2016年8月31日水曜日

『理科系の作文技術』(木下是雄)読みました。



自分のパソコンに
検索をかけて探してみたところ、
2012年7月のブロク作成テキストに
こんなことを書いていました。

「そもそも、
 ぼくのへなちょこ頭脳では、
 一回の読書だけで、
 その本を理解するのは無理。

 これからは、
 少なくとも最初読んだときに
 イイって思った本は、
 なるべく読み返すようにしよっと」

我ながら自分のことを
客観的に分析できてる気がします。

ただ、ここで思っていた
脳みそのへなちょこ具合は、
「まだまだだなあ」って
今さっき気がつきました。

まず、
自分で書いたこの文章、
たった4年前なのに、
一文字たりとも覚えてませんでした。

さらに、
一度再読したことも忘れ、
今回が2度目の読み返しだということを、
この昔のデータを見て初めて知った。

そう、
この『理科系の作文技術』のことです。

なんと読んだのは、
今回が3度目だったんです。

2012年に感想を書いたときが2度目。

それなのに今回読んでいる途中、
「やっぱ、2回は読まないとダメだよな。
 最初に読んだときのこと、
 すっかり忘れてる」
なんて思いながら文字を追っていたんです。

へなちょこすぎるぞ! ぼくの頭!

それにしても、この本、
ぼくの読んだ文章作法の書物の中で
一番ためになります。
っていっても、
ほかの本のことを
忘れているだけかもしれないけど。

しばらくしたら、また読も。






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2016年8月29日月曜日

『陽気なギャングが地球を回す』(伊坂幸太郎)読みました。



ぼくは映画製作の専門学校を出ました。
そこでの最初の製作実習は、
学生たちだけで5分ほどの短編映画をつくる
「100フィート実習」というものでした。

そのとき、ぼくはカメラを担当しました。

何もわからない1年生なので、
撮影ゼミの先輩がついて
カメラの使い方とかを教えてくれた。

恋人同士の別れの
ワンシーンを撮った作品でした。

男と女のそれぞれのアップ。
二人の会話はバストショットで切り返し。
彼女が「今日はタバコ吸わないのね」
とぼそりと言うと
「やめたんだ」と彼氏がつぶやく。

別れ話をして立ち去ってく女と
佇んだままそれを見送る男。

彼は彼女が見えなくなると
おもむろにタバコを取り出して吸う。

その姿は、周りの風景も含めたロングショット。
……というハズでした。

ところが!

どういうわけだか、カメラが変だった。
目に当ててのぞくファインダーのレンズと、
実際にフィルムに感光させるレンズが
ずれていたんです。

だから、
アップのつもりが、引きのロング、
バストはアップ、
ロングはバストに現像されてきちゃった。
あちゃー。

で、この『陽気なギャングが地球を回す』。

解説を読むまで知らなかったんですが、
この作品は映画化されていたようです。
その監督が、100フィート実習に
撮影ゼミからついてくれた先輩でした。

今度、映画観よっと。







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2016年8月26日金曜日

『ガンジス河でバタフライ』(たかの てるこ)読みました。



ぼくがスポーツクラブに
初めて入会したのは、
20代後半でした。

会社の先輩が
サウナに入るために通っていたジムに、
一緒に行こうと誘われのが最初です。

でも、貧乏性のぼくは、
お風呂(サウナ)だけのために
行くのはもったないと思い、

プールでの泳ぎにも挑戦したんです。

とはいえ、水泳など、
小学校の体育の授業で習ったくらいで、
泳げても平泳ぎでプールの
片道25メートルがいいとこ。

そのジムで最初に泳いだときには、
コースの半分も行かない
10メートルくらいのとこで、

水は飲むわ、足はつるわ、
腕をバタバタしすぎて
帽子やゴーグルを吹き飛ばし、
慌てて立ち上がって、
必死にスタート地点に戻るありさまでした。

それでも、
ここでやめたら、会費がもったいないと、
1月ほど続けてみると、
なんとか25メートル先の向こう側まで
行けるようになり、

「やればできるじゃん!」
なんていい気になって、

「よっしゃ今度はクロールだ!」と、
それまで2メートルがいいとこだった
新種目に挑戦したんです。

……1かきでノックダウンでした。

平泳ぎの最初は約10メートルだったのに、
今度はセンチ単位で、ずぶずぶです。

でも、人間ってすごいですね。
それを何年か続けると、
できるようになっちゃうんですから。

今はときどき、
クロールで1キロ往復したりしてます。
ただ、できるのは平とクロールだけです。

で、この『ガンジス河でバタフライ』。

バタフライはできません。
できてもたぶんセンチ単位。

ぼくがその聖なる河に行っても
平かクロールです。

それにしても、この本、面白かった!






