最初はギクシャクするけど、
 やっていくうちにこなれてくるもんです。
 だから未経験のジャンルでも
 大丈夫なんですよ」と。

あう、ばれてた。

で、この『罪の声』。

後半にいくにしたがって、
すんなりすすっと読み進められました。





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2016年9月16日金曜日

『ニュートリノ』(多田将)読みました。

人を見かけで判断してはいけない
といわれます。

一方、
その人の書いた文章を見れば
人柄はだいたいわかると、
いろんな人が言っていました。
(例えば高校の先生とか)

人を判断するとき、
見かけはダメ、
文章はOKということでしょうか。

でも、
ぼくの乏しい経験からすると、
文章も
その人物の判断材料には適してない
気がします。

だって、
ものすごくわかりやすい文章を
書く先生なので、
きっと話も面白いんだろうなと
思って会ってみると、

まるで外国語を聞いているような
専門用語バリバリの、
相手の理解度まるで無視的な人が
多かったし、

逆に
「こんなギクシャクした文章を書くのに、
 よくライターしているな」な人が、

付き合ってみるとホントに良い人で、
難しいこともかみ砕いて
丁寧に説明してくれたりするってことも
いっぱいあった。

誤字脱字ばかりで乱暴な文章の人が、
机の上は常に整理され、
置いてあるペンの角度が違っているのも
許せない人だったり、とかね。

で、この『ニュートリノ』。

なんてわかりやすくて、
面白い本なんだろう!

そう思ったから、
著者さんのことググってみたら、
「あらま!」

人は見かけにもよらないし、
文章にもよらないんですね。






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2016年9月14日水曜日

『重力ピエロ』(伊坂幸太郎)読みました。


家の居間にある本棚は、
ぼく専用のものではありません。

カミさんや娘たちが読み終えた本も、
ささっています。

(といっても、
 娘たちは自分らの部屋にも
 本棚があるので、ここに置くことは
 あまりないし、カミさんも
 新しい本に次々と手をつける
 というより、同じ本を
 繰り返して読むスタイルなので
 彼女の本は少ない。
 結局、
 ぼくが仕入れてきた本が
 大半を占めているのですが)

