2017年4月28日金曜日

『乳房に蚊』(足立紳)読みました。


東池袋の本店から
のれん分けした店があちこちにある
ラーメン・つけ麺の大勝軒。

ぼくはその本店では食べたことはなく、
最初に食べたのは、
自宅近くに出来たばかりの店でした。

あれほどボリュームがあるとは知らず、
大盛つけ麺を頼んで、
びっくりしたのを覚えています。

でも、ご多分に漏れず美味しかったので、
完食したのはもちろん、
思い出しては食べに行くような
お気に入りの味になりました。

その初体験のとき、
食べ終えて店から出て行くお客さんが
「美味しかった。東池袋と同じ味だよ」
と言っていたのを耳にしました。

それ聞いて、変だなと思ったんです。
チェーン店なんだから、
どこも同じ味じゃないのって。

でも、独立したそれぞれの
店主の好みによって
(というか、こだわりによって)
味は微妙に違ってたんですね。

その後で
別の、のれん分け店で食べてみて、
あのお客さんの
言った意味がわかりました。

たぶん、後から行った店のほうを
もし先に食べていたら、
今みたいなお気に入りの味には
ならなかったかな……。
美味しいのは美味しいんですけどね。

で、この『乳房に蚊』。

同じ作家さんの『14の夜』という作品を読み
メッチャ面白かったので続けて読みました。

でも、もしこの『乳房に蚊』を先に読んでたら、
次は手にとらなかったかな……。
面白のは面白いんですけどね。
とはいえ逆に、これを面白いって思い、
次の作品を買う人も、たくさんいるはずです。





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2017年4月26日水曜日

『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦)読みました。


鼻毛が1日に1メートル
伸びてしまう人は、
半日つまり12時間で
50センチ出てくるってことで、
6時間で25センチ、
1時間で4センチちょっと。

下方向にきちんと
毛が下がっていくとなると、
口の中央が
ほとんど隠れてしまうわけで、

1時間の会議とか
打ち合わせなんかは
日常的にそれほど珍しくないから、

その時間内に、くちびるの前が
ヒモのれん状態になり、
言葉を発するたび、息を吐くたび、
のれんがヒラヒラして、
邪魔で仕方ない。

打ち合わせが長引いて
2時間にもなろうものなら、
鼻毛はアゴまで隠しちゃう。
……ああ。

で、この『夜は短し歩けよ乙女』。

何度目かの再読。
ストーリーにはそれほど関係無い箇所で、
鼻毛の人の話題が出てきます。

そんなオモチロイこと、
ぼくには到底思いつかない。
いいな、オモチロイこと思いつけて。

ぼくもそんなアイデアが出てくるよう、
もっと勉強しよっと。




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2017年4月24日月曜日

『騎士団長殺し 第2部 遷ろうメタファー編』(村上春樹)読みました。



前にも何度か言いましたが、
ぼくの読書場所は3つあり、
それぞれ場所で違う本を読んでいます。

会社の昼休み、
バス通勤の途中、
就寝前の寝床。

たいていはどの場所でも、
判型が小さくて軽い文庫本を
なるべく選ぶようにしています。
(持つ手が疲れてきちゃうので)

