2017年7月27日木曜日

『死神の浮力』(伊坂幸太郎)読みました。


読書は、
シチュエーションの違う3つの場所で、
それぞれに異なる本に目を通している
って話は、前にも何度かしています。

仕事場の昼休み、
会社帰りのバスの中、
自宅の就寝前です。
(以下、ヒル本、バス本、トコ本)

このうち、トコ本は、
ベッド脇の棚に置いてあり、
寝る前だけじゃなく、
仕事が休みの日に、
家中をゴロゴロしながら、
ページをめっています。

なので、普通なら一冊を
一番早く読み終えるのは、
このトコ本です。

ヒル本は
お弁当を食べながらの1時間弱だし、
バス本は車中の約20分、

トコ本は、
読み始めてから10分で
寝ちゃうこともあるけど、
休日の数時間をぶっ通しで読むことで、
ほかより立ち向かう時間を
多くとれるんです。

ところが最近、
ちと事情が違ってきました。

ここで前に紹介した
『数学で生命〜』からの3冊は
どれもトコ本じゃなく、
ヒル本、バス本、ヒル本の順でした。

要領の悪いぼくは、
最近、仕事のドタバタをおさめきれず、
なかなか休みをとれなくて、
トコ本のゴロゴロ読み時間を
つくれなかったんです。

そうなるとトコ本は、
短い時間の細切れ読みになってしまいます。
続けて読めば面白い本でも、
そんな読み方だと魅力が半減しちゃう。

で、この『死神の浮力』。

細切れ読みで、
ようやっと読み終えたトコ本でした。
魅力が半減しちゃう読み方だったハズなのに、
いやいや、面白かった。
そんな本もあるんですね。




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2017年7月25日火曜日

『ベストセラーコード』(ジョディ・アーチャー他)読みました。


一時、「すごい」って言葉を
文章では使わないようにしていた
時期がありました。

たしか、「作文の書き方」とか
「小説のつくり方」とかの本に載っていた
「語彙を増やすための心掛け」
みたいな教えを
そのまま鵜呑みにしたから
だったと思います。

(ま、今は「もういいか」と思って、
 バンバン使ってますけど。
 ボキャブラリーが
 増えたわけじゃないけど)

「すごい」って本当にすごくって、
ちょっと普通じゃない状況なら
大抵の場面で使えちゃう
オールマイティ・ワードですよね。

素敵なことも、荒々しいことも、
キレイなことも、汚いことも、
ヘロヘロでも、バリバリでも、
前後の流れがわかっていれば
「すっげー!」の一言で伝わっちゃう。

それを安易に多用しまくると、
のっぺらぼうな文章になって、
面白味がなくなるってことでしょう。

そんな文書だと誠意は伝わらないし、
読者に買ってもらう書籍なんかだったら
売上は伸びない。
スゴイ悲惨な結果が待っているわけです。

で、この『ベストセラーコード』。

英語ではどうやら
「すごい」に当たるのが
「very」という言葉みたいです。

この本に載ってたコンピュータ解析では、
(アメリカの本なので)
ベストセラーの人気本での
veryの使用回数は少ないんだとか。
すごく。





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2017年7月20日木曜日

『中原の虹(1)』(浅田次郎)読みました。

ディズニーアニメ
『トイ・ストーリー』の
1作目が公開されたのは、
もうだいぶ前ですよね。

まだうちの娘たちが
小学生くらいの頃だったと思います。

「パパ嫌い」
と言われるのが怖くて、
子どもたちの話題に
ついていかなくちゃと
必死になっている父親としては
もちろん一緒になって観ました。

ウッディとアンディの物語。

観たんですよ、仕方なしって感じでね。
子どもたちに付き合って。

したら、なんとまあ、
面白いじゃないですか。

大人が面白いと感じる以上に
子どもにも大ウケで、
あれだけクオリティの高い遊園地を
長年やっていけるだけあるわと、
ほとほと感心したのを覚えています。

その数年後に公開された続編も、
まだ娘たちの年齢は、
パパが一緒になってアニメを観ていても
おかしくない頃合いだったので、
観ました。

したら、なんとまあ、
1作目よりも面白いじゃないですか。

1作目がよくて、
それがあっての2作目なんですが、
きちんと前作を越えて、
どきどきわくわくげらげら
させてくれました。

んで、3作目。
……実はまだ観てないんです。
娘たちと一緒に観る頃合いを
過ぎちゃったみたいです。

でも、評判を聞くと、
これがシリーズの中でも
最高の出来みたいですね。
ちょい悔しい。

で、この『中原の虹(1)』。

『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』に続く
シリーズ3作目。
オモチャ物語みたいに
どんどん面白くなってます。
トイ3を観られていない悔しが、
これで少しまぎれてきました。




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2017年7月14日金曜日

『数学で生命の謎を解く』(イアン・スチュアート)読みました。


直前に並んでいる数字と、
その1つ前の数字を足し合わせて
数字を並べていくという
フィボナッチ数列のことを知ったのは、
たぶん数年前です。

最後に数学を習った高校時代には、
知りませんでした。
(というか、先生は教えてくれた
 のかもしれないけれど、寝てました)

