2014年11月12日水曜日

『深夜特急〈5〉トルコ・ギリシャ・地中海』(沢木耕太郎)読みました。

若いときには、
目の前で起こることのほとんどが
初めての経験で、良くも悪くも、
そこからヒリヒリするような刺激を
受けていました。

それがやがて中年、老年になってくると、
たいていのことは経験済みで、
ちょっとやそっとのことでは
刺激なんて、もらえなくなっちゃう。

聞こえのいい言い方をすれば
「物事に動じなくなる」だし、
皮肉った表現なら「鈍感になる」。

まぁ人生ってのは、そんなものでしょう。

これに似ているのが、長い旅。
最初のころは、電車の切符を買うのにも、
おろおろして、どうすればいいのかわからない。
それでも、なんとか人に聞いたりして、
ようやく買えた切符を眺めて、
「おぉ!」とかって感動する。
「この切符でとんでもなく遠くまで
 行けるんだな」とか、感無量になったりする。

でも、旅を長く続けてると、
最初のころに受けた刺激はどこへやら。
旅先だからこその珍しい出来事があっても、
「あ、これあのときと同じだ」
とか思うようになる。
鈍感になって、何事もつまらなくなってきちゃう

……ってなことが、
この『深夜特急5 トルコ・ギリシャ・地中海』
に書いてありました。

シリーズ5冊目。
全6巻なので、人生でいえば、中年・老年。
長旅なら終盤。
本の中で言われてたのと同じように、
ぼくもこの5巻目では、
そんなに刺激を受けなくなっていました。



深夜特急〈5〉トルコ・ギリシャ・地中海 (新潮文庫)
沢木 耕太郎
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