2012年6月28日木曜日

『ご冗談でしょう、ファインマンさん<下>』(リチャード P. ファインマン)読みました。


外国人の著者の名前で、
ミドルネームとかにイニシャルが入るとき、
どんなふうに書けばいいのか、
わからなくなっちゃいました。
(アルファベットの前後は、
中黒「・」を使うのか、ピリオド「.」なのか、
半角スペースなのかってことです)

なので、
たまたま思いついた自然保護活動とかしているニコルさんを、
アマゾンで検索してみました。
(ニコルさんはたくさんの本を書いてます)

したら! 出てくる出てくる!

わかりやすいように
半角スペースを「_(アンダーバー)」にして列挙すると……。

 中黒を使う「C・W・ニコル」「C・W_ニコル」
 ピリオドを使う「C.W.ニコル」「C.W_ニコル」
 合わせ技の「C・W.ニコル」にスペースだけの「C_W_ニコル」

同じ人物で、同じアマゾンのサイト内なのに、これだけ違う。
これって、もうどうでもいいってことですよね。
ちなみに、
ニコルさんの公式サイトってのもあったんで、
のぞいてみると、
そこにも、ぱっと見しただけで
「C.W.ニコル」と「C・Wニコル」
って2種類の書き方がありました。

正しいのものは何なのか、それがこの胸にわかるまで、
ぼくは歌い続ける気力がないので、
ファインマンさんはアマゾン表記のままにしました。

ということで『ご冗談でしょう、ファインマンさん』。
これ、前回の『ペンギン・ハイウェイ』の感想で書いた「1」です。
きっと、誰もが面白い! オススメ!

ちなみに、中黒とかピリオドとかの書き方の件は、
本の内容とはまったく関係ないので、
気にしないでください。

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リチャード P. ファインマン
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2012年6月25日月曜日

『ペンギン・ハイウェイ』(森見登美彦)読みました。


大まかにいって本は、
次の4つに分類できるってこと、
最近なんとなくわかるようになりました。

1.自分は面白いと感じ、ほかの人もたぶん面白い本
2.自分は面白いと感じ、ほかの人にはたぶんつまらない本
3.自分はつまらないと感じ、ほかの人はたぶん面白いと思う本
4.自分はつまらないと感じ、ほかの人もたぶんつまらない本

ざっくりいうと、
誰が読んでも面白いってのが「1」。
誰もが退屈なのが「4」です。

分類に出した「ほかの人」とは、
ぼく以外の人を指すのですが、
これを「ごく一般的な人」とか
知的レベルの高い人」「とにかく文字が嫌いな人」などに
細かくわけると、もっと詳細な分類もできます。
「ぼく→面白い、一般→面白い、知識人→つまらない」とかです。

で、この『ペンギン・ハイウェイ』。

実は再読(今回が2回目)した本です。

最初に読んだときの感想は、
このブログの第1回目に書きました。
今、読み返してみるとベタ褒めです。
上の4つの分類でいえば「1」の「誰もが面白い」
(まあ、それだから今回、再読したんですけどね)

んで、再読の結果、分類が変わりました。
「2」です。
ぼく自身はこの作品世界が大好きで、
その評価は変わらない。
けど、そうじゃない人もいるだろうなってこと、
今回読んで、なんとなく気づいちゃった。
だからこの本、
オススメなんだけど、オススメじゃない。
とはいえ、
ぼくはあと4、5回読み返しますけどね。

ペンギン・ハイウェイ
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森見 登美彦
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2012年6月22日金曜日

『木枯し紋次郎 (三)六地蔵の影を斬る』(笹沢佐保)読みました。


読んでいる途中で、つまらない本だとわかっても、
最後まで読み通さないと気がすまない。
その因果な性格は、
昔からずっと続いています。

例えば受験勉強で使った参考書が、
まったく役に立たないとわかっても、
最後のページまで要点書き写しみたいなことをやり、
ほかの勉強ができなくなっちゃう。
なんてのは、いつものことでした。

