2021年11月30日火曜日

『ヨルガオ殺人事件(下)』(アンソニー・ホロヴィッツ)読みました。


これもまた前にもいったかもしれませんが、
ぼくはかみさんに付き合った
スーパーでの買い物のときを、
格好の読書時間にしています。

土日の休みに1週間分の食料なんかを
仕入れに行くんですが、
品を選んでカートに入れていくのはかみさんで、
ぼくはカートを押してその後ろをついていく係。

だから視界の端に彼女を捉えておけば、
押し手の部分に本を乗せ、
読みながらでも役目はこなせるんです。

ただそのとき読書中の本が単行本だと、
ちょっとサイズが大きくて扱いづらい。

その点、小さな文庫本なら
広げて抑えておいても
カートの振り回しには不自由なく、
右左折Uターン急発進急停止、
人避け店員避け、
寝ころんで泣いている子ども避けでも
まったく問題なし。

で、この『ヨルガオ殺人事件(下)』。

その買い物時のカート乗せ対象は、
家で読んでいた単行本でした。
でも、前述の理由もあり、
通勤リュック内にあったこの本にしちゃいました。
文庫本だし、面白過ぎるので早く読みたかったし。




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2021年11月25日木曜日

『ヨルガオ殺人事件(上)』(アンソニー・ホロヴィッツ)読みました。


昔はそんな趣味はなくて、
いつからそっち系にかたよるようになったのか、
自分でもはっきりしないのですが、
気がつくと自虐系の雑文を
好んで書くようになっていました。

あることないこと、もりもりに盛って、
書きながら「いやそこまではないだろう」
なんてつぶやきつつ、にやにやしてるんです。

いじめを欲するMではないのに、
自分をネタに笑いをとるのが心地いいんです。

分析するに、
まず「笑いが好き」がある。
次に「憶病者である」がある。

臆病モノのビビリだから、ほかの人が
「未曾有」を「みぞゆう」って読んでも、
「はははっ、間違った間違った」
と笑うことはできない。
だって怒られそうでしょ。
ビビリですから叱られるのはとってもイヤ。

だけど、笑いたい。
じゃあ、怒られずに、
失態なんかを「がっははっ」と誰の目も気にせずに
呵々大笑できる対象(韻を踏んでます)は、
ないものか。

いるでしょ、目の前に、いや、目の奥に、
いや目そのものというか、自分でしょ。

で、この『ヨルガオ殺人事件(上)』。

著者自身を情けないキャラクターとして登場させて
ユーモラスに描くのは、ぼく的な自虐……
……あっ、間違った。
それは、同じ著者の前に読んだ本でした。
この『ヨルガオ〜』じゃなかった。
どうしよ、まいいか。
えっーと、面白かったです。




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2021年11月18日木曜日

『インスタグラム:野望の果ての真実』(サラ・フライヤー)読みました。


もう5、6年くらい前になるでしょうか。
出身高校のバドミントン部で
毎年開いているOB会に行ったときの話です。

そうここ2年は、大人数が集まって
流行り病を広げちゃいけないと、
開催が中止になっていて、
その3年ほど前だから、
やっぱ5年以上はたってますね。

そこでは、現役の高校生と
卒業生のおじさん、おばさんが集い、
学校の体育館でバドミントンの試合をします。

ぼくもかつて高校生をやっていましたが、
それはもう半世紀近くも前。
十代なんて恐れ多い人たちと話をすることさえ、
とんとありません。
なので例年、
やんごとなきヤングなお方たちとは距離をとり、
借りてきた猫状態でいるため、
事務的な会話くらいしかしないのですが、

そのときは、どういうわけか
4、5人の現役生に囲まれ、
無理くりに和やかな雑談を
交わさなくてはならないという
危機的場面に陥ってしまったんです。

なぜか顔と脇の下と手のひらに
じっとり汗がしみ出る中、
「そうだ!」と、
話題にできるネタを思いつきました。

高校全体の同窓会で広報委員ってのをやっていて、
ついこの前、その広報誌の中で、
バドミントン部の紹介記事を書いていたんです。

「みんなさー、あのバド部の記事、読んだかなあー。
 あれ、おじさんが書いたんだよ」

で、この『インスタグラム:野望の果ての真実』。

「えーホントですか? アレ見てみんな喜んで、
 インスタにあげまくったんですよ」。
そのインスタのことが書いてある本でした。




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2021年11月11日木曜日

『砕かれた街(下)』(ローレンス・ブロック)読みました。


クルマで燃費のいい走り方をするのを
エコドライブというらしく、
地球環境にやさしくするぜといいつつ、
実は高くなっているガソリン代をケチるために、
ぼくも気がついたときには、
うろ覚えのエセドライブじゃなかった
エコドラえもんをしています。

