2014年11月27日木曜日

『鹿の王 (上) 生き残った者』(上橋菜穂子)読みました。

高校時代、
部活でバドミントンをやっていました。
今でも年に一度OB会があり、
そこで遊びのゲームをします。

でも、そのとき戸惑うのがルールの違い。

今は、サーブ権のあるなしに関係なく
ショットを決めるか相手がミスすれば
得点できるラリーポイント制です。

ところが、ぼくがやっていた当時は、
サーブ権を持っていないと、
いくらスマッシュを決めても点数は入らない
サーブ権ポイント制だったんです。
(↑この名前はぼくが勝手につくりました)

まあ、それだけなら別に迷うことはないんですが、
このルール変更にともなって、
ダブルスでのサーブのやり方が、
複雑怪奇(←ぼくにとって)になっちゃったんです。

ダブルスの二人のうちどちらがサーブするか、
半分に分かれているコートの右と左の
どっち側から打つのか……

「偶数だから右だよ」とか、
「前回はぼくだったから、今度はあなた」とか、
その度ごとに教えてもらうんですが、
何度やっても、いまだにそのしくみが覚えられません。

もっと単純に、初めての人でも
すぱっと理解できるやつにしてほしいんだよな。

で、この『鹿の王(上)』。

もっと単純に物語を組み上げてもらえると、
うれしかったな。
でも下巻を読み進めるとその印象も変わるのかな。



鹿の王 (上) ‐‐生き残った者‐‐
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2014年11月25日火曜日

『深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン』(沢木耕太郎)読みました。

ぼくは一度やり始めると
なかなかやめられない性格のようです。
というか、やめるのが怖い感じ。

たしか、イチローさんは自分の打席のとき、
ベンチからバッターボックスに立って
構えるまでの一連の動きが、
指の使い方まで毎回同じだと聞いんたですが、
(イチローさんと比べるのもおこがましいけど)
ぼくもそれなんです。

お風呂で身体を洗う順序はもちろん、
朝起きてから家を出るまでにする行動の流れも、
お弁当を食べるときのおかずに箸をつける順番も、そう。

その流れの中に、
何かの拍子で新しい動きが一つ加わって、
やがてフローに組み込まれちゃうと、
「やっぱ、その動きは無駄だよ、やめようかな」
と頭に過ぎったとしても、
なぜかやめるのが怖くなってやめられない。

そんな日常に組み込まれたパーツの一つに
ツイッターの投稿があります。
平日は一日一回。
もう何年も続いています(やめるのが怖い)。

でも、それを長くやってると、
ネタがなくなってくる。
ひどいときは、投稿し終わってから、
「そういえば、同じこと前にも書いた」と気づくくらい。

自分の中でネタが新鮮だと思えなくても、
なんかわからんものに縛られて、書いちゃってる。

それって、なんか、いかんなと思うわけです。

で、この『深夜特急6 南ヨーロッパ・ロンドン』。

なんか、いかんな、と感じちゃいました。



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2014年11月21日金曜日

『火星の人』(アンディ・ウィアー)読みました。


今日は11月21日なので、
2014年はまだ1カ月と少しあるけれど、
今年読んで5つ星つけた本をまとめておきます。

読んだ本のリストを見てみると、
今年は再読の本が3つも、
お気に入り最高評価欄に入っていました。

そんなに時間を置かないで二度目読みしたから、
感激度合いも変わらないってことですね。

今度は、もう少し間を空けて、
年齢を重ねてから読んでみよっと。

それ、ずずっと並べると以下の通りです。
(カッコの中に「/再」とあるのが再読)

『幕が上がる』(平田オリザ/再)
『11/22/63』(スティーヴン・キング)
『ジェノサイド』(高野和明/再)
『天使は結果オーライ』(野尻抱介)
『オービタル・クラウド』(藤井太洋)
『楽園のカンヴァス』(原田マハ/再)
『グリーン・マイル』(スティーブン・キング)

で、この『火星の人』。

今、上にあげた居並ぶ5つ星軍団7冊を
超えちゃいました。

はぁ〜、ホントおもろかった。

表紙が堅い印象だったり、
ハードSFとかってうたい文句にしていたりするけど、
そんなイメージはとっぱらってください。
楽しめちゃうんだから。

ぼくが面白いっていう本は、
他の人には受け入れられない場合が多いけど、
これはたぶん大丈夫。
思い切って言っちゃいます。オススメ!


