2022年6月28日火曜日

『マイクロスパイ・アンサンブル』(伊坂幸太郎)読みました。


前回、星評価の話をしたので引きずります。

その昔、確か地震の前の年、
森見登美彦さんの『ペンギン・ハイウェイ』を読んで、
「こりゃ完璧、五つ星だ」と感激しました。

自分の感性がひねくれ児であると自覚しているぼくは、
良いと思った作品でも
人に薦めることはほとんどないんですが、

そのときばかりは、友だちに
「絶対いい」って断言しちゃったんです。

ほんでまあ、後日。
ペンギン読んだそのご友人は、
案の定「そんなでもないな」とすげないご返事。

いやいや
今回ばかりは賛同してくれると思ったのにな
と、ちょいしょげたけど、すぐ忘れ、
そして確か地震の次の年、
ひょんなことから再読したら、
ぼくもご友人の意見になってました。

で、この『マイクロスパイ・アンサンブル』。

読了直後、友だちに薦めようと思いました。
でも再読後にしとこかな。




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2022年6月23日木曜日

『ファイアスターター(下)』(スティーヴン・キング)読みました。


去年から今年までの読書リストを眺めていて、
五つ星評価をつけたのは何個あるかなと、
数えてみました。

140冊中9冊。率にして6・5%です。
だいたい15〜16作品に目を通して
1つ見つかる感じですかね。

そんなことしてたら、
ちょっとした傾向に気づきました。

高評価は、
上下分冊になっているものが多いようなんです。

確かめて見ると、
2巻に分かれているのは10冊(5作品)あって、
そのうち五つ星が4つありました。

10の4だから40%。
全体の6・5%からすれば6倍以上の確率です。

そりゃまあ、一つの作品が気に入ったら
上下の両方の巻に満点をつけるだろうから、
1つで2倍おいしいキャラメルのような計算になって、
割合も高くなるんじゃないって思いきや、

その10冊(5作品)の上下ともに
満額評価がついているのは、
まったくなかったんです。

『カササギ殺人事件』は
上巻が「4」で下巻が「5」
『ヒトコブラクダ層ぜっと』は
最初が「5」で次が「4」ってな具合です。

で、この『ファイヤスターター(下)』。

これ4つにしました。上巻は5だったのに。
今いった法則に
無理やり当てはめようとしたわけじゃないんです。
普通なら5にしてたと思います。

でも、上巻が面白すぎて
そこからちょい失速しちゃったなと思ったから。
比較するものがあると不利なのかも。




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2022年6月21日火曜日

『サラ金の歴史』(小島庸平)読みました。


少し前、
テレビ番組の『世界一受けたい授業』で、
有名学校への合格率がすこぶる高い
学習塾の先生が出ていました。

教え方の特徴は「教えないこと」らしく、
子どもたちにただ問題を解かせて、
それを判定するだけという授業の様子が
紹介されていました。

与えるのは先生がつくったナンプレみたいな問題です。
(ナンプレってよく知らないんですが、
 何かのルールに従ってマスに数字を
 当てはめていくヤツのこといってます。
 わかってあげてください)
クロスワードパズルのような四角のマス目に、
先生が考えたルールに適合するように数字を入れていく。
(縦横それぞれの1列をたすと合計が「6」になるとか)
子どもたちは、嬉々として四角に数字を埋めていき、
できた子はドヤ顔で高々と手をあげていました。

その先生曰く、
考えて考えてよく考えて、解くのが楽しくなる問題は、
つくるのが難しいとのこと。
逆にいえば簡単につくれてしまう問題は、
容易に解けてしまうし、解答作業も楽しくない。

問題の作成者のほうが、
考えて考えて、もっと考えてつくったとき
初めて面白がってもらえるものができる。

努力して汗水垂らさないと、
(この場合は、脳からの汗水でしょうね)
受け入れてはもらえないってことですね。

で、この『サラ金の歴史』。

この本を仕上げるのは、
並大抵の労力じゃあ済まないだろうなと思いました。
きちんとつくってあると感じました。
面白かったです。




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2022年6月16日木曜日

『ファイアスターター(上)』(スティーヴン・キング)読みました。


昔発行された本で
今では新しく印刷しなくなっているもの
(最初「絶版」と書いたんですが、
 意味が合っているか不安になり
 パソコン辞書で検索したら
 「一度発行した書籍の印刷・販売を中止すること」
 「印刷用の版を廃棄すること」と出てきて、
 ぼくが言いたいものとは
 正確には違うんじゃないかと思いました。
 出版社としては印刷や販売の中止を
 決めているわけじゃなく、
 印刷の版も捨てていない状態のまま、
 増刷しなくなっているものはたくさんあって、
 もしかしたら、そんな宙ぶらりん作品のほうが
 多いのではないかと想像しちゃったからです。
 だから「絶版」というできれば避けたい言葉を、
 できたので避けちゃいました。
 とするとこんな言い方でもいいかな
 →「優柔不断状態で追加印刷しないまま
   放っておかれている作品」)
は、いつも利用している新刊の書店で
在庫が売り切れちゃったら、
その店には並んでいません。
だから買えない。

でももしかしたら、
何かの間違いで入荷するかもしれない。

本屋さんの棚の下にはよく引き出しがついていて、
そこには棚差ししない在庫的な本が収められているけど、
その隅っこのほうに隠れていたのを、店員さんが発見し
「まっいいか。
 棚にはちょうど隙間が空いたし、並べるか」
となるかもしれない。