1の次に
ゼロと1を足した1がきて(1,1)、
その次は
1と1を足した2がきて(1,1,2)、
次は
1と2の足し算で3がくる(1,1,2,3)
ってルールでつなげていきながらできる
数の並び(1,1,2,3,5,8,……)を、
フィボナッチ数列っていうみたいです。

たしか、小川洋子さんの
『博士の愛した数式』を読んでから、
「もしかしたら数学って面白いかも」
と思い始め、
初心者向けの数学本を何冊か読んでみたら、
どの本にも
「フィボナッチ数列はすごい」
みたいなことが書いてあって
(いまだにそのすごさが
 理解できていないんですが…)
気になっていたんです。

そんで、
「みんながいうんだから、
 とにかくすごいんだろうな」
と信じてしまい、
自分のクルマのナンバーは
1123」にしちゃいました。

で、この『数学で生命の謎を解く』。

やっぱりフィボナッチ数列が
登場してました。
といっても、そのスゴさは、
まだ理解できてはいませんけれど…。




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2017年7月12日水曜日

『サラバ!(下)』(西加奈子)読みました。


もうだいぶ昔になりますが、
ジョン・アーヴィングさんの
『ホテル・ニューハンプシャー』を
読んで、とんでもなく面白いと思い、

本を閉じると同時くらいに
家を飛び出して、映画館に
駆けつけたことがありました。

そのときはちょうど
映画化した作品が
ロードショウされていた
時期だったんです。

文字だけであんなに面白いんだから、
それに映像や音声がついたら、
もうどうなっちゃうんだろう。

ドキドキワクワク、
楽しみでじっとしていられず、
大人しく幕が上がるのを待っている人たちに
キョロキョロと視線を巡らしながら、

「みんな、覚悟しておたいほうがいいよ。
 ビックリ仰天しちゃうから」

などと心の中でつぶやきながら
(いや、声に出ていたかもしれません)
投影を待ちました。

なんですが……
やっぱ、違うんですね。映像と原作は。

いい映画だとは思うんだけど、
原作を読み終えたときに受けた
「これすごい!」感はなかった。

もしかしたら、読了直後じゃなく、
少し時間を置いてから観れば、
もっと違う印象を
受けられたのかもしれません。

で、この『サラバ!(下)』。

ストーリーの中に何度か、
『ホテル・ニューハンプシャー』が
出てきます。
昔はまってたアーヴィングさん、
また読みたくなりました。




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2017年7月6日木曜日

『サラバ!(上)』(西加奈子)読みました。

本の値段の約1割が印税として
作家さんに支払われるのは
ご存じの通りです。

なので、同じ1冊が売れるのなら、
小さくて値段の安い文庫本よりも、
厚紙の表紙を使った
高価な単行本のほうが
作者の実入りは大きくなる。

そう考えると、
お気に入りの作家さんなら、
応援する意味を込めて
単行本を買ってあげたいと
考えたりします。

でもね。
文庫本は持ち運びに
ちょどいいサイズだし、
軽いから手も疲れない。

それに、大抵の文庫本には
解説とかの付録がついてるんです。
なぜか知らないけど、
単行本は小説とかの場合は
そんな付録はなしに、
本体だけのことが多い。

比べると値段が安いのに、
オマケもついてるってなると、
賢い消費者としては、
文庫本を選んじゃいますよね。

さて、そこで。このオマケ。

ついていたほうがいいのか、
ホントのところは不要なのか。

そりゃまあ、
作品が出来上がる背景とか、
作家の人間性だとか、
物語だけじゃわからない情報が
入手できるんだから、
いいに決まってる……のかな。

で、この『サラバ!(上)』。

まだ文庫本は出ていないようなので、
単行本で読んでます。
(下巻に入ったトコです)

今のところ、
たぶん「なし」が正解だと感じています。
物語の本体だけで、
ほかの情報は要らないです、これ。





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2017年7月4日火曜日

『黄砂の籠城(下)』(松岡圭祐)読みました。


それほど興味を
引かれなかった本なのに、
後から物語のあらすじを思い出すと、
「それならぜったい面白だろ」
って作品が、ときどきあります。
(一般論じゃなく、ぼくの場合)

例えばそうだなぁ、
数人の主婦が協力して
死体をバラバラにする話。

細かくされた人体パーツは
レジ袋とかに入れて生ごみで出す。

最初はやむにやまれずやったのに、
それが仕事になってしまい、
処理請負業みたいになっていく
……っていうのとか。

そんで、それとは逆に、
筋を思い出しても、
つまらないなぁと思えるのに、
とっても良かった本もあります。

例えばそうだなぁ、
ずっと歩いている話。

高校の学校行事で
100キロとか200キロとかを
一晩かけて歩き通し、
そのイベントの間に、
話がしたくても
できなかった男女が仲良くなる
……ってヤツとか。

そういうのを考えてみると、
当たり前かもしれないけど、
物語の面白さって、
ストーリーだけじゃないんですね。

で、この『黄砂の籠城(下)』。

上下巻通しての感想です。
ストーリーはとっても面白かったです。
だけどなぁ、なんでかなぁ……。




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