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2014年11月12日水曜日

『深夜特急〈5〉トルコ・ギリシャ・地中海』(沢木耕太郎)読みました。

若いときには、
目の前で起こることのほとんどが
初めての経験で、良くも悪くも、
そこからヒリヒリするような刺激を
受けていました。

それがやがて中年、老年になってくると、
たいていのことは経験済みで、
ちょっとやそっとのことでは
刺激なんて、もらえなくなっちゃう。

聞こえのいい言い方をすれば
「物事に動じなくなる」だし、
皮肉った表現なら「鈍感になる」。

まぁ人生ってのは、そんなものでしょう。

これに似ているのが、長い旅。
最初のころは、電車の切符を買うのにも、
おろおろして、どうすればいいのかわからない。
それでも、なんとか人に聞いたりして、
ようやく買えた切符を眺めて、
「おぉ!」とかって感動する。
「この切符でとんでもなく遠くまで
 行けるんだな」とか、感無量になったりする。

でも、旅を長く続けてると、
最初のころに受けた刺激はどこへやら。
旅先だからこその珍しい出来事があっても、
「あ、これあのときと同じだ」
とか思うようになる。
鈍感になって、何事もつまらなくなってきちゃう

……ってなことが、
この『深夜特急5 トルコ・ギリシャ・地中海』
に書いてありました。

シリーズ5冊目。
全6巻なので、人生でいえば、中年・老年。
長旅なら終盤。
本の中で言われてたのと同じように、
ぼくもこの5巻目では、
そんなに刺激を受けなくなっていました。



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2014年11月10日月曜日

『シャイニング(下)』(スティーヴン・キング)読みました。

昔は、テレビがついていたり、
人の話が聞こえてきたりする場所で本を読むと、
ちっともその内容が頭に入らず、
何度もページをめくり直して、
読書が進みませんでした。

脳みそががんばって
「文章も読み解きつつ、周囲の音も理解しなくちゃ」
とマルチタスクの処理に向かっていたんだと思います。
んで、結局どっちつかずになっていた。

でも最近は、
本を読んでいるときには、
わりと周囲の音が気にならず、
テレビがついていても、
近くで誰かかが会話していても、
すすっと内容を
理解できるようになってきたんです。

それはたぶん、
脳みそにあきらめの境地が
入ってきたからだと思います。

「あっちもこっちも理解するのは疲れるよ、
 もういい年なんだから」
って感じかと。

そのあきらめの境地は、
本の内容が面白いとき、顕著にあらわれます。
逆に、書かれている内容に
気分が乗らないときは、
なぜか、あきらめさんの勢力は衰え、
マルチタスクさんが頭をもたげます。
不思議なもんです。

で、この『シャイニング(下)』。

どうしたことでしょう。
上巻はあきらめさんが優勢だったのに、
この下巻では、
マルチタスクさんのがんばりが凄かった。
読書中は、テレビの音が小さくても、
ひそひそ話の会話でも、
なんかやたらに気になっちゃいました。


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2014年11月6日木曜日

『蜩ノ記』(葉室麟)読みました。

書道コンテストの実況中継をしていた
テレビ番組がありました。
もしかしたら、バラエティ番組の
1コーナーだったかもしれません。
いつのことだかも覚えてないんですが、
とにかくぼくはその番組を観ていて、
解説者が言ったコメントが頭に残っているんです。

「素晴らしい!
 一文字目の最後の跳ねる部分は明らかなミスで、
 全体のバランスが崩れかかっていましたね。
 それをきちんと自覚して、
 二文字目で崩れたバランスを補うように、
 文字の大きさを調整しています。すごい!」

こんな感じの解説者の言葉なんて、
テレビの中にあふれているのに、
なぜかこれは残っている。

それはたぶん、
自分のやってる仕事と比べたからだと思います。

原稿を書く仕事は、
ミスったと気づいた段階で何度でも書き直せる。

でも、書道は一回こっきりのその瞬間だけ。
やり直しはできない。そんな作業なのに、
解説者がほめた人は、
軌道修正しながら作品を仕上げた。

なんか見習いたいなと思う所があったから、
覚えてたんでしょうね。

で、この『蜩の記』。

途中で、
「えっ、それはちょい違和感ある。強引…」
って思った箇所がありました。
でも、最後まで読むと、
ちゃんと収まるとこに収まってました。
書道の解説者みたいなほめ言葉が浮かんできました。



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2014年11月4日火曜日

『深夜特急〈4〉シルクロード』(沢木耕太郎)読みました。

もう20年近く前に、
外国で暮らしたことがある友だちから聞いた話です。
海外生活で、禁断症状的に求めてしまうもののこと。

何のことかって言うと、日本語の「活字」。

当時は携帯もインターネットもないから、
文章を読みたかったら印刷物に頼るしかない。
でも、
海外で日本語の文章が印刷されているものを
手に入れようと思っても、
日本にいるときのように簡単にはいかない。

だから、
滞在先でたまたま出会った日本人旅行者が
母国語の本を持っていると、
それに飛びつくように群がっちゃう。

相手の旅行者も同じように
日本語禁断症状になってるから、
互いが持っている本
(何度も読み返してすり切れた感じのヤツでも)
を交換して、両者安堵のため息をつく。
との、経験談でした。

とはいえ今は、
スマホなんて便利グッズがあるから、
そんな経験、誰もしなくなってるんだろうな。

で、この『深夜特急4 シルクロード』。

まさに、この友だちと同じ話が出てきました。
世界を旅していた40年前ほど前の若者たちが、
どこかの異国で日本語の本を交換し合っていた話。

今は電子書籍でかさばらずに何十冊も持ち運べるから、
禁断症状も起こらないと思いますけどね。
……うーん、紙の本って、いいっすね。


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