で、この『木枯し紋次郎(三)六地蔵の影を斬る』。

上の例とは違い、
つまらなくないんです。面白いんです。
だから次の4巻を読みたいんです。
最後まで読み通さないと気がすまない性格が
うずうずしてるんです。

だけど、
大きな本屋さんをいくら探しても4巻目が売ってない。

うーん、そうか、
これを機に途中でもやめられる性格を育てろ
ってことなんだな、きっと。




2012年6月18日月曜日

『孔子伝』(白川 静)読みました。


もうかなり昔になりますが、
雑誌に載せる企業のPR記事ばかり
書いていた時期がありました。

お偉いさんの話を聞いて、
それを2ページくらいの原稿にまとめ、
その会社のチェックを受けて、
指摘された部分を修正して、
掲載するって流れです。

その会社は、
やたら難しい理論を駆使した専門技術がウリでした。
そこでぼくは、やたら難しい理論を、
素人なりにざっくり大づかみにして、
なるべく平易な言葉で原稿にしたんです。
技術のことなど何も知らない人たちに、
そのスゴサを少しでもわかってもらいたい
って気持ちです。

でも、
その会社から戻ってきたチェック済みの原稿には、
平易にした言葉のすべてに
訂正が入ってました。
赤ペンで記された訂正指示は、
専門家だけが知っているカタカナ言葉や、
画数がやたら多くて
辞書なしにはとても読めそうにない漢字などなど。
そして文章全体に対する要望として、
「もう少し威厳を出してください」
って書かれていました。

クライアントの希望することなので、
ぼくは少しだけ抵抗しつつも、
ほぼ指示通りに訂正しました。
やたら専門用語が出てきて、
威厳のありそうな語尾になっていて、
でも、一般読者には、
すすっと理解されることはないPR記事です。

で、この『孔子伝』。

著者の白川さんって、
ものすごく頭の良い人で、
しかも妥協を許さない自分に厳しい人で、
脱帽どころか髪の毛までむしり取って
頭を下げたいくらいに偉い人なんだな
ってことはわかりました。
そう、それくらい威厳のある本なんです。
だから、へなちょこ頭脳のぼくには、
3分の1ほどしか理解できませんでした。


孔子伝 (中公文庫BIBLIO)
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2012年6月15日金曜日

『ご冗談でしょう、ファインマンさん<上>』(リチャード P. ファインマン)読みました。


ブログとかツイッターとかを書くようになってから、
いつしかぼくは、
自分のできるだけアホな部分をしたためて、
読んでる人にクスッとでも笑ってもらえたらいいなって
思うようになりました。
なんでそんなことしたいのか、
自分でもわからないんですけどね。

でもそれだと、
ぼくの文章だけを読んでいて
実際のぼくを知らない人は、
アホ以外なんの取り柄もない人間だと
思っちゃうかもしれません(9割がた当たってます)。

なので、
本当はもっと高尚な言動もしているんだぞ
ってことを書けばいいのですが、
それがなかなかできない。
というか、
やっぱり高尚な言動は、実際のところやってない。
それなら、ウソでもいいから書いちゃえば、
という意見もありますが、
知的想像力が乏しいぼくには、
ウソを書いてホントのことのように
読ませる自信もないんです。
つまりは、アホを書き続けるしかないってことでしょう。

で、この『ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)』。

ぼくと同じように人にクスッと笑ってもらえるような、
自分自身のおちゃらけ言動をあけすけに書いています。
でも、ぜんぜんアホじゃあありません。
読んでるだけで、ものすごい天才オーラが
ずんずん伝わってきます。
ぼくも同じことやっているつもりなのに、
なぜにこんなにも違うのか。
やはり人間ってのは、
平等につくられてはいないんでしょうね。

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)
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2012年6月13日水曜日

