2022年4月28日木曜日

『記者ハンドブック 第13版』(共同通信社)読みました。


昼休み、バス車中、寝床で、
それぞれ違う3冊の本を読み進めていながら、
密かにもう1冊ちびちびとページをめくり、
周りに人がいなれば音読しつつ
こなしている本があります。
(前にも言いましたけど…)

その本は、
わずな隙間時間しか手に取らないので、
3日で1ページなど亀の歩みほども進まず、

よってストーリー性のあるものは、
それまでの話を忘れてしまうと思い、
1項目が短くまとまっているようなものを、
そのスキマ読書にあてています。

そのシチュエーションにピッタリなのが辞書。
ストーリーなぞ、あるはずはなく、
1項目も数行で終わりますから。

で、この『記者ハンドブック 第13版』。

そうやって読み終えた本でした。
まあ、一種の辞書です。
全部で700ページ超、
初めは読了できるとは思ってませんでした。
1年くらいかかってるんじゃないかな。




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2022年4月26日火曜日

『イクサガミ 天』(今村翔吾)読みました。


ここに読書記録を
書くようになった十年ほどの前の頃、
読む本を仕入れるにあたって、
ちょっとした縁起担ぎをしてました。

全部の本が対象になるわけじゃなく、
シリーズ物や上下巻とかに
分冊されたものに関してです。

そういう本の場合は、
一気には買わない。

上巻と下巻の2冊だけでも、
まずは上巻だけ手に入れて、
下巻は1冊目を読み終えてから本屋さんに行く。

そのジンクスを破ると、
どういうわけだか、
あまり面白くない本になる
っていう都市伝説というか自己伝説でした。

何巻もシリーズで出ているやつは、なおのこと。
1つずつ順繰りに買って
読んで買って読んでを繰り返す。

どういうわけかぼくは、
一度読みかけた本は、
最初の1行を読む間に
あくびが10回出てしまうようなものでも、
最後のページまで目を通さないと、
むずむずして仕方がなくなる性癖があり、
一気に仕入れようが小出しに買おうが、
いずれにしても最終巻まで読み進めるんです。

だから縁起を担いでも、無視しても、
読む本の数は変わらない。
いつの間にかそれに気づいたのでしょう、
今ではすっかりその縁起担ぎも
忘れてしまったようです。

で、この『イクサガミ 天』。

どうやら続き物だった模様。
続編を買ってないのは
まだ発売されていないからなのでした。




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2022年4月22日金曜日

『日輪の遺産』(浅田次郎)読みました。


ぼくが「おどろく」と書くときに
使う漢字は「驚」だけです。

というか、
恥ずかしながら他の字があるとは
知りませんでした。

ネットの漢和辞典サイトを調べてみると、
対応するフォントがないと文字化けしちゃう
(なのでここには表示できない)
6つを含め、全部で14個ありました。

ちなみに表示できる残りの8つは
「怛」「咢」「愕」「慫」「駭」「懼」「顫」「驚」。
へぇ、そうなんだと思って、
ネットじゃない手持ちの漢和辞典を見たら
(音訓索引で「おどろく」の項に入っているもの)
8つのうち「咢」「愕」「駭」「驚」「懼」の5つが
この順で並んでました。

そこでやめちゃうのも中途半端なので、
それぞれの漢字を単独で引いてみると、
おのおのにいくつか意味がのっていて、
その意味の一番はじめに
「おどろく」と書いて説明していたのは
「愕」「駭」「驚」の3つでした。

そうじゃなかった2つは、
「咢」が「大声で言い争う」、
「懼」が「おそれる」でした。

ここまで書いて、自分に
「だからどうした?」と聞いてみたけど、
答えは返って来ませんでした。

で、この『日輪の遺産』。

「おどろく」には「愕」の字を使っていました。
だからどうしたわけではありませんが、
とっても面白かったです。




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2022年4月20日水曜日

『庶務省総務局KISS室 政策白書』(はやせこう)読みました。


標識や看板などに書かれた文字は、
「読むぞ」って意識しなくても、
目に入った途端、勝手に頭の中で読解されて、
意味がわかります。

毎日毎日、
日本語を使って暮らしているんだから、
好き嫌いに関係なく、
そんなスキルが身についてきます。

「止まれ」ってあれば、
走るんじゃないのはわかるし、
「味自慢!天ぷらそば」ってのぼりを見たとき、
新型スマホの特売はイメージしません。

でも、それがアルファベットだと、
一般的な日本の人は(というか少なくともぼくは)
そんなに瞬時には読解できません。

「PEACE」とプリントされたTシャツを見ても、
その意味まではたどれずに、
一種のデザインのように
脳みそを素通りしちゃいます。

でもそれがもし「平和」と書いてあったら違う。
意味が頭の中に押し寄せてきます。
(あ、関係ないけど、「COOL GUY」を
「冷奴」と訳したって小話思い出しました)