大きな単行本を読むときには、
机に置いたままにできる会社の昼休みか、
寝転んだ胸の上に置ける寝床、
のいずれかにしています。

前置きが長くなりましたが、
ここで言おうと思ったのは、
その寝床読書でのチャレンジの件
なのでした。

胸の上に置いて
読み進めていた姿勢に疲れ、
横を向いたときでした。

何を勘違いしたのか、
本を逆さに置いちゃったんです。

ひっくり返った文字列を見たとき、
ふと「これでも読めるかな?」
とおバカな考えが頭をよりぎ、
挑戦してみたくなっちゃいました。

結果、読めるんです。
これが結構。

次の小見出しまでの
よそ10ページをやってみて、
それほど苦もなく、
読み進められちゃいました。

そんな本に対する冒とく的な行いを
してしまったのが、この
『騎士団長殺し 第2部 遷ろうメタファー編』
でした。

物語に心からのめり込めれば、
逆さ読みなんてアホ行為は
できなかったんだと思いますが……。
次回作に期待です。




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2017年4月21日金曜日

『量子力学で生命の謎を解く』(ジム・アル=カリーリほか)読みました。


全体的な傾向としては
ほぼ正しいとを言えるけど、
個々の状態をきちんと示せはしない。

だから、ぼく自身について、
「タバコを吸っているから不健康だ」
みたいな断言もできない。

えーと、
いきなり何の話かわからない
文章からはじめてしまい、すみません。

いわゆる〈統計〉についてです。

それって不思議だなって思うんです。
だって、ぼくが何歳で死ぬかは、
誰にもわからないことになってますよね、
普通の世の中では。

だけど、
日本人全体とか地球にいる人類全体だとか、
いっぱいの数を対象にしたとき、
何割の人が何歳まで生きるかは、
ほとんど間違いなく答えられる。

日本人だったら、
今の平均寿命が80歳だとして、
全体の半分はその歳まで生きられるとかです。
(ちゃんとした統計の数字ではありません。
 ちゃんとした数字をお求めでしたら、
 各自おググりください)

さっき、
タバコの話が出たからついでにいうと、
パッケージの裏側に
「肺がんにより死亡する危険性が
 約2倍から4倍高くなります」
って書いてあります。

でも、そうはならずに長生きする人も、
数は少ないかもしれないけど、
いるにはいる。

んで、ぼくがその少数派になるか、
危険もろ受けの多数派になるかは、
誰もわからない。

でもでも、
喫煙者全体の傾向としては
危険が増すことは確か。
全体では確かだけど、個々では不確か。
不思議です。

で、この『量子力学で生命の謎を解く』。

面白かった!
面白くて何を書いていいかわからず、
浅学をさらけ出すような
「統計の不思議」なんて、
この本とはまったく関係のない話題で
埋めちゃいました。すんません。




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2017年4月19日水曜日

『蒼穹の昴(1)』(浅田次郎)読みました。


何人かが集まって
一つの仕事をこなしていくとき、

グループの中に必ず一人は、
いわゆる〈やなヤツ〉が含まれる
という法則を聞いたことがあります。

その法則、これまでの経験から、
「なるほどな」と納得できる気がします。

それと同時にぼくが感じているのは、
そんなグループには、
目立たないけどその人がいなかったら、
仕事がきちんと完了しないだろう
キーパーソンが、
〈やなヤツ〉の含まれる以上の確率で
存在するってこと。

グループで会議を開いたとき、
しゃしゃり出て意見を言うこともなく、
みんなで一斉に動かなきゃいけないときも
「あれ、あいつ今日は休み?」と思ったら、
隅のほうでコツコツ作業を
こなしているような〈縁の下の力持ち君〉。
好きなんですよね、そういう人。

で、この『蒼穹の昴(1)』。

全部で4巻あるらしく、
そのうちのまだ1巻目で、
これからどう面白くなっていくのか
予測できないんですが、
イガイガした嫌な引っかかりは何もなく、
すんなり読み進められました。

で、ストーリーには何も関係ないのですが、
グループに必ずいる
〈縁の下の力持ち君〉のこと
しきりに思い出していました。
なぜかしら。




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2017年4月17日月曜日

『騎士団長殺し 第1部』(村上春樹)読みました。


山田風太郎さんの『魔界転生』は、
たしか上巻の3分の2まで、
物語の鍵になる
忍法についての記述で占められていて、

ページをめくりながら
「いったい主人公は、
 いつになったら活躍するの?」
って思ってました。
(読んでから2年以上もたつので
 記憶はあいまいなんですけどね)

その忍法は、
死んでも復活しちゃうというか
死なないといか、
そんな掟破りの究極コースで、

その術を完成させる工程には、
お得意のエロ的要素が
ふんだんに絡んでいます。

なので、最初にいった
〈主人公はどうなのよ?〉
の疑問はあるものの、
読んでて楽しいんです。

「おいおい、そんなお下劣な、
 とんでもないこと、
 どんな頭の構造してたら、
 思いつくんだよ。
 その脳みその仕組み、
 ぼくにも少し分けてほしい!」

って羨望と尊敬とニヤニヤが
まぜこぜになりながら、
読み進めていったように覚えています。

最初から主人公がきちんと登場して、
キャラの背景なんかが説明されて、
次に戦う相手方の描写があってとか、
そんな普通に流れる
ストーリーの構成は無視されても、
許されちゃう楽しさがありました。