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2016年8月24日水曜日

『金メダル男』(内村光良)読みました。



ぼくは映画をつくる学校を出たんですが、
その卒業制作では、
確かプロデューサーだかをやらされました。

ロケ場所を探してきたり、
みんなのスケジュールを調整したり、
役者の出演交渉なんかもやりました。

なので、決めごとは全部ぼくの都合。
学校は横浜にあって、
みんなの大半は
その近くに住んでいるくせに、

ロケ地の多くは、
ぼくが住んでいる板橋区周辺。

友だちの家とか、
子どもの頃から遊んでいた公園とか、
商店街とか。

みんなは、ぶーぶー言いながら
電車に乗ってやってきました。

主演の男優と女優も、
ぼくの高校のときの友だちでした。
もちろん板橋近辺在住。

横浜の映画学校のやつらは
誰も知らなかった人たちです。

といっても、
最初は学校の演劇科の役者に
出てもらおうとしたんです。

でも、
主演男優の候補をあげたとき、
隣の班のプロデューサー(敏腕の女子)が、
ぼくの前にススッとやって来て、

「彼はダメ、私たちが先に
 スケジュール押さえたから使えないよ!」

と言い放ち、
来たときと同じようにススッと去っていきした。

つーことで。
手近なぼくの友だちにお願いしちゃったんです。

で、この『金メダル男』。

そう、敏腕女子Pに
先に押さえられちゃったのが
内村光良さんでした。
この本の著者。すごいな、多才だな。






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2016年8月22日月曜日

『きつねのつき』(北野勇作)読みました。


2人の娘(双子です)は、
もう社会人で
それぞれの場所で
楽しくがんばっているようです。

保育園から中学までは
もちろん同じ学校で、
分かれてもいいはずの高校も
同じでした。
大学と就職先は別ですけどね。

その娘たちは、中学、高校で
バドミントン部に所属していました。
(あ、大学でもやってたかな)

んで、ぼくも中学・高校の部活はバド、
高校で同級生だったカミさんもバド。

なので、
娘たちの試合があると、
父親と母親(ぼくとカミさん)が
揃って応援に駆けつけ、

試合が終わると、
ショットがどうのとか、
フットワークがどうのとか、
いらぬアドバイスをほざいていました。

大会のある度に、
カミさんと試合見学していた頃、

感じていたのは、
デジャビュというか何というか、

高校時代に過ごしていた自分たちの時間を、
そのままもう一回、
再生しているような気分です。

「他人が体験した事柄を、
 解釈作業などを通して
 自分の体験として再現すること」

っていうのが
辞書に載っていた「追体験」の意味ですが、
まさに、娘たちの体験を通して、
自分たちの高校時代を
再現しているみたいな「追体験」。

タイムスリップとは違うけど
「時をかける少女」的な、
ふわふわ気分でした。

で、この『きつねのつき』。

読んでる途中、
またもや追体験ごごちに包まれました。
今度は、
娘たちを保育園に通わせている頃の気分。
ああ、そうだったなぁ、って。
ふわふわ。






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2016年8月19日金曜日

『ヤギより上、猿より下 』(平山夢明)読みました。



砂漠の国やインドなどの暑い国では
熱い飲み物が好まれ、

日本のように
キンキン冷えのドリンクが
いつでも手に入るような
状況にはないのだと
聞いたことがあります。

暑いのに、熱いのかあ……。

「毒をもって毒を制す」
みたいな感じでしょうかね。

そういえばぼくも
「痛いときには痛くせよ」
というオリジナル格言を
実行しています。

片道約6キロのランニング通勤を
5年以上続けているうちに、
その「痛、痛」格言が身についたんです。

ほかの人は知りませんが、
ぼくは毎日走っているせいで、
常にどこかしらが痛いんです。

主に足回り。
少し前は裏モモの筋がピキピキしていたし、
もっと前はヒザで、
歩くときも足を引きずるようにしていた。
今は土踏まずとアキレス腱の鈍痛が
デフォルトになっています。