とまあ、そういうことで、
日頃親しんでいるものは、
すすすーっと頭の中に入り込んでいくんだけれども、
馴染みのないものは、理解するのにも時間がかかる。

薄馴染み難浸透の法則とでもいいましょうか。

そしてぼくの場合は、
長めの文章や物語なんかもその法則に従うようで、
自分の守備範囲の内容は即座に染み込み、
逆は一生懸命脳みそをぐるぐるさせる必要があります。

で、この『庶務省総務局KISS室 政策白書』。

即座染み込み半分、ぐるぐる半分の割合でした。




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2022年4月14日木曜日

『戦争獣戦争(下)』(山田正紀)読みました。


二十代の頃だったと思います。
仕事の資料で読まなくちゃいけない本があり、
そもそも読むのが遅いぼくは
何日かかけてなんとか読了したんです。

でも、一緒のチームにいた仲間は、
同じ本をほんの2、3時間で読み終え、
その日のうちに次のまとめ作業に入っていた。

びっくらこいたぼくは、
「読むの早いねー」と賞賛しまくりました。

すると彼は
「いやいや斜め読みしただけだから、
 きちんと読み込んでない証拠だよ」と。

その頃のぼくは
「斜め読み」って言葉は知っていたけど、
そんなことが実際にできるとは
思っていませんでした。

だって、
斜めに読んだら何にも頭に入ってこない。
一つ一つの文言をじっと眺めて
意味を汲み取らないと
内容は爪の先ほども理解できなかったんです。

それから三十年ほど。
読む量も少し増えてきて、
いつの間にか斜め読みできるようになってました。

で、この『戦争獣戦争(下)』。

ごめんなさい。
ぼくの好みとは少し違っていたので、
斜め読みしちゃいました。




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2022年4月12日火曜日

『慈悲深い死』(ローレンス・ブロック)読みました。


数年前、
池波正太郎さんの鬼平シリーズにはまり、
20冊以上ある文庫本をせっせせっせと仕入れて、
真夏にマラソンをしたあとで
蛇口から流れる水に口を開き
ごくごくと飲み下すように
むさぼり読んだ覚えがあります。

それと
山田風太郎さんの忍者シリーズも同じように、
本屋さんの棚で見つけるたびに抜いて、
にやにやしながらレジに持って行ってました。

それらのラインナップは、今も自宅の本棚に
かなりのスペースを占め鎮座しています。

どっちも、もう作者は亡くなっていて、
最初の刊行からは何年もたっているにもかかわらず、
それほど苦労しないで新刊書店で入手できた。

ロングセラーっていいですね。

でも、へそ曲がりのぼくが気に入ってはまる本は、
みんなが長いこと読み継いでいるような
ものばかりではありません。

鬼平や忍者シリーズみたいな
やつのほうがめずらしい。

そういえば、
木枯し紋次郎シリーズもはまったけど、
文庫で十数冊出てるはずなのに
半分くらいしか売ってなくて、
そのままになってるんだよな。

そんな中で、最近見つけたのが、
ブックオフのサービスでした。
お金が作者に戻っていかない古本は、
なんとなく後ろめたくて、
あまり利用していなかったんですが、
普通の本屋さんにないんだから仕方ないです。

欲しい本が入荷したら
メールで知らせてくれるってツールを使い、
あれよあれよの間に、
読みたい本が揃っていきます。

で、この『慈悲深い死』。

今のマイブームであるブロックさんの本です。
ツールのおかげで入手。よかったです。
このアル中探偵シリーズは
コンプリート(2冊は積ん読棚で待機)。
あとは泥棒シリーズを1冊残すのみです。




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2022年4月7日木曜日

『ぼくはテクノロジーを使わずに生きることにした』(マーク・ボイル)読みました。


スマホもインターネットも
パソコンもなかった高校時代。
男女交際の定番ツールといえば交換日記でした。

ぼくもやってました。

書いた内容は覚えていないけど、
シャーペンでかりかりかり文字を埋めてました。

その頃は、いい文章に仕上げようとか、
しゃれた言い回しをしようとか、
哲学的論考をまとめ上げよう
なんて考えはまったくなく、

思いつくまま指が動くまま、
息をするのも忘れてるんじゃないか
ってくらいの勢いでミミズののたくり文字を
並べていった気がします。

確か2〜3日交代で互いに書いていたんですが、
1ページほど丸い女の子文字が
したためられて返ってくるノートに、
ぼくは10ページくらい
判読不能なぐちゃぐちゃ文字を記してました。

思えば、そのときに、
自分は文章をつくるのが好きで得意で
人よりも速く書け、これを生かした職業につけば
大成間違いなしなどと勘違いしてしまったから、
今のぼくがあるのかもしれません。

あの頃は、頭で考えるよりも前に、
ノートの上の文章が出来上がるような
気がしたもんです。

で、この『ぼくはテクノロジーを使わずに生きることにした』。

著者さんは、テクノロジーじゃなく鉛筆で、
もとの原稿を書いたそうです。
だから書くスピードが遅かったと。

ぼくはパソコンのテクノロジーを使っても、
青春時代の速さには追いつけてないようです。
ちなみに交換日記の相手は、
今、毎日お弁当をつくってくれています。




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2022年4月5日火曜日

『マルタの鷹』(ダシール・ハメット)読みました。


ほとんどの映画やドラマの脚本では、
登場人物の心の声は書かれません。
直接的な心理描写はあまり出てこない。

ときにはナレーションなんかを使って
説明したりするけど、
どこか興醒めしちゃうので
多用はされないみたいです。

あくまでセリフと行動だけで、話が進む。

本当は好きだと思ってる人が
「お前なんか嫌いだ」というセリフを言う。
脚本のその部分だけを読むと、
好きかどうかはわからない。

でも、物語の全体でわかってもらうように描く。

その一方で小説は、
びしばしと心理描写が入ってきます。
むしろ心の声オンリーともいえそうな作品だってある。

あ、漫画にも心の声ありますね。
通常の円形吹き出しじゃなく、雲の形になったやつ。
あれは、心の声っすよね。
心理描写って、
小説や漫画だから使える便利ツールなのかな。

で、この『マルタの鷹』。

便利ツールに一切頼らず、
こんなにも読ませてくれる本って素敵です。




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