で、この『騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編』。

あれれ?
ここまで引っ張ってからの登場なんですか?
と『魔界転生』を読んだときみたいな
ひっかかりがありました。

山田さんのときは「それも、ご愛敬」と、
ニヤニヤしながらうなずいていたんですが、
今回はノドに小骨が刺さったような
感じが残っています。

第2部読めば、
違和感なくなるかな……。




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2017年4月14日金曜日

『オー!ファーザー』(伊坂幸太郎)読みました。


都庁の建物の設計もしたという
建築家の丹下健三さんについて、
昔聞いた噂が
ちょっと気になって調べてみました。

結果、
やっぱその噂はガセだったようです。

都市伝説のようなその噂とは、
「丹下さんは一級建築士の資格を
 持っていなかった」。
(故人なので過去形にしました)

いつどこで誰から聞いたのか、
もしくは何かの資料で読んだのかは、
記憶にないのですが、

「資格を持っていないのに、
 そんな大規模プロジェクト
 やってもいいの?」
と疑問に感じたのは覚えています。

そのときの自分なりに納得した答えは、
「その世界の第一人者になれば、
 資格やらの細かいことは関係無い。
 評価されるのはあくまで作品だ」
みたいな精神論だったように思います。

そのあと、
「一級建築士の資格なんてのは、
 足裏についたご飯粒のようなもので、
 取らないままでも、
 気持ち悪いだけで、何も問題ない」
って話も聞き、
ふーんそうなのかと思ってたら、

資格の有無に関連する
違法建築だかの問題が
テレビとかで騒がれてて、

「やっぱ、ちゃんと取らないとダメなのか」
と、思考があっちこっちフラフラしてます。

で、この『オー!ファーザー』。

足裏についちゃったご飯粒が
ひとつ取られないまま
残っているような気がするのは、
ぼくだけでしょうか。




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2017年4月12日水曜日

『活版印刷三日月堂 海からの手紙』(ほしお さなえ)読みました。


昔、友だちの書いた小説を
読ませてもらったとき、

「褒め言葉はいらないから、
 何でもいいからダメだと
 思った部分を教えてほしい」

というので、
リアリティがないと感じた部分を
素直に口にしました。

「他は〈うん、そういことある〉と
 思いながら感心して
 読んでいたんだけど、
 恋人とデートする場面と、
 親友に裏切られる場面が
 ちょっと違和感ある。
 いかにも〈つくりました〉って感じ」

と答えたんです。

するとその友だちは、
今指摘した2カ所以外は全部、
頭の中でつくったこと、
つまり創作だと言いました。

でも、その2カ所だけは、
自分の実体験をそのまま書いた
実話だって言うんです。

実話だとリアリティがなく、
創作だとホントっぽい……。

表現する人のクセだとか
技量だとかによるんだろうけど、
なんか不思議だなと思いました。

で、この『活版印刷三日月堂 海からの手紙』。

読んでいるうち、
知らぬ間に涙がこぼれてきて、
ページの所々がふにゃふにゃになりました。

……なんですが、
「これはリアリティないな」と
感じた部分もありました。
もしかしたら、それが実話なのかしら。





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2017年4月10日月曜日

『バイバイ、ブラックバード』(伊坂幸太郎)読みました。


最近、
あとがきや解説といった付録部分は、
本編よりも先に
読むようになってきました。

本編を読み終えたときに、
1冊の本の中で
目を通していない部分が
残っていると、
なんだかムズムズだからです。

本編の最終ページをめくって
「うん!オモロイ!」
なんて思ったら、

そのタイミングで1冊分の体験は、
終わってほしい。

そのためには、
本編に入る前に、
付録を先にやっつけておき、
「本編読了=1冊読了」に
なるようにするんです。

でも、
そこにはやっかいな問題があります。

解説やあとがきには、ときどき、
いわゆる〈ネタバレ〉がある。

親切な本だと、
「先に読まないように」などと
注意書きもあったりします。

結末などを先に知ってしまったら、
面白味が損なわれちゃう……。

では、
ムズムズ解消とネタバレ回避の
どちらをとればいいのか。

その悩ましい問題、
ぼくの場合、
自然に解決できちゃいました。

忘れるんです。

いや、忘れる努力なんて不要です。
そのままにしておけば、覚えてない。
いやぁ、ひ弱な記憶力でよかった。

で、この『バイバイ、ブラックバード』。

普通の人はたぶん、
付録部分はあとから読んだほうがいいと思います。
面白いだけに。




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2017年4月7日金曜日

『革命の終焉 小説フランス革命18』(佐藤賢一)読みました。


本を読み終わってすぐに
この感想文もどきを書ければいいんですが、
そうもいかないときが多々あります。

読了して「ああ面白かった」と感じ、
そこから感想文に引っ張れるような
ネタを思いついて
「よし!これで書こう!」と思っても、
いざパソコンの前に座るのは
日を置いた後日
っていうのがほとんどなんです。