そんなとき、
痛いからといって、
ランニングを休んだりしても、
治らない。

「ほらほら、今日はヒザが痛いぞー」
とか言いながら、
ピョコタンぴょこぴょこ走り出すと、

そのうち、
走りのせいで息が苦しくなって
汗がどばーっと出て、

もうヒザの痛みどころではなくなって、
そんなものどっかに忘れちゃう。

ま、走り終わって
しばらくするとまた痛みは
始まるんですけどね。

でも、
痛みは少し緩和されてる気がする。
……そう、気がするだけです。

で、この『ヤギより上、猿より下』。

気分がどうしょうもなく
落ち込んでいるときに読むべき、
オススメの本です。

「毒は毒」「痛みは痛み」
みたいなもんです。







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2016年8月17日水曜日

『1973年のピンボール]』(村上春樹)読みました。


このネタで
前にも書いたような気がするけど、
まあ、いいか。

子どもの頃はシイタケが苦手で
食べられませんでした。

いや、子ども時代だけじゃなく、
だいぶデカくなってからも、
まぜご飯なんかにシイタケが入っていると、
それだよけて残してた。

それが、いつの頃からか、
気にせず食べられるようになり、
今や、
天ぷらの盛り合わせなどに入っていると
嬉しくなっちゃうほどに。

年齢とともに味覚が
変化してきたんでしょうね。

変化というより、鈍化かな。

子どものころはシイタケだけじゃなく、
ほかにも嫌いなものがあって、

「何でも食べなきゃダメ」
って怒られていた気がするんだけど、

今はたいていのモノは食べられるし、
(辛いものは汗が出るので、
 好んで手をつけようとは思いませんが、
 食べられないわけじゃありません)

こういう年齢による
感覚の変化または鈍化って、
味覚だけじゃく、
本の好みにもある気がします。

で、この『1973年のピンボール』。

たしか20歳前後で読んで、
ほかの村上作品と一緒に
夢中になって貪っていました。

今回はその再読。

でも今、
この作品を初めて読んだのだとしたら、
ほかの作品に
次から次へと手を出すまでには
いかなかったような。
……やっぱ、鈍化かな。






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2016年8月15日月曜日

『ジョイランド 』(スティーヴン・キング)読みました。


旅行好きの友だちが、
宿を選ぶときのコツを
こんなふうに言っていました。

「高級な所に泊まったほうが
 いいに決まってる。
 でも、そればかりだと破産しちゃうから、
 お金のことも考える。
 予算が限られているときには、
 
 安い宿の
 最高の部屋やゴージャスコースを選ぶより、

 高級な宿の
 安い部屋とか格安コースを選ぶようにする」。

ふーん。
高級なトコの安い部屋に泊まったとしても、
部屋から一歩外に出れば、
建物の中は全部高級だろうし、
食事がチープコースだからって、
つくっている人は
一流の料理人さんだろうから
ハズレの可能性は低い。