ということで、居間の本棚に、
ぼくが読んだ覚えのない小説が
あったとしても、
まあそれほど不思議じゃない。

特定の作家に興味を持ちだして、
デビュー作から順番に読んでいこうと、
ぼくが徐々にラインナップを
揃えていったとき、

その人の何作目かの著作が、
すでに本棚にささっていることもある。

家族だから
同じ作家の作品を面白いと思うことも
あるでしょうって考えてた。
が、今回は違いました。

それがこの『重力ピエロ』。

本棚の端のほうにあるのは、
前からわかっていたんです。

そのポジションが、
あまりにしっくりな感じだったんで
「これ誰が読んだヤツ?」
と聞くこともなかった。

今思えば聞かなくて良かったです。

だって、ぼくが買ってぼくが読んで、
本棚に置いたものだったんですから。

読み終えた後で、
もぞもぞした既視感的な気持ちがして、
このブログのバックナンバーを
検索してみて、
一度読んだ小説だと気づきました。

あ、作品の魅力がないってわけではないです。
ぼくの記憶力が貧弱なだけです。





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2016年9月12日月曜日

『残念な政治家を選ばない技術』(松田馨)読みました。


うちの会社は
「ダイアローグ」という名前です。

昔、会社に
こんな電話がかかってきました。

プルルル…
「はい、ダイアローグです」

「ダイアローグといいますが、
 社長さんいらっしゃいますか」

「ぼくが代表ですが……
 えっ!? ダイアローグさんですか?」

電話の相手は、
同じ会社名の人からでした。

どうやら社名を同じにしてしまったので、
挨拶したかったらしいんです。

それとたぶん、
うちの会社の様子も
探りたかったのかもしれません。

同名の会社がいかがわしい感じだと、
何かと差し障りがあるのでしょう。

話を聞いてみると、
業種は違うようですが、
まるっきり接点が無いわけでもないらしい。

「もしよかったら、
 お願いしたい仕事もあるんです」

なんて提案もしてくださいました。

でも、
そのときは手一杯で
新たな仕事を受けられる状況にもなく、

何より
頻繁にやり取りするようになったとき、電話で

「はい、ダイアローグです」
「あ、どうも。ダイアローグのきくちです」

と、ダイアダイアするのが可笑し過ぎるので、
丁重にお断りしました。

で、この『残念な政治家を選ばない技術』。

著者は松田馨さんという方らしく、
株式会社ダイアログの社長だそうです。

電話をかけてきた
会社の名前(=うちの社名)とは、
ダイアにつづくのが
「ログ」と「ローグ」で異なります。

それでもなんだか親近感を覚えて、
この本、読んじゃいました。

それなりに勉強になりました。






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2016年9月8日木曜日

『失われた過去と未来の犯罪』(小林泰三)読みました。


先日、
美容院をやっている友だちと
話す機会がありました。

そこで、ぼくが日ごろから
うまく出来ないと思っていたことを
聞いてみたんです。

「床屋さんに行ったとき、
 何と言って伝えれば、
 格好いい髪型に仕上がる?」

(今は電動バリカンを購入し
 自分で散髪しているので、
 床屋さんにはあまり行かなくなったのですが
 自分で切るようになったのも、
 「うまく伝えられない」からが
 理由のひとつになっています)

すると彼女は
間髪を入れずに即答してくれました。

「あなたの場合は、
 どんなふうに言っても一緒。
 髪型だけで、格好良くなったり
 イメージが変わったりはしないから。
 最初からガッチリ雰囲気ができてる人は、
 やりようがないの。

 あなたとは違って、
 髪型だけでガラッと変われる人も
 いるんだけどね。

 まあ、〈短くしてください〉で
 いいんじゃない」

なんと、そうなんですか。

伝え方とか、
その床屋さんの技術だとか、
そんなことじゃなく、
問題は、ぼく自身のぼく全体だったんですか。

何かちょっとガッカリしたけど、
よく考えてみると
そんなにガッカリしなくても
いいような気もしてきて。

で、この『失われた過去と未来の犯罪』。

これを書いた作家さんはきっと、
髪型を変えることで、
ガラッとイメージを
変えられる人なんじゃないかな
って思いました。

ガッチリ固まってるっぽいぼくとは違うなって。






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2016年9月6日火曜日

『活版印刷三日月堂 星たちの栞』(ほしお さなえ)読みました。



昔、どこかに書いた覚えがある
消しゴムのこと、もう1回書きます。

鉛筆でものを書いて
間違ったとき消すのが消しゴム。

だけど、
これを使ったとしても
完全に何もなくなるわけじゃない。

消した後にはカスが出ますから。

残るんですよね、
書いた文字とか絵とかの残骸が。

それに対して、
パソコンで文字や絵なんかを書いたときは、
削除キーを使って消す。

このときには、カスなんか出ない。

何にもなくなっちゃうんです。
どこにいっちゃうんだろう。
間違ったもじもじ君たち。

最初から何もなかったってことでしょうか、
デジタルの世界って。

で、この『活版印刷三日月堂』。

実際に触れるモノがあるのって
いいなと思いました。

活版印刷も利用したことないけど。

活版って、
文字の一個一個がモノなんだとしみじみ。

そういえば、
版下つくるときのカッターの切り貼り作業も
しなくなったな……。
ペーパーセメントって売ってんのかな。







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2016年9月2日金曜日

『物流ビジネス最前線』(齊藤実)読みました。



そもそも飲んだ席での話は、
その場の勢いで
思いついた順に口から出てくるもので、
理路整然としているのはまれでしょう。

あっちいったり、
こっちいったりして、
最初に言おうとしていた
話の結末は忘れ去られ、

そこから伸びた枝葉の話の
盛り上がった部分で
「ほう、そりゃ、すごい!」
みたいに結ばれて、

ほかの人が
「そういえばさー!」と言い出して、
別の話題に移る。

以前、
こんな酔っ払い仲間のやり取りがありました。

「この間、あいつ、
 足滑らせて噴水に落ちたんだ。
 落ちたのはいいんだけど、
 そのあとが傑作でよー。

 そんとき、
 やつは新品のクツを履いてたんだけど、
 そのクツ買うとき対応してくれた
 女の子の店員に惚れて、
 その店で新しいクツを10足も買って、
 顔見知りになって落としたんだって」

「へぇ、やるな」

「そうだろ、
 10回目でやっと食事に誘ったって」

……そのあとは、
結婚までの経緯話になり、
途中で出てきたおばさんの話になり、
誰かが
「そういえばさー!」と言い
まったく別の話になる。

噴水に落ちたあとの傑作は
どこにいったのでしょう。

で、この『物流ビジネス最前線』。

ぼくの読解力が浅いからでしょう。
「あれ?結論は?」
と途中で何度も思っちゃいました。







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