2013年7月31日水曜日

『風立ちぬ』(堀辰雄)読みました。

中学生の頃、友だちから
「実はあの子のことが好きなんだ、どうしよう」
と相談され困ったことがあります。

女の子のことなど何も知らないぼくは
「そんなんわからん」と軽く受け流しただけ。

でもそのあと、友だちのいう「あの子」が気になり、
遠目に観察すると、なるほどかわいい。

活発なほうではなく、
おとなしくて目立たないから、そんなことがなければ、
気に掛けることなんかなかったでしょう。

服に糸くずがついていたらしく、
それを取ってあげた別の女子から
「ほらっ」と言って糸くずを渡されただけで、
顔を赤らめ、恥ずかしがって下を向いていました。清純!

まぁ、ぼくはそれ以上何もアクションを起こすことはなく、
それだけの話なんですけどけどね。

で、この『風立ちぬ』。

読んでる途中で「あの子」のことを思い出しちゃいました。
純愛でした!


風立ちぬ
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2013年7月30日火曜日

『主役はダーク 宇宙の究極の謎に迫る』(須藤靖)読みました。

記憶ってままならないものだと、つくづく思います。
忘れちゃいけないことは、
気持ちいいほどスコーンと頭から抜けていくのに、
忘れたいことは換気扇についた油汚れみたいに、
こびりついて離れていかない。

ぼくの場合、
忘れたいのに残骸がこびりついてるのは、
自分の書いた文章です。
(忘れちゃいけないのに忘れちゃう例は、
自分の名前のほか大量にあるので例示は省略)

自分の書いたものが、
きちんとした文章になっているのかどうか点検するため、
読み直しの作業をするんですが、
このとき、
まっさらな頭でチェックしたいんです。

だから、チェック作業は書いた直後じゃなく、
なるべく日をあけてやります。

へなへなの記憶力が自慢のぼくなので、
日をあければ、自分の書いた文章とて、
すっかり頭の中にはなくなっているはずという期待です。

でも、チェック作業をやると、
やっぱ残骸みたいのが現れる。
書いたとき考えていたことが浮かんできて、
自分が文章をすんなり理解できて、ミスも素通ししちゃう。

そうじゃなく初めて読んだ人の目でチェックしたいんです。
客観的に判断したいんです。……できないんですね、これがなかなか。

で、この『主役はダーク』。

読んでる途中、
「わかりやすく書こうとして余計わかりにくくなってる」
と思いました。
でも、最後まで読むと、
作者さん自身がそれをわかっていたようで、
まとめて軌道修正するページがあったんです。
わぁーっ、自分の文章を客観的にみられる人だ! 脱帽!!


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2013年7月29日月曜日

『泌尿器科医が教える「正しいマスターベーション」』(小堀善友)読みました。

先日Facebookで、友だちとこんなやり取りがありました。

【ぼくの最初のつぶやき】
会社で出版した電子書籍のページを見てみたら
「この商品をチェックした人はこんな商品もチェック」の欄に
『泌尿器科医が教える「正しいマスターベーション」』
という本が並んでました。
ぼくも買おうかな。180円でぼくの本より安いし。

【友だちのコメント】
チェックした人が誰なのかが気になります。
知り合いだったりして!?

【ぼくの返信】
 ワトソン君、こういう推理はいかがだろうか。
一人えっちのハウツー本をこっそり閲覧したつもりが、
気づいたら自分の著作ページにある
「この本もチェック」欄に載っていた。
「わっ、やべー」と思った瞬間に
「そうだ、これを偶然発見したことにして
ツイッターでつぶやけば、ほかのヤツの仕業にできる」
とたくらんだ。
名付けて「きくちの閲覧者転嫁説」。

【友だち】
あ、それ、一番に思ったんです!笑っ

【ぼく】
うっ、やっぱバレてた。
……こうなったら、あの本買って、
今度、読書ブログに感想書いちゃいます。

ってことで、読んだのが、この『泌尿器科医が教える〜』。

タイトルと内容がかみ合っていないのは、
Amazonの読者レビューでほかの人が
指摘されてるとおりでした。
読むべきかどうかは、
そのレビューで判断されるといいと思います。

んで、ぼくが思ったのは、
さすがキレイなデータをつくっているなってこと。
ページの置き方とか見出しの配置とか、勉強になりました。

バスの車内で読んでいると、
タイトルがタイトルだけに、
周りの目が気になって仕方なかったですけどね。


2013年7月25日木曜日

『こころ』(夏目漱石)読みました。

会社で電子書籍を出版しちゃおうってことになり、
恥ずかしながら全世界に向けて
インターネット販売し始めました。
(ここで売ってます→http://www.amazon.co.jp/dp/B00DVHBCXI
実際に売ってくれるのはAmazonさんなんですけどね。

