2022年12月27日火曜日

『べらぼうくん』(万城目学)読みました。


その分野に精通していないからこそ、
わかりやすい本がつくれる、
と勝手に思っているぼくなので、
余裕のあるときには
ジャンルを問わずどんな書籍の制作も
ほいほいと請けてきました。

高校の先生向けに、
生物の教科書に沿って教える
ポイントを並べたガイドブックなんかも
つくったなあ。

生物つながりでいえば、
シロアリ駆除のノウハウ本とかも。

そんな仕事の中に、
シェイクスピアの戯曲を
紹介する書籍がありました。

精通していないからこそ、
自分が理解できるように
徹底して噛み砕いてつくったら、
結構評判がよくて、
よかったなあと思ってたら、

テレビ番組でシェイクスピア解説者として
出演してくれないかって誘いがきて、
いやいや精通してないですからと、
丁寧にお断りしました。
あんとき無理を承知でうんって言ってたらと、
ときどき思います。

で、この『べらぼうくん』。

作者の万城目さんも、
コメンテーターのオファーがあって
断ったと本の中で言ってました。
ワイドショーでの万城目さんも見てみたいなと、
ときどき思います。




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2022年12月22日木曜日

『射精道』(今井伸)読みました。


自分で書いたものであっても、
記した内容は右から左へ忘れていくのが
ぼくの常態なんですが、
ときどきその通常ルールを
逸脱することもあるんです。

3年近くも前に
(検索をかけてみて、経過年数がわかって、
 そんなに前だったのかと驚きました)
この感想文もどきブログでいったことも、
なぜか思い出せちゃう逸脱物件でした。

新刊の本に挟んである出版社のチラシの件。
同時期発売の作品を
「今月のラインナップ」とかいって
並べて印刷してる小さいペラペラの、
よく栞代わりにするやつです。

そこでは、
チラシにある作品の並び順は
誰がどうやって決めるのだろう
って問題提起したんです。

そのとき読了した藤井太洋さんの小説のほうが、
チラシ内トップ扱いで
でかでかとスペースをとって紹介されていた
某作品よりも面白いのに「おかしくない?」って。

そういうの、よくあるんです。
ぼくが面白そうと思ったのは、
みんが面白くなくて、
みんが喜ぶのはぼくにはつまんなくて
みたいな。

で、この『射精道』。

みんなは関心を寄せないだろうなと思ってたのに、
結構売れているみたいですこの本。
チラシで大きな扱いだったのかな。




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2022年12月20日火曜日

『へろへろ』(鹿子裕文)読みました。


本を読んでいて、
その物語の中に出てきた別の本や、
巻末の解説で紹介されていた
別の作家さんの作品が面白そうで、
次はそっちを読んでみる
って例は結構あります。

本を選ぶときの5分の1くらいは、
そういう感じでリストに書き留めたものです。
(あとの5分の4はメディアで紹介されていたり、
 広告だったり、ネットの書評だったりで
 興味がわいたもの、または好きな作家さんの新刊です)

そういうのは大抵、
今まで知らなかった人の書いた作品です。
それをきっかけに、
もしや新たなお気に入り作家が増えるかもしれない、
なんて期待でわくわくしながら、
本屋さんの棚から抜き、レジに持っていくんです。

それとは逆に、
新しく読んだ本の中に、
既読の作品が出てくるときもある。
でも、そんなときは、
「ああ、それ読んだな」くらいで
スルーするのが通例になっていました。

で、この『へろへろ』。

この本読むのは確か3回目。
少し前に読んだ『シンクロと自由』の中に出てきて、
今回はスルーせず、読み返しちゃいました。
面白かった。




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2022年12月15日木曜日

『三体X 観想之宙』(宝樹)読みました。


ワサビは緑っぽい色、
和カラシは黄色っぽいおうど色、
しかもチューブのラベルには
きちんとそれぞれの名前が書いてあるから、
幼稚園児でもない限り、
いや幼稚園児であっても、
しっかり確認すれば間違うわけはないんです。

それなんで間違うんでしょうかね、ぼく。

刺身を食べようと思ったら、
普通はワサビを溶いた醤油につけます。
それをなぜか、
冷蔵庫からカラシのチューブをとってきて、
目の前で絞って出し、醤油まで垂らして、
溶きまでして、その段階でも気づかない。

おいしそうな短冊状のイカの刺身を
2、3切れ箸でつまみ、
そこにしゃらしゃらとひたしても気づかない。

箸を口元に運び、もぐっとした瞬間に、
あれ? と思って、このイカ傷んでるかなどと、
頭の中にはてなマークが浮かんで、
この味はワサビじゃねーとわかって、
チューブをよくよく見て、
初めて気づいたんです、このあいだ。
あーあ、老化現象かな、これも。
って、たそがれつつ、
意外とカラシでもOKじゃん、
なんて思っていました。
強がりとか、ごまかしじゃなく。

