2013年11月21日木曜日

『恋しくて』(村上春樹 編訳)読みました。

「世に評判の高い世界の名作といわれる本を読んで、
 ちっとも意味がわからず、
 自分はなんて理解力がないんだ、
 と嘆いた時期があった」
と友だちが話してました。

それに続けて、
「でも、それは自分の理解力のせいじゃなく、
 日本語の翻訳がヘンなんだって、
 最近気づいたんだよ」

この友だちは、
意味不明だった本に再度チャレンジしたら、
すんなり内容が頭に入ってきたそうです。
なぜだろうと思ったら、
タイトルは同じでも翻訳者が違ってたんだとか。

そうなんですよね、
ぼくも同じように感じることあります。
すっごくいい話なのに、
なんか文章の流れがしっくりこない。
グーグルの自動翻訳みたい
とまでは言わないけど、
もっと直訳じゃなく意訳してほしいな
と思うものは、結構あります。

で、この『恋しくて』。

短編集の最後に載っているのが、
村上春樹さん自身の作品で、ほかは翻訳。
その最後の一編は面白かったです。

でも、そこにたどり着くまでが、
それなりに骨が折れました。
読むのに苦労した理由は、
さっきの友だちのように
「自分の理解力のせいじゃない」
ってことにしようと思います。


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2013年11月18日月曜日

『聞く力』(阿川佐和子)読みました。

どっかの雑誌に載っていたエッセイで、
こんな話がありました。

そのエッセイストの友だちに
インタビュー原稿なんかを書くライターさんがいて、
その人が落ち込んでいたから、
ワケを聞いたそうです。

するとライターさん、
取材で失敗しちゃったんだとか。
なんでもインタビューで話を聞いていた人に、
途中で無礼なヤツだと怒られ、
取材が中断しちゃったらしい。
理由はなんだかわからなくて、
たぶん虫の居所が悪かったようで。

そのエピソードを紹介したあと、
このエッセイでは、
インタビュアーが拒否される場面を分析してました。

たいていは、
取材する人が、事前にいろいろ調べて、
質問を考え、
その質問に対する答えまで想定しちゃうのが
悪いみたいなこと言ってました。

取材される人は、
わかってんなら聞くなよって
気持ちになっちゃうんだとか。

おっとっと。
ぼくがインタビューの仕事をするとき、
多かれ少なかれ、そのやっちゃいけないことを、
やっていたような気がします。
だって、事前に調べとかないと不安なんだもん。

で、この『聞く力』。


無礼なライターさんには、
ぜひ読んでもらいたい本だと、
そのエッセイに書かれていました。
なので、ぼくも読みました。参考にします。


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2013年11月12日火曜日

『深海大戦 Abyssal Wars』(藤崎慎吾)読みました。

前にも書いたような気がしますが、
最近のぼくの本の買い方。

ひと月に一度、大きな本屋さんに行き、
メモ用紙片手に、
まるで夕食の材料を買う奥さんみたいに、
買い物カゴにひょいひょいと、
本を入れていきます。
そのときのメモはそれでお役御免。

ひと月分をまとめ買いすると、
次の月のために、新しいメモをつけていきます。
新聞とかネットとかで、
気になった本のタイトルを記入。
だから、買うときには、
メモったときに考えていたことなどすっかり忘れ、
「なんでこんな本を欲しいと思ったんだろう」
と自分でも不思議になってしまうこともあります。

まぁそれでも、
きっと何かあるはずと、
メモ通りに買っちゃうんですけどね。

で、この『深海大戦』。

本屋さんでメモを見て、
なぜ自分がこのタイトルをそこに書いたのか
思い出せませんでした。
「なんで、この本が読みたいと思ったんだろう」

そんでも
「きっと何かある」
と自分を信じ込ませて、読みました。
読み終えた今、
やっぱり、この本を読みたくなった理由は、
わかりませんでした。……うーん。

あっ、ちなみにこの本も、
お話は完結していません。続編があるみたいです。
もしこれから読む人がいたら、
それだけでも知っておくと、
ぼくみたいなもやもや状態には、ならないかも。