んで、そのAmazonさんのサービスを利用するには、
電子書籍のデータを自分でつくる必要があります。
表紙とか目次とか全部入ったデータを
Amazonのサイトに送って、
販売のページに載せてもらうんです。

紙の本のデータなら、いままでさんざんつくってきたので、
それなりに経験があります。
でも、デジ本のデータ作成は、今回が初めて。
参考書やらネットの情報やらを、
あちこち参考にしながら、なんとか形にできました。

このとき、ちゃんと読めるデータに
なっているのかどうか検証するために、
Amazon専用のデジ本閲覧機
「Kindle Paperwhite(Kindle PW)」を買ったんです。

Amazonサイトに送る前に
このKindle PWで見た目を確認して
OKとなってから送信するという段取りです。

そこで、せっかく買ったKindle PWを
検証作業だけで終わらせるのも、もったいないと、
ダウンロードして閲覧機に取り込んだのが、
この『こころ』。
青空文庫版で、無料でした。

言わずと知れた文豪・夏目漱石さんの作品なので、
内容について、ぼくがあれこれいうまでもないでしょう。
紙の本じゃなくても、ストレスなく、すらすらと読めました。
やっぱ、どんな環境で読んでも、すごい文章はすごいっすね。


こころ
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2013年7月23日火曜日

『海賊とよばれた男(上)』(百田尚樹)読みました。

今は、普通の人が食べるものなら、
たいてい何でも食べられますが、
子どものころは好き嫌いが結構ありました。

例えば、しいたけが食べられず、
給食にまぜごはんが出たときは、
しいたけをごはんにくるんで、
ごくりと飲み込んでました。

そのころは嫌いな食材が一つ入っているだけで、
その料理がまるごとイヤになっちゃう感じだったんです。

大きくなって鈍感になり、
そうしたことはほとんどなくなっているんですが、
それと同じような感覚が残っている部分もあります。

それが本の好き嫌い。
(完全に嫌いになる本は、ゼロなんですけどね)

読書中に疑問に思ったトコが疑問のまま終わっちゃったり、
ヤだなって思った内容や文章が繰り返して出てきたり、
大部分は良いと思えるのに、その1カ所だけが好きになれず、
本全体の評価が下がっちゃう。

で、この『海賊とよばれた男(上)』。

大部分は良いと思えるのに……の本でした。
どうか、これから読む下巻で、
その感じが吹き飛ばされますように。

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2013年7月19日金曜日

『狐笛のかなた』(上橋菜穂子)読みました。

去年から今年のはじめにかけて、
小野不由美さんの「十二国記」シリーズが
マイブームでした。
品格がありながらも読みやすい文章を、
ため息つきながら、ごりごり読み進めていました。

でも、
そのシリーズ最初の本(本編のサイドストーリー)
である『魔性の子』を読んだのは、実は数年前。
んで、そのときは、それほどいいとは思わなかったんです。
続きの本編を読もうという気も起きず、
ぜんぜん見向きもしなかった。

そうこうするうちに、
<日本のファンタジーでは「十二国記」が最高峰>
みたいな紹介記事をどっかで目にして、
「いやいや、ホントそう?」と、
疑いの心で本編の1冊をめくってみると、
疑いの心なんてどこへやら、
十二国ワールドにどっぷり、ずっぽり。

で、この『狐笛のかなた』。

日本のファンタジーで「十二国記」と肩を並べる
「守り人シリーズ」の上橋菜穂子さんの作品です。
小野不由美さんのときと同じようなステップを踏んで、
まずは、シリーズ本編の作品じゃなく、
その周辺から攻めてみようかなと思ったのでした。
んで、この本が、それほどいいと思わなくても、
本編突入しようかなって。

……その思惑、見事外れました。
だって、よかったんだもん。
「よくなくっても」じゃなく「よかったから」すんなり突入です。
速攻でぼくの購入本リストに
「守り人」本編を1冊目入れちゃいました。
(昔、その1冊目だけ読んだことある気がする
 ……のは、このさい忘れます。
 本棚にあってもダブりで買います)



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2013年7月17日水曜日

『看護覚え書き』(フロレンス・ナイティンゲール)読みました。

「あなたはとても頭がいいわ、サルの世界ではね」
と言われて喜ぶのは、
サルなみのぼくくらいでしょう。

普通の人は、一瞬考えて、
「そうか、バカにされるてるんだ」
ってことにすぐ気づく。

ぼくは、
この一瞬考えなきゃいけない間がなんだかイヤです。
だから「頭がいい」の部分だけで判断して、
あとは聞かずに喜ぶ。

考えてからバカにされてると気づくんだったら、
最初から「お前はアホだ」
って言われたほうが、すっきりします。

で、この『看護覚え書き』。

一瞬考えさせる文章が連発でした。
言ってることは、
ホントに素晴らしいんですけど
(看護職の人には心から脱帽です)
この本の文章の作り方が、
ぼくにはちょっと合いませんでした。
単なる好みの問題なんですけどね。