『ニューロマンサー』(ウィリアム・ギブスン)読みました。


いきなりですが、会社のホームページに載せるために昔書いた、なんのことやらワケのわからない創作文をコピペします。ちと長いけど…。

*******ミスト********

これ、ちょっとずるくない?
ちゃんと教えてもらった通りにやってるのに。島の中心的な建物に行って、地図のレーダーを赤い線が出てくるところにあわせて、エレベーターに乗って、出てきた暗号をメモしておいて、時計台の時計を二時四十分に合わせて、レバーをひいて数字を指定通りにそろえ、海に面したでっかい歯車の場所に行った。それまではよかったのよ。
もちろん、そんときは、ちょっとびっくりしたよ。ガガガーッって歯車が動いて、怪しげな古い本が出てきたんだから。この怪しげな古書を取ってみると、場面が変わっちゃった。うへー、なんだコレ。面白いじゃん。と思ったまでで、もう始めてから二時間経過。
始めたのは、会社から帰って風呂に入って、夕ごはん食べて、つき合いで家族団らんしてあげてからだから、午後十一時。それから、二時間だから深夜一時になっていた。
でも、場面が変わってからが、わからないんだよね。誰かが閉じこめられていた部屋とか、島の中にある仕掛けを置物にして置いている部屋とか、隠し部屋とか、なんでもかんでも触ってみたよ。でも、なにも変化なし。部屋をぐるぐる回っているだけで、時間はどんどん過ぎていく。
まぁ、簡単にわからないところが、ロールプレイングの面白さなんだけどね。
げっ、でも、もう完全やばい! なんにも進展なしに、この歯車島を見つけてから三時間以上たってる。って、ことはもう朝陽も出始める頃じゃん。げーっ、会社はフレックスタイムだから、何時に行ってもいいハズなんだけど、やっぱり新人の私としては、十時ぐらいまでには、出社したい。会社までの道のりは約一時間半。
十時につこうと思ったら八時半には家を出たい。着替えたり顔を洗ったりする時間に三十分。すると最低でも八時には起きなければ…。きゃあー、今すぐ寝たとしても、睡眠時間は四時間だ。
でも、私はもともと寝つきが悪い。どんなに疲れていても、羊だったら数千匹、時間にして一時間ぐらいは、寝床に入って、ギラギラの目を無理やり閉じている。
つまり、きちんと眠れる時間は三時間しかないってこと。
あーまた、ショコラBB飲まなくちゃ。
とはいえ、ここでこのゲームをやめるのもくやしい。進んだところまでを保存しておけるとはいえ、何にも進展なしに三時間もウロウロしまくって、私の人生なんなの。
突然だけど、寝るのって、もったいないと思う。せっかく生きているんだから、いろいろなこと体験しなくちゃいけないと思う。
でも、寝ないと次の日がつらい。寝不足の日は、生き生きしてない。感受性なんかも鈍って、普通だったら感動できることも、イライラしてきちんと受け止めることができない。そんなふうだと、やっぱりたくさん寝たほうがいいのかな、とも思う。寝ている時間はもったいないけど、寝ている時間を削っちゃうと、生き生きできる時間が減ってくる。そうなると、どっちがもったいないんだか、わからなくなってくる。
げっ、そんなバカなこと考えていたら、外が明るくなってきた。恐る恐る時計を見ると、わっ、六時。あと、二時間しかないじゃん。
ヤバ、ヤバ、さぁ羊だ、羊。でも、私、想像力っていうのが、あまりないんだよね。頭で考えていることってほとんど言葉なの。はっきりいって、映像を頭に浮かべることが得意じゃない。
眠れなくて羊を数えるときは、羊の姿を思い浮かべながら数えるんだよって、教えられたけど、私の頭の中には羊が出てこない。やっぱり、言葉なんだよね。ただ機械的に数を増やしているだけ。だからいつも、五千とか六千とかまで、数えちゃう。それでも眠れれば、しめたモンなんだけど、途中で嫌になってきちゃう。よけいに目が冴えてくることだってある。
あっ、しまった。またくだらないこと考えてた。やっぱ羊はよそう。何にも考えないのがいいんだよきっと。よし、何も考えるな、何も、何も…。
…だけど、あれは、ずるいよね。せっかくあそこまで、行ったのに何にもわからないんだから。だいたいあのゲームって、ヒントも何もないんだよ。
もう使わなくなったから、あげるよ、ってもらっただけの物だからいいものの、自分で買っていたら頭きて、メーカーに嫌がらせメールでも送り付けているところだよ。
それとも、友達からもらったのは、CDのディスクだけだったけど、本当は解説書とかついていたのかな。パッケージはちゃんとしていたから、最初はなんも疑問に思わなかったんだけどね。
明日、というか、もう時間的には今日だけど、会社に行く前に本屋によって、公式ガイドブックみたいなの買ってこようかな。でも、ウチの近くの本屋じゃ売ってないだろうな。大きい本屋じゃないと。
それに、あのゲームもだいぶ前に流行ったヤツだから、大きい本屋にも置いてないかもしれない。ってことは、私はまた、歯車島をウロウロしなくちゃいけないの。勘弁してよ。
そう、やめりゃいいんだけどね。どういうわけかゲームだけは、途中でやめられないんだよね。ホントにやらなくちゃいけないことは、続けたことないのにさ。
やんなっちゃうよね、私の性格。
でも、一応、本屋はチェックしておいたほうがいいと思う。やっぱり睡眠時間は大切だもんね。ガイドブック見てその通りにやれば、ゲームだってサクサク終われるでしょう。そうなりゃ、キチンと睡眠時間だってとれるって気がするし。でも、ゲームがなけりゃないで、深夜テレビを延々見ちゃったりするんだけどね。
どーでも、いいけど今何時? ゲぇーっ!! 