何やらクルマってのは、
発車のときに燃料をたくさん使うらしく、
それを抑えるために、
赤から青に変わってゴーのときに
「ゼロヨンだーぶっちぎり!」と、
はやる気持ちはしまっておいて、
エンジンの回転数をなるべくあげないように、
足首の力を抜きアクセルはふんわり
なでるように踏む、
というより足裏をそっと乗せる。

そうしてちょろちょろと走り出して、
慣性の力でススーと動き出すようにする。

そんな運転の仕方が
エコのトレンドなんだそうです。

思えば、最近の小説とかは、
そのエコ方式とは真逆な展開が
多いような気がします。

スタートからゴーゴーゴーで、
お話がぐんぐん加速して、
ローギアで1万回転くらいひっぱる。
燃料はたくさん使う気がしますが、
まあ、そういうほうが楽しいです。

で、この『砕かれた街(下)』。

エコドライブな感じでした。
上巻はふんわりアクセルで、
下巻に入ってゆっくり加速。




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2021年11月9日火曜日

『泥棒は抽象画を描く』(ローレンス・ブロック)読みました。


編集とか出版の仕事をしているって話すと、
ときどき「それじゃあ、幅広い分野の
いろんな物事をたくさん知ってるよね」
って言われるときがあります。

もちろん、
普段のぼくを知っている友だちなんかからは、
絶対にそんな発言は出てこないのですが、
仕事とかで知り合ってつき合いの浅い人は、
出会って間もない一瞬だけ、
そういう一般論的なくくりの
知的グループの一員に入れてくれるようです。

そして、ものの10分ほども根詰めて話すと、
知的グループに入るどころか
補欠にも足がかからず、幼稚園児のほうが、
ぼくよりましなヤツが大勢いると気づく。

確かに同じような仕事をしている仲間には、
「なんでそんなこと知っているの」って
あきれるほどの人がごっそりいます。

ぼくだって、ゼロから勉強して、
パソコンの本とか、社会経済の本とか、
哲学心理学系とか、
生物学とか数学とかエコとか
あれこれやってきてはいるんだから、
それが全部頭の中に残っていれば、
知的グループ1軍の花形選手になれる、
いやルックスからいうと花形じゃなく
伴宙太ぐらいですけど。
(「ばんちゅうた」の漢字がわからず、
  ググったらこんな字だったんだと、ちと驚き)
でもまあ、無理なわけですわ。

で、この『泥棒は抽象画を描く』。

とはいっても、
脳みその中の遠い遠い辺境に
今にも消えかけているけど
かろうじて残っている知識もあるんです。

この小説に出てきた画家のモンドリアンのことも
そんな干からび知識の中にありました。
そのお陰でとっても楽しく読めました。




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2021年11月2日火曜日

『エアー2.0』(榎本憲男)読みました。


日経新聞木曜日の夕刊には
最終面に書評が載っていて、
どの本を読むかの参考にしています。

でも最近、
紙面構成をリニューアルしたようで、
今まであった5点満点の星印評価が
なくなっちゃったんです。

それに加えて、
今まではジャンルの違う3人が
それぞれ3つずつで合計9冊紹介していたのに、
各人1つで計3冊にダウンサイズされてる。

9冊全部に興味を持ったことはこれまでなかったし、
少なくはなったけどその分1冊当たりの解説は増えて、
たぶん評者の負担も減ったのだろうから、
それはまあよしとします。

でも、星の評価は残して欲しかった。

この欄のタイトルは「目利きが選ぶ3冊」で、
選んだ限りはいい本に違いないんだろうけど、
どの書評家が星を何個つけるかによって
自分の好みとの適合具合を判断し、
目安にしていたものなので。

で、この『エアー2.0』。

あ、違います。
書評欄を見て買った本じゃありません。
友だちからのオススメ本なのでした。
好みとの適合は少し難しかったな。




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