そのブログ執筆時、約半分は、
読んだ直後に思いついた〈ネタ〉を
覚えているんですが、あとは忘却。

まあ、
ぼくのガタピシ記憶力からすれば、
半分でも記憶に残っているのは、
上出来なんですけどね。

で、この『革命の終焉 小説フランス革命18』。

残念ながら忘却バージョンでした。
とってもいい〈ネタ〉だった
ハズなんですけどね……。

ソレ書いたら、この本、
一挙に1000万部売れちゃうくらい。

ま、いずれにしても
面白かったことは確かです。
小説フランス革命、
全18巻、読み終えました。




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2017年4月5日水曜日

『自閉症の僕が跳びはねる理由(2)』(東田直樹)読みました。


「今の私があるのは、
 たくさんの人のお陰です」
という言葉をよく聞きます。

そういう人はたぶん、周りの人が
何かいいアドバイスをしてくれたり、
もっと直接的な援助をしてくれたり
ってことなんだろうな。

ぼくも今があるのは、
(というほどのポジションではないので、
 今、社会の中で生かしていてもらえるのは
 程度の意味です)
自分に力があったからだとは思っていません。

とはいっても、
周りの人から有益なものを
たくさん頂けるような、
幸運を持っていたのとも違います。

周りの人が教えてくれたのは、
「こんなふうにしちゃダメだよ」って姿です。

そのダメ姿を
リアルに見せてくれた人が多かったんです。
つまり反面教師。
悪い見本です。

「この人、我を張りすぎ
 ……ぼくはそうならないようにしよ」
「あの人、なんで〈ありがとう〉って
 言わないんだろう
 ……ぼくは気をつけよう」 などなど。

いろいろ思い出してみると
変な人ばっかりだったんです。
ぼくの周り。

で、この『自閉症の僕が跳びはねる理由2』。

読み終わったらなぜか、
反面教師に教えられてきた
今までのぼくのことが
頭に浮かんできました。

著者さんみたいな障害のある人からみて、
ぼく自身が悪い見本にならなければいいな
……っていう自戒の気持ちから、
そんな思いが出てきたんだと思います。




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2017年4月3日月曜日

『正しいマラソン』(金哲彦)読みました。


バドミントン部だった高校時代。
中学からの経験者だってことで
部長をやらされ、

なんか「らしい」ことを
しなきゃと思い、
練習メニューを、
まったく別のトレーニングに
変えたことがありました。

それまでは、
何となく走り込みをして、
そろそろ疲れたなと思ったら筋トレやり、
「ゲームやりてぇよ」という声が上がると
ゲーム練習にするという
メニューとさえいえない内容だったのを、

15分刻みで、
走り込み、筋トレ、素振り、基礎打ち、
ノック、ゲームなどの項目を組み込んだ
スケジュール表をつくり、
みんなに声を掛けたんです。

それ、ひと月くらいはやりました。

でも、
目に見えて技術が上がるわけでもなく、
みんなのやる気が向上するでもなく、
ただあたふた時間に追われるだけで、
ぐるぐるしてきゃったようで、

いつの間にか元通りの
何となくメニューに戻っていました。

そのとき、
15分刻みの項目に入れた
筋トレとかノックとかは、
それまでやっていたことを
細切れにしただけ。

バドミントン教本みたいな本を
参考にしたとか、
スポーツ雑誌に載っていた
とかじゃあありません。

たまたま、
ぼくの頭の中に浮かんだだけ。

あのとき、
本でも何でもいいから
技術向上の知識みたいなものを
少しでも取り入れていれば、
もっと上手くいっていたのかな……。

で、この『正しいマラソン』。

今、毎日やっている約6キロの
ランニング通勤で、
少しでも楽になるやり方が載ってないかな
と思って読んだ本。

でも、
ぼくのようにだらだら走りの人向けじゃなく、
本格的に走りたい人向けの本でした。

バドミントンについての
こういう本を読んでいれば、
高校時代の練習メニューも
上手く組めたんだろうな。






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