などと淡い期待を抱きつつ、たぶん6年ほど、
見つけたら買う本リストに入れ続け、
それでも入手できずに、
仕方なくブックオフの入荷お知らせ機能を使って購入した本。

それが、この『ファイアスターター(上)』。

めっちゃ面白かったです。
下巻も同じ方法で入手済みです。




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2022年6月14日火曜日

『時間の終わりまで』(ブライアン・グリーン)読みました。


どこも同じようなもんだと思いますが、
事務所のベランダの柵の下には、
深さ2〜3センチ程度で幅10センチ程の
浅い排水溝がぐるりとついています。

そこ、普段は
枯れた水路状態になっているんですが、
夏の時期になると端の5分の1くらい
(長さにして1メートル程)のところに
水が溜まるんです。

それは、隅っこにある
階下へ水を流す穴(排水口っていうのかな)が
詰まってるから。

夏の時期にはエアコンを使うので
室外機から出てくる水が、詰まった排水口から
下に流れず、排水溝に溜まってしまう。

でもご存じの通り、
室外機からの水はポタポタ程度で
大量に流れ出るわけじゃないから
使わない夜間にはある程度乾き、
それでもまた昼には使って乾燥分が補われる。

結局、長さ1メートル程の
一定区間だけのプチ貯水路が、
夏の時期の3〜4カ月だけ登場するんです。

でね。
そこに、その水の中に。

なんと、ちっちゃな生き物も登場するんです。

一分刈りのごく短の髪の毛一本くらいの
ミミズ的生物(色も)で、
よーく目を凝らさないと見えない。

数もそれほど多くなく、
身体が大きくなる様子もない。
彼らは夏が過ぎ、水が枯れるとともにいなくなります。

で、この『時間の終わりまで』。

人間の生きる100年も、ミニミミズ君の一夏も、
同じ一生なんだよな。
んでもって、この本は宇宙の一生を語ってます。




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2022年6月9日木曜日

『皆殺し』(ローレンス・ブロック)読みました。


前回の『血まみれのマリア』では、
読了した本なのに、なぜか
ここに書き忘れてしまうものがある
といいました。

そのネタにしたのは、今回ここに
話を引き継ごうと目論んだからではなく、
純粋に単発で思いついたからなんです。

でもね。
予期せぬ出来事が起こり、
そりゃそのネタは引き継がにゃならんだろうと、
なっちゃいました。

それに関係するのが
「5、17、18、10、16、4、8、15、
 6、1、11、12、2、3、7、13、14」
というなんの法則もないランダムな数列です。

シリーズものの本であれば、普通は
古いものから刊行された順に読んでいくもの。

でも、最初の出版からはだいぶ年月がたって、
絶版とかで新刊書店では手に入らなくなったシリーズは、
古本屋さんで見つけるごとに買っていき、
その順で読み進めることになる。

やっとシリーズ全巻コンプリートしたところで、
このブログに検索かけつつ、
読んだ順にタイトルを並べてみて、
そこにホントの刊行順の番号を当てはめたのが、
上のランダム数列なのでした。

全部で18冊あって、一番最初の読了がシリーズ第5弾、
3冊目に早くも最終巻を読んだようです。

そして、この数列を作成して気づいたのが、
読んだはずの「9」が入ってないってこと。
そう、ここに感想文もどきを書き忘れてるから
検索で引っかかってこなかったんです。

で、この『皆殺し』。

シリーズ14冊目でした。
なお「9」は『倒錯の舞踏』です。
もう一回読もうっと。
いや「1」から順に全部読みなおそ。




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2022年6月7日火曜日

『血まみれのマリア きんぴか(2)』(浅田次郎)読みました。


1冊読み終わったら、
何がしかの文章をここにペコペコ打ち込む。

その作業は、自分縛りのルーチンとして、
欠かさずにやっているつもりなんですが、
ごくごくたまに抜けちゃうことがあります。

「おお、しょんべん、しょんべん」
とか言いながら、トイレに行くまでの
途中にある本棚の前を通り過ぎたとき、

なんかのタイトルが横目に入り、
「あ、これ面白かったな」
と頭をよぎった瞬間に、

「あれ?これの感想文もどき、書いたっけ?」
となる。

ほんでもって、
「うーん、いつものことだけど、
 まったく覚えがない」
なんてぼやきつつ小用を終えて、
エクセルの読了本リストの検索窓に
その題名を入れてみると
「検索条件に一致するデータは見つかりません」

で、この『血まみれのマリア』。

危うく書き忘れるトコでした。面白かったのに。




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2022年6月2日木曜日

『恋大蛇 羽州ぼろ鳶組 幕間』(今村翔吾)読みました。


読むのが遅いぼくは、
1日で読み終えられる本など、
ほとんどありません。

したがって、
どこまで読んだのか目印になる栞が必要です。

あっそうだ、
北村薫さんの小説に出てきた読書好きの主人公は、
読みかけの本を途中で一旦閉じるとき、
そのページ番号をぢいっとみらみ、
脳みそに焼き付けるようにしておけば、
栞を使ったり紙面の端を折ったりしなくても、
次のときには、間違いなく
前回読み進めた最後の部分を開けるって
特技のようなものを身につけていました。

その技、欲しい気もするけど、
別々の3冊を同時に読んでいるぼくは、
もしページ番号を覚えられたとしても、
どの本がその番号なのか、ごっちゃになって、
結局ダメだろうな。

なので、栞。
本の中に新刊広告なんかの紙片が入っているときは、
それを利用します。
入っていないときは、読み終えた他の本から、
そうした紙片を引き抜いて使います。

それがつい最近、
おしゃれな栞をプレゼントしてもらったんです。
プラスチックなんだけど
ペラペラ感がちょうどよくて、
3枚セットだったので、
いつもフル回転で活躍しています。

で、この『恋大蛇 羽州ぼろ鳶組 幕間』。

3枚の中のひとつ、
北斎の赤富士がデザインされた栞を使って
読み進めました。
内容は富士山とは関係ないけど、
時代的にぴったりでした。




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