2017年11月29日水曜日

『校閲記者の目』(毎日新聞校閲グループ)読みました。


それは別にいいんじゃないの、
ってトコに、のべつ幕なしに
突っ込んでくる友だちがいます。

ファミレスなんかで一緒に食事するとき、
料理を運んできたウェイトレスさんが

「こちらはナポリタンになります」
とテーブルの上に皿を置くと、

それをじっと見つめて

「これはもうナポリタンだろ。
 これからナポリタンになるのか。
 なってるのに、なるのか。
 もうなっているのに、
 これからなるみたいに言うのは
 おかしいだろう」

とぼくに言う。

直接ウェイトレスさんには言わない。
彼女が向こうに立ち去って
自分の声が聞こえなくなったころに、
ぼくに対して言う。

そんな基本ビビリなところがあるので、
まあ許せはするんだけれど、
ときどき面倒くさくて
相手にしたくないこともある。

「アイツ鼻くそほじってるよ」
なんてぼくが言おうものなら、
鬼の首を取ったように
「鼻くそは、ほじってないだろ」
と鼻くそ飛ばす勢いで指摘する。

「鼻の穴をほじっているんだ。
 鼻くそなんて小っこいモノは、
 針を使わなけりゃほじれない」

そんなときは、足音を立てないように、
すすすっと
彼の前からいなくなることにしています。

で、この『校閲記者の目』。

間違った日本語の使い方の
あんな例、こんな例が
たくさん載ってました。
校閲記者さんは、
それをキチンと指摘しなきゃいけない。
あいつ、その仕事やればいいのに……。





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2017年11月21日火曜日

『ザ・サークル』(デイヴ・エガーズ)読みました。


出版業界の片隅に
しがみつかせてもらっている
ぼくとしては、
なるべく売上に貢献しなければいけないと
常々思っているのですが、

やはり自分のサイフから出ていくモノは、
できるだけ少なくしたいという
ちんけな考えを抑えつけるのは難しく、
同じものなら安価で入手したくなる。

そう、前にも何度かいいましたが、
同じタイトルで文庫本と単行本が出ていれば
即座に文庫本を選ぶってこと。

特に当てはまるのが長い物語の場合。
単行本なら一冊にまとまっているのに、
文庫だと上下巻に分かれてしまうとき。

上下巻の文庫なら、まとまった単行本を
読み終えるのと同じ時間で2冊読める。

それなら、
この感想文もどきも2冊分書けるので、
ネタ不足な状況も少し解消できる。
これで一石二鳥。
さらに、読む時に本を持つ腕も疲れないので、
三鳥になって、焼き鳥にすれば、
お腹いっぱい食べられる。

で、この『ザ・サークル』。

単行本で買いました。
買った翌週に上下巻分冊で
文庫が出るってこと知りました。
おお、まい、がっ。

こうなったら、
文庫の上下巻も買って、
読み直しちゃおうかな。面白かったし。





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2017年11月16日木曜日

『AX アックス』(伊坂幸太郎)読みました。


きっとネットを検索すれば
答えが載っていると思うのですが、
すぐ見つかるのも無粋なので、
ぼくの頭の中に疑問のまま残している
世の不思議があります。

〈なぜ、遠くのモノは小さく見えるのか〉

物理的な大きさは、
手元にあろうが、1キロ先にあろうが、
変わらないはずなのに、
距離が離れれば離れるほど、
ちっちゃくなる。

なんかヘンだなって
思ってたんですよね、昔から。

これは想像でしかないんですが、
生まれつき目が見えない人は、
この現象を理解できないかもって
気がするんです。

パンパンにふくらんだ風船が、
だんだん空気が抜けて
しぼんでいくという様子なら、
直に触っていれば、
大きなモノが小さくなるって
手の感覚で納得できると思うけど、

そんなの何もなしに、
自分との距離が違うだけで、
そいつがデカくなったり、
米粒くらいになったりする。
見えてるぼくにも理解できないんですから。

もしかしたら、視力があるぼくは、
何かの思惑を持ったヘンなヤツに、
錯覚を見せられているのかもしれない。
遠くのモノを小さく見せることで、
ヘンなヤツは、自分の悪巧みを隠せるとか。

で、この『AX アックス』。

またこの本とは関係のないこと
書いちゃいました。すみません。
だって、面白くって上手くって、
何をいえばいいか、わらないんですもの。





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2017年11月14日火曜日

『ファインダーズ・キーパーズ(下)』(スティーヴン・キング)読みました。


自分の思うとおりに
事が進まないときには
へこんだ気分になります。

大それた企みが
うまく行かないときだけじゃなく、
ちょっとしたことでも。

例えばそうだなぁ。

机の端にあるシャーペンを
とろうと思って手を伸ばしたら、
飲みかけのお茶が入ったカップに
ぶつかってしまい、
書類がお茶漬け状態になったときとか。

でもそれが、自分じゃなく
他の人がやったことだとしたら、
申し訳ないけど笑っちゃったりする。

他人が何かやろうとして、
その目の前に障害がある姿って、
もしかしたらエンターテイメントの
原型なのかもしれないな、
なんて思ったりします。

で、この『ファインダーズ・キーパーズ』。

キングさんって、
どんな登場人物にも分け隔てなく、
目の前に障害物を置いてくれます。
〈シャープペンをとる〉みたいな
ちっちゃなことでも。
これぞエンタメでした。