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2013年7月16日火曜日

『浮世の画家』(カズオ・イシグロ)読みました。

そもそも何を話そうとしていたのか忘れちゃうこと。
「あれ? 今、何話そうとしていたんだ?」
は、酔っ払うとよくあります。

昔は酔ったとき限定でしたが
最近はしらふでも時々あります。

ぼくの場合、親切心というか、余計なお節介心というか
(もっと周辺事情を説明しないと、
 わからないよ……的な気持ち)が大きくなったとき
最初に伝えようとした話題に戻れなくなちゃうんです。

例えば、
「段差につまずいて転びそうになったけど、
 踏ん張れたんだぜ、すごいだろ」
って自慢しようとしたとき、
「いや待て、それには最近ランニング通勤していることを
 伝えて体力が上がったことを先に言わなきゃ」
と思い、自宅から会社までの距離や走破時間、
へろへろな足取りなんかを話していると、
「これを言うなら、なぜ走り始めたのか、
 きっかけも説明しないと」ってことに気づき、
それまで片道10キロのチャリンコ通勤をしていたのに、
会社が引っ越しをして距離が半分の5キロになり、
それでは運動量が減るから、
チャリから走りに切り替えたなどと解説してると、
「その前に、そもそもチャリンコ通勤を
 なぜ始めたかを言ってないだろう」ってなり、
……あれ、最初はなんだっけ? になるんです。

で、この『浮世の画家』。

上で紹介した、ぼくの話し方のような構成です。
これまで読んだ、カズオ・イシグロさんの作品は
全部そうでした。
解説には、ぼくがまだ読んでいないほかの作品も
同じだって書いてありました。
——そうか、ぼくの話し方に似ているから、
ぴったり、しっくりくるんだな。
よし、つぎ読もう。

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2013年7月11日木曜日

『ヴェイスの盲点―クレギオン〈1〉』(野尻抱介)読みました。

こんな選評をよくみかけます。
「文章の書き方や構成など細かい部分は荒削りだが、
 作品全体から醸し出される雰囲気に
 非凡な才能が感じられる」

新人対象の文学賞で、
1等賞とかに選ばれた作品に対するコメント。

要するに、
「まだ若くて老練な技は使えないけど、
言ってることは面白いじゃん。期待しているよ」
ってことでしょうね。

たしかに、その作品を読みながら、
「なんだよこの文章」って何度も突っ込んだくせに、
面白いって思えるものは結構あります。

そう思って、その作家さんを気に掛けていると、
作品を追うごとにうまくなっていき、
ついにはもう、めろめろになっちゃったりする。
(1作ごとに期待がなくなる場合もありますけど…)

で、この『ヴェイスの盲点 クレギオン』。

最近の作品(『南極点のピアピア動画』とか
『ふわふわの泉』とか)を読んで、
はまりだした野尻抱介さんの作品。
その野尻さんの処女作でした。

初期の作品から追いかけて、
めろめろになるパターンとは逆で、
期せずして、最新作→処女作品の順で読んでいました。

ということは、今回読んだ処女作は、
上の選評からすると「荒削りだけどイイ」になるはずです。
ところがどっこい、荒削りじゃないんですね。
ちゃんとしてるんです。

どっちかというと、
最近読んだ新しい作品のほうが、
内容はイイネ!なのに荒削り。
作者のプロフィールをみると、
処女作からはもう20年もたっていて、
年をとっているハズなのに、
作品はなんだか、だんだん若くなってるような…。

もしかしたら、この作家さん自身が、
タイムスリップとかパラレルワールドとかの
SFの世界を自ら体現しているのかもしれません。



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2013年7月9日火曜日

『Amazon Kindleダイレクト出版 完全ガイド』(いしたにまさき他)読みました。

今、会社で電子書籍を出しちゃおうって
プロジェクトが進行中です。
モノは小説(短編集)なんですけれど、
その短編集を読むと、いつの間にか、
パソコンソフトのエクセル操作も覚えられちゃう。
そんな、一粒で二度美味しい内容なんです。
著者はぼく、菊池規悦です。

売ってくれるとこは、アマゾンさん。
といっても、紙の出版のように、
アマゾンさんの企画会議を通してGOサインが出たから、
晴れて市場に出るってわけじゃありません。

