体調がベストな状態のときには、
身体のどの部分も意識することなく、
空気に溶け込んじゃってるみたいな、
まったく「無」って感じだと思いませんか。
そんで、調子が悪くなったときに初めて、
身体のその部分を意識するようになる。
足が痛くなったとき、お腹がごろごろしたとき、
目がしょぼしょぼしたとき、
そんときになってあらためて、
「足」「お腹」「目」の存在に気づく。
ぼくの場合、本を読んでいても、
これに似た感覚があります。
すっごくはまった作品のときには、
文体も構成もキャラクターも、
細かな部分は、なんにも考えずに
「わー面白い!」ってだけ思ってる。
自分が「無」になって、
本の中に溶け込んじゃってる感じですかね。
で、この『わたしたちが孤児だったころ』。
面白かったんです。
ですけど、ところどころで「細かな部分」を
意識しちゃいました。
まあ、意識できたからこそ、
面白かったともいえるんですけどね。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)
posted with amazlet at 13.09.30
カズオ イシグロ
早川書房
売り上げランキング: 71,664
早川書房
売り上げランキング: 71,664
**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら。
**********************