2014年11月6日木曜日

『蜩ノ記』(葉室麟)読みました。

書道コンテストの実況中継をしていた
テレビ番組がありました。
もしかしたら、バラエティ番組の
1コーナーだったかもしれません。
いつのことだかも覚えてないんですが、
とにかくぼくはその番組を観ていて、
解説者が言ったコメントが頭に残っているんです。

「素晴らしい!
 一文字目の最後の跳ねる部分は明らかなミスで、
 全体のバランスが崩れかかっていましたね。
 それをきちんと自覚して、
 二文字目で崩れたバランスを補うように、
 文字の大きさを調整しています。すごい!」

こんな感じの解説者の言葉なんて、
テレビの中にあふれているのに、
なぜかこれは残っている。

それはたぶん、
自分のやってる仕事と比べたからだと思います。

原稿を書く仕事は、
ミスったと気づいた段階で何度でも書き直せる。

でも、書道は一回こっきりのその瞬間だけ。
やり直しはできない。そんな作業なのに、
解説者がほめた人は、
軌道修正しながら作品を仕上げた。

なんか見習いたいなと思う所があったから、
覚えてたんでしょうね。

で、この『蜩の記』。

途中で、
「えっ、それはちょい違和感ある。強引…」
って思った箇所がありました。
でも、最後まで読むと、
ちゃんと収まるとこに収まってました。
書道の解説者みたいなほめ言葉が浮かんできました。



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