電子書籍のデータさえつくれれば、
会社じゃなくても個人でも誰でも出版できるサービスを
利用させていただこうという目論見。

読者が買ったデジ本は、
アマゾンさん独自のキンドルっていう端末だけじゃなく、
iPhoneとかAndroidとかiPadでも読めるんです。

んで、誰でも出版できるといっても、
やっぱ、データのつくり方とか、
アマゾンさんへの登録の仕方とか、
いろいろ勉強しなきゃいけないかな、
って思って、今回読んだのが、

この『Amazon Kindle ダイレクト出版 完全ガイド』。

いろいろとタメになりました。

デジタルの本をつくるのに
紙の本を参考にするってのが、
少し情けない気もするんですけどね。

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2013年7月4日木曜日

『海はどうしてできたのか』(藤岡換太郎)読みました。

誰が言い出した言葉なのか知らないんですが
「地球にやさしく」ってコピー、すごいですね。

まず地球を擬人化してる。
んで、その姿を勝手に変えちゃうと、
地球ちゃんは悲しむよ、やさしくしてあげようね。
地球は虚弱体質で、
人間が思いやってあげないと、
すぐに傷んできちゃうんだから。
みんなの心がけが大切だよ
……と丁寧な呼び掛けになっています。

本当は地球の環境に守られて
人間は生活できているのに、
その立場をまるまるひっくり返して、
人間が地球の環境を守っているように表現してる。
「地球にやさしく」って、やっぱすごい。

で、この『海はどうしてできたのか』。

人間がやさしくしようが何をしようが、
地球はまったく意に介さないってことを、
存分にわからせてくれる本でした。

マンガとかで、
巨漢のプロレスラーに貧弱な男が
立ち向かっていく場面がよくあるでしょ。
そのとき貧弱マンは
巨漢レスラーに頭を押さえられ、
手をぐるぐる回すけど、
レスラーにはぜんぜん届かない、
そんな感じです。
レスラーが地球で、貧弱マンが人間。

もしくは、
三蔵法師の手のひらの中を暴れ回る孫悟空。
もちろん、三蔵法師が地球で、孫悟空が人間。

そんな関係でいうなら、さっき言ったコピーは、
貧弱マンが「巨漢レスラーにやさしく」とか、
孫悟空が「三蔵法師にやさしく」
なんて言ってるようなもんですね。

タイトルは海だけど、
地球全体のことを解説してる本でした。


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2013年7月3日水曜日

『世界は「ゆらぎ」でできている』(吉田たかよし)読みました。

当然かもしれませんが、
専門家の先生などに原稿を依頼するとき、
あらかじめ文字数を指定します。

新聞・雑誌の記事やコラムなら1000文字前後とか、
書籍であれば400字詰め原稿用紙に換算して200枚とか。

でも、たいていの先生は、
専門分野のことを知り尽くしているので、
決められた文字量では、内容が収まりません。
指定の量以上にたくさん、細かく書いてくださるんです。

そんなときは、ぼくらの出番。
規定の文字数を超えた原稿をリライトして
枠内にすっぽりはまるようにします。

ただ、この作業、気をつけてやらないと、
単なる切り貼りになってしまい、
文章がぎくしゃくしちゃうんです。

で、この『世界は「ゆらぎ」でできている』。

あとがきに、
最初は、この本の3倍ほどの原稿を書いたとありました。
最初の分量のままの本にしてほしかったな。


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2013年7月1日月曜日

『数学ガール』(結城浩)読みました。

タマちゃんとタコ坊という
高校時代からの友だちがいます。

タマちゃんは部活も一緒で、
当時はいつもつるんでバカばっかやってました。
なので、タマちゃん。ぼくと同じに勉強は、
ツメの先ほどもしていないと思っていたんです。

それがある日、
そのタマちゃんが「数学っておもろいぞ!」
って言い出しました。
よくよく聞いてみると、
タマちゃんと同じクラスのタコ坊が、
数学の面白さを教えてくれたのだとか。

でもぼくは、
タコ坊やタマちゃんとは別のクラス。
そんなに話をする機会はありません。
仕方なく、部活で一緒になるタマちゃん経由で、
数学の面白さを教えてもらおうとしました。

でも、いくら聞いても面白いとは思えない。
タマちゃんはまだ、
人にその面白さを伝えられるタコ坊の域には
達していなかったんでしょうね。

で、この『数学ガール』。

読み終わって、
「なんで直接、タコ坊から教えてもらわなかったんだ」
と、もう30年も昔のことを後悔しました。
面白いんですね数学って。
あのとき面白さを知っていたら、
もっとこの本、楽しめたのに……。


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