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2013年11月11日月曜日

『ダブル・イニシャル』(新津きよみ)読みました。

名画座でやってた
トークイベントだったと思うんですが、
(上映作品も、誰が話していたのかも忘れてます)
原作をアレンジした脚本家の人が
登壇してこんなこと言ってました。

──大ヒットした小説を脚本にしてほしい
という依頼を受けて、その原作を読んでみたら、
まったく面白くなかった。
仕方ないので、
人物の名前とか、大まかな設定だけ残して、
まるごと話を作り替えた。
なんとか形になり、
それなりに評価されるストーリーになったけれど、
これは、瓢箪から駒みたいな感じで、
自分でもびっくりしている──

どの原作で何の映画かも忘れてるけど、
その脚本家さんの話を聞いた後、
原作の小説を読んだのは覚えています。

そして映画の面白さと、
小説のつたなさとの落差に驚いて、
「これでも同じタイトルの作品なんだ」
と感心したことだけ、印象に残っています。

で、この『ダブル・イニシャル』。

誰だか忘れたけど、
あの脚本家さんにアレンジしてもらったら、
きっと面白い物語になると思います。

ちなみに、この本を読んだきっかけは、
ダブル・イニシャル(意味は検索してください)は、
幸せになれるっていう噂を思い出し、
その真意がわかるかなと思ったから。
でも、ここでは逆の意味で
使われているようでした。がくっ。


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2013年11月8日金曜日

『斬ばらりん2 京都動乱編』(司城志朗/川島透)読みました。

取引先の担当者で、
段取りよく仕事を進めてくれて、
「この人とは馬が合うな。いいな」
って感じる人ほど、
なぜかその会社を辞めて、
ほかに移っていってしまいます。

その退職の知らせを受けたときは、
正直言って「えーっ、困る!」と思います。
でも、すぐに思い直すんです。

「おっ、これでまた、
 なんか新しいことが、はじまるかも」って。

そうなんです、これまでの経験上、
そういうことの後は、
結構いろんな仕事が広がっていくんです。
もちろん、その辞めていった人のつながりで。

たいてい、ぼくが「馬が合う」って思ってると、
相手も同じように感じているらしく、
その人が転職して次の職場にいっても、
新規の仕事で声を掛けてくれたり、
フリーになって自分で仕事をしているなら、
手に余ってる作業を手伝ってもらえたり。

スムーズだな、面白いな、
と思いながら過ごしていたものが
途中で途切れてしまっても、
そんなに気にせず、
おうように待っていれば、
きっと前よりも楽しい続きがやってくるもんです。

で、この『斬ばらりん2 京都動乱編』。

続きものだとは知らずに読んだ前作。
「えーここで終わるの!話が途中じゃん!」
と、がっくりきた日もありました。
でも、おうように待っていたら、楽しい続きがやってきた!
でも、お話は、またまた「続く」なんですよ、これが。
……鷹揚、おうよう。


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2013年11月6日水曜日

『夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』(カズオ・イシグロ)読みました。

このブログでも何度も紹介していますが、
ぼくは会社にランニングで通っています。
でも、
もうそろそろ3年近くになろうかっていうのに、
ゴールにたどり着くのがやっと。
いつまでたっても、へろへろ走りを抜け出せません。

とはいえ!
1年に1回か2回は、
「わっ、今日は、へろへろじゃない!」
って思える日があります。

あとになって、
そんな日のことを、よくよく検証してみると、
それなりの理由があるのがわかりました。

風でした。

アゲンスト……じゃなかった、
フォローの風って言うんでしょうか。
背中を押してくれる追い風が吹いていたんです。

自分の力じゃあないにしても、
いつもよりすいすい走れるのは、
気持ちが良くて、そんな日は、
鼻歌交じりに走っちゃったりしてます。
毎日、あの感じで走れたらいいんだけどな。

で、この『夜想曲集』。

読んでる途中、活字を追っていく目の動きを
スムーズにしてくれるような追い風が
ずっと吹いていました。
でも、強い風じゃないんですよ、微風。
気持ちいい本でした。


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