*****以上コピペ終わり******

で、この『ニューロマンサー』。
上記ワケわからない創作文のようにワケわかりませんでした。



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2012年6月5日火曜日

『悲しき熱帯2』(レヴィ=ストロース)読みました。


20年くらい前の話です。
そのとき働いていた会社で、
ぼくよりずっと年上のおじさんが、
しきりに「FAXってすごいよな」って言ってました。
「これがなかったら、仕事なんて回らねーぞ」って。

きっとそのおじさんは、
FAXなんてなかったころに生まれて、
仕事をやり出してから、
そういったOA機器なんかが徐々に
職場に入ってきたんだと思います。
だから、そのすごさをしみじみ実感できる。

ぼくに当てはめてみれば、
最初にカーナビのある車を運転したとき
みたいな感じでしょう。

んで、
カーナビがどの車にも
ついている現代に生まれた子は、
そんなの当たり前過ぎて、
カーナビのすごさなんてわからない。
ぼくがFAXのすごさがわからなかったのと同じように。

でもね。
FAXがなかった時代と、
あるのが普通になった時代を比べて、
後者が進歩してるわけじゃないように思えるんです。
もちろん、カーナビ前後も同じですよ。
とはいっても、いろんな便利なもののある今が、
昔より劣っているとか、
温かみがないとか、そんなことでもない。
ようは、どっちもありだなって思うんです。

FAXのないときは手紙を書いて、
郵便で送ったり、直接届けに行ったりで
人と人のコミュニケーションが今より深くって、
それはそれでいい。
FAXがあれば、仕事が早く片付いて、それもそれでいい。
「昔は良かった」「今も良かった」です。

で、この『悲しき熱帯<2>』。

著者のレヴィ=ストロースさんは、
アマゾンとかにいる原住民の中に入って
一緒に暮らしたりします。
裸のまま、そのまま地べたに転がって
眠るような民族もいます。
その人たち、いいんです。読んでいて気持ちいい。
昔は良かったです。
でも、ぼくは今もいい。
どっちの生活を選んでもOK。

暮らしの方法、社会の環境、
そういうものには優劣ってないんだなって思いました。

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2012年6月1日金曜日

『ブラザー・サン シスター・ムーン』(恩田 陸)読みました。


たしか去年だったと思うんですが、
水上勉さんの『越前竹人形』を
読んだ感想を書きました。

そこには、20代の若い時期に読んで、
人生が変わるほど感動した本を
もう一回読み直してみたってこと
書いた気がします。
「あの感動をもう一度」と思って読んだところが、
それほどでもなかったってオチでした。

で、実はこの『ブラザー・サン シスター・ムーン』も、
『越前竹人形』と同じパターンなのでした。

違うのは、最初に読んだ時期が、
若い時分だったのではなく、
ほんの2〜3年前だったこと。

最初に読んだとき思ったのは「うわっ、これスゴ!」。
物語の登場人物と同年代の自分の娘に、
思わず「今まで読んだ本の中で、ベスト10に入るくらい、
いい本だったから読んでみな」って、
すすめちゃったほどです。
んで、娘の感想は「なんか、よくわかんなかった」でした。

前回、単行本で読んだのが、
最近、文庫化されたってんで読み返したんですが、
2回目を読み終わったぼくの感想は、
なんと、娘の感想と同じでした。

3つの話が1つにまとまった小説で、
最初の1つ目は「これスゴ」レベルだったんですけど、
あとの2つを読み進めていくと……なんかなあ。

結論。ぼくのオススメ本は、信用しないほうがいいです。


ブラザー・サン シスター・ムーン (河出文庫)
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