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2017年11月9日木曜日

『プリズンホテル(1)夏』(浅田次郎)読みました。


食が細くなったと感じ始めたのは
いつぐらいからだったでしょうか。

20代の後半には、
「だいぶ食えなくなったな」
と感じていたように思うし、
いや30代や40代になってからだって
バカ食いできた記憶はあるし。

ま、いずれにしても、50を過ぎた今は
10代の頃の食欲にはかないません。

それがよくわかるのが、旅館の食事。
温泉宿なんかにいくと、
これでもかってくらい皿がたくさん出てきて、
料理てんこ盛り状態になりますよね。

10代後半のころには、
あの量を見てうれしくてたまらなかった。

でも、今だと、ひとつの皿ごとに、
ちょっとだけ箸をつけて、
とりあえず全部さらってから、
お腹の張り具合と相談しつつ、
美味しいものから順にこなしていく。

そうすると大抵、半分くらいは残しちゃう。

それでもたまに、
小量バージョンの旅館に当たることもあり、
そんなときは、なんとか完食できる。

ただ、小量バージョンと思っていたところで、
メインがあとから
運ばれてきたりすることもあるのが、困りもの。

それ早く言ってよ……って思っても、
最初から手元に出されていた献立表に
書いてあったりするんですよね。

で、この『プリズンホテル(1)夏』。

うんうん、面白い。
ただ、ぼくには少し、てんこ盛り感があり、
あと1つくらいエピソード小量が
ちょうどよかったかな。





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2017年11月7日火曜日

『ファインダーズ・キーパーズ(上)』(スティーヴン・キング)読みました。


老夫婦に拾われた桃太郎が
すくすくと元気に育ち、
悪い鬼軍団を退治して
ヤツらから金銀財宝を
奪い取ってくるお話。

と、
昔話のあらすじを書いてみたら、
約50文字でおさまりました。

単純というか、
なんともシンプルなお話なんですね。

このお話を全部書き起こすと、
この感想文もどきの5個ぶんくらいの
文字量になるでしょうか。

まさか、何巻も続く吉川英治さんとか
司馬遼太郎さんの本みたいな
長編にはならないですよね。

それをもし長々とつづっていくとしたら、
川から流れてきたモモを克明に描写して、
お爺さんの性格やこれまでの経験なんかも
たくさん入れ込んで、
もちろんお婆さんの食べ物の好みや
持病のことなんかを説明しながら、
サルとイヌとキジそれぞれの
バックグランドにも触れ、
どうでもいいあれもこれもを書かないと
ページは埋まらないでしょう。

そんでもって、
そんなことをして引き伸ばしたら、
読むに堪えない、
だらだらの本になるのは見えてます。

で、この『ファインダーズ・キーパーズ(上)』。

まだ上巻しか読んでいませんが、
あらすじをまとめたら
桃太郎ほどにできちゃうお話でした。
それでも上下巻の長編。
それでもずっと
ドキドキワクワクしながら読める。

なんなんでしょうね、キングさんの力って。





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2017年11月2日木曜日

『若い読者のための 第三のチンパンジー』(ジャレド・ダイアモンド)読みました。


その本を読んだこと自体を忘れて、
初めてだと思ってページをめくり、
半分以上目を通したたあとで
「あ、この本、前に読んだ」
って思い出す体験。

実はそんなこと、
軟弱な記憶力しかないぼくでも、
この前の『鉄道員(ぽっぽや)』が
初めてだったんです。

再読するときは、
内容を覚えていないのを自覚しながらも、
〈読んだ記録〉は頭の中にあって、
「よしもう一度読むぞ」と意識しています。

だから、再読のときは、
前に読んだのと同じ内容が
目の前の文章に出てきていいんです。
(というか、出てきて当たり前)

それを、
「ああ、そうだった。そうだった」と、
ときどき思い出したりするのも、
また楽しいから。

そして。再読でもなく、
読んだことを忘れているでもない本でも、
以前目にした内容が書かれているという
〈第3のデジャビュ〉があります。

例えば、
同じ著者が以前書いていたネタを
使い回している場合など。

で、この『第三のチンパンジー』。

ジャレド・ダイアモンドさんの著作は、
『銃・病原菌・鉄』『文明崩壊』
『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』
なんかがとても面白かったです。

それらを短くまとめてひっくるめて
1つにしたのが、この本でした。
なのでぼくには第3のデジャビュでした。





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