でも、安い宿の高級コースだと、
その部屋や個別の食事は
豪華かもしれないけど、
部屋から一歩外に出たその他もろもろは、
まぁそれなりになる。
ふーん。

で、この『ジョイランド』。

本の値段はどれも大体同じで
高い安いはそれほどないけど、
作家の格は、やっぱある。

キングさんは、
高級旅館でしょうね。
なので、
お買い得コースの作品でも
十分楽しめます。







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2016年8月12日金曜日

『ラッシュライフ』(伊坂幸太郎)読みました。


見覚えはあるのに、
どこの誰なのか思い出せない。

そんなことが
ちょくちょくあります。

この前、
道ですれ違った女性もそうでした。

ガッシリした体型の姉御肌、
40代そこそこの人です。

どれくらい昔かはわからないけど、
確か毎日のように
この姉御さんを見ていた気がする。

すれ違ったときは、
少しだぼっとしたTシャツに
ジーパンという普通の姿だったんですが、

昔見ていたときは、
もっと違う制服のような白衣のような
ものを着ていた。

そこまで思い出しているのに、
どこの人だかわからない。

ひょっとして
病院の看護師さんかなと思ったんだけど、
ぼくはもう十数年
病院には行っていないし、

カミさんが看護師さんだから、
そっち方面の知り合いかもって思ったけど、
そうだとしても、
白衣とかを毎日のように
見かけていたってことはない。

カミさんの白衣姿さえ、
数えるほどしか見たことないし。

でも、見かけた姉御さんは、
なんか助手のような仕事をしていて、
ぼくはその姿を見ていた。
ような気がする。

「あー誰だっけなぁ」
ってことを思って、
数分後にはもう忘れて、

日がたった数日後。

突然、「あ、いもやの人だ!」
……思い出しました。

神保町の天丼の「いもや」。
その店の天ぷらを揚げる職人さんの横で、
皿を用意したり、味噌汁をついだり、
なんやかんやの補助作業をしていた人だ!

神保町の近くに会社があった頃、
お昼ご飯を食べに、
いもやへ毎日のように通っていたんです。

そうか、あの人も変わらず、
元気に生きていたんだね。

で、この『ラッシュライフ』。

すれ違った人たちが、
それぞれの面白い人生を生きています。
伊坂さんの作品に、やっぱ、はまってます。

ところで、
この前「いもや」の前を通ったら、
閉店になっていたような感じだったんですけど。
まだやっているのかな。






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2016年8月10日水曜日

『世界しあわせ紀行』(エリック・ワイナー)読みました。


ここには何度も書いているのですが、

ぼくは自宅から会社に行くとき、
約6キロの道のりを走って通っています。
(でも、帰宅時は疲れちゃうのでバス)

来年の2月まで続けられれば、丸6年。

今んとこ5年半で、小学校でいえば、
6年生の夏休みが終わったくらいですかね。

もう少しがんばると
卒業できるような期間です。
(ランニングを卒業する予定はないけど)

コレ、われながら、
よく続いているなって思います。

だって、いつまでたっても、
キツさがやわらがないんだから。

少しは体力がついて、
ニコニコ笑顔で走れるようになれば
続くのも不思議じゃないんですが、
そんなのは夢の夢。

毎日汗だくで、
いつ倒れてもおかしくないってくらい
ヘロヘロになってます。

通勤、つらいです。

なんてぼやくなら、
走るのやめればいいんですけど…。
なんで続けているんだろ。

で、この『世界しあわせ紀行』。

幸せだと感じることを
阻害する要因として

「通勤」

が、あげられてました。

ぼくのこと?
でも、健康にはなってる気はします。

いやいや、ホントはぼくの通勤事情なんて
どうでもよくて、
どうでもよくないのはこの本です。
いい本でした! 面白かったです。





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2016年8月8日月曜日

『人間臨終図巻(下)』(山田風太郎)読みました。

たしかこのブログの先月のどこかで、
江戸時代の俳句の人・小林一茶さんの
ことを書きました。

50代の半ばにして
毎日3回もこなせる絶倫の人だと紹介し、

ぼくにはとっても真似できない
みたいなことをいいました。

でも、
その小林さんより数十年前に生きた人で、
「そんな絶倫はダメ」と
となえていた偉人がいたんです。

貝原益軒さん。

日本史で習ったような気がするんですが、
授業中は常に睡眠時間だったぼくは、
今回初めて知りました。

貝原さんは
「年20者は4日に一たびもらす。
 30者は8日に一たびもらす。
 40者は16日に一もらす。
 50者は20日に一もらす。
 60者は精をとじてもらさず」
と言っていたそうです。
それが健康に長生きする秘訣だって感じで。

だから小林一茶さんやぼくの年齢では
20日に1度がよろしいってことになるようで。

で、この『人間臨終図巻(下)』。

その貝原さんほかたくさんの人の
死に様が書いてありました。
下ネタ系のお話が
随所に盛り込まれているところが好きです。


これで、山田風太郎ベストコレション読了。






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