2013年9月3日火曜日

『沈黙のフライバイ』(野尻抱介)読みました。

ちょうど一年ほど前、同窓会のお手伝いで、
プロジェクターから流すスライドショーをつくりました。

当日の現場では、
パソコンの前でキーボード操作。
タイミングに合わせて絵が出てくるように、
ぽんぽんと矢印キーを押していく役をこなしました。

その会が始まる前のことです。
みんな準備でいそいそ走り回っている中、
ぼくは、パソコン画面と格闘していました。

画面をいったん止めたいときに、
マウスで一時停止用のボタンをクリックするのではなく、
キーボード操作でできないものか、試していたんです。

マウスでやれば、すんなりできるのですが、
「キーボードから手を離さないほうが楽だよ」
との幻想が頭をよぎってしまったんです。
本番が始まる直前なのに……。

ちなみにこのパソコン(ノート型)は、
友だちが持ってきてくれたもので、
ぼくは初めて使う機種でした。

不慣れなマシンを
使っていたってこともあったのでしょう、
その格闘中に、
なんと、
大事なスライドが一枚消えちゃったんです。

「ぎょへぇ〜」となって、
急いで復旧作業(データの入れ直し)にかかり、
消えたスライドはなんとか復活できました。

ちょうどそのとき、
パソコンの持ち主(イノさんという友だち)が、
たまたま通りかかったんです。

「どう?」と何気なく声を掛けてくれたイノさんに、
ぼくは消えたスライド事件の顛末を話ました。
すると彼は、超あきれ顔をして
「もう、お前、余計なコトするな」
と一喝し、向こうに行ってしまいました。

で、この『沈黙のフライバイ』。

失敗することなんか頭になく、
「これやったら楽になるかも」
「こうしたら面白いかも」
ってだけ考えて、走っちゃう人たちが物語に出てきます。
いいです。そういう人たち。
あとで「余計なコトするな」って叱られても、
そういう人たち、万歳!
(イノさんみたいに叱ってくれる人も必要ですが…)


沈黙のフライバイ
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