で、この『三体X 観想之宙』。

本屋さんに持参した購入本リストには
『老神介護』と『流浪地球』書いてありました。
家に帰ってカバンから出したら
『老神介護』と『三体X』でした。
面白かったからいいか。
強がりとか、ごまかしじゃなく。




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2022年12月13日火曜日

『殺しへのライン』(アンソニー・ホロヴィッツ)読みました。


少し前に読んだ、小説の書き方の本では、
読者を引き込むには謎を入れないと
ダメだといってました。

謎、ミステリーの要素ですね。
こんな殺し方、どうやったんだろうとか、
誰にも恨まれるような人じゃない
って書いてあるのに
何で殺されちゃったんだろうとか。

わからないことを、
わからないままにしておくのは
確かに気持ちが悪く、
わからないことをわかりたいって欲求が
ページをめくらせるんだろうと思います。

ただ、その一方で、
謎解き要素などまったくなくて、
あったとしてもしょーもないトリックだったり、
仕掛けがあちこちほころびていて
ツッコミどころ満載だったりしても、
そんなのは気にせず、
ゴクゴクバクバクと読み進められる本もあります。

ぼくの場合、
おバカな登場人物がおバカをしているストーリーだと、
ゴクバク読みができる傾向にあるようです。
それと、噛み合わないけど、
なぜか前進していくセリフのやりとりがあるとき。
笑いの要素ってことかしら。

で、この『殺しへのライン』。

作家と探偵が登場するシリーズの確か3作目。
謎は出てきました。
それでページをめくる力はわきました。
ただ、もう1つの「笑いの要素ってことかしら」は、
ぼくには少し不足でした。




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2022年11月29日火曜日

『鉄塔 武蔵野線』(銀林みのる)読みました。


ある女性の作家さんは、
自分の感性の変化を
定点観測的に客観視して分析するため、
『風と共に去りぬ』を
数年おきに読み返しているそうです。

(「ある女性の〜」などと、わかっていながら
 匿名で書いているんだぞ的な表現で始めましたが、
 いつもの通り、その人が誰だっか
 忘れてしまっただけなんです。
 もっといえば、女性であったかどうかも
 定かではありません。
 女性が主人公の『風と共に去りぬ』なので、
 きっと女の人が言ったことなんだろうって、
 短絡的に考えただけで
 ……すみません。
 それに、くだらないカッコ書き注釈で
 こんなにも文字を埋めてしまったのも
 ……すみません)

同じ小説でも、
若い時に読んだときと、年齢を重ねてからでは、
全然違う印象になるとは、よくいわれることで、
その変化の具合を
小刻みに確かめる行為に感心しました。

しかも、あの大長編のスカーレット・オハラ。
数年おきに読み返すって言ってたけど、
ぼくなら読み終えるのに数年かかるだろうから、
同じことしようと思ったら、
最終ページを閉じた翌日に、
また最初から読み始めるないとダメそうです。

で、この『鉄塔 武蔵野線』。

何年かぶりの再読でした。
最初のときより、感動は少し減。




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2022年11月25日金曜日

『イヴリン嬢は七回殺される』(スチュアート・タートン)読みました。


確かAmazonの電子書籍端末の
テレビCMだったと思うんですが
(例によって自信はないです)
街頭インタビューで
「本の良さってなんですか?」
と尋ねていくシリーズがありました。

その質問に答えた人の中に
「本を読んでいると、
 その世界にのめり込んで、
 日常の雑事を忘れられるのが好き」
と笑顔を見せた青年がいたんです。

それ聞いたとき
「どうせやらせだろう」なんて
やらしい気持ちはまったく浮かばず
心から「いいな」と思いました。

その頃のぼくは、本を読んでいても、
たいていその内容以外のことが
頭の中でちらちらして、
のめり込むことなんか、
めっちゃごく少なかったから。

でも、ですね。
それが最近「めっちゃごく少」から、
なんの形容詞もつかない「少」
もしくは「中」くらいになっているんですわ。

生活の環境が変わり、わずらわしいことが
少なくなったわけではありません。
ここ何十年も
わずらわしさの数は人一倍です。

なのに何で「中のめり込み」まで
いけるんでしょうかね。

集中力がついたと
ポジティブに考えたいけれど、
たぶんそうではなく、
複数のことを同時に処理する
マルチタスク機能が
マイ頭脳からポロポロと剥がれ落ちているのかも。
ひとつのことしか情報処理できない頭になっている
そんな感じです。

で、この『イヴリン嬢は七回殺される』。

だってこの本「少」どころか
「中」を超えて「多」も見えたほどの
のめり具合だったのに
登場人物の名前も覚えきれず、
ぐちゃぐちゃだったんですからマイ頭脳。
でもなぜか面白かったです。




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2022年11月22日火曜日

『シンクロと自由』(村瀬孝生)読みました。


半年ほど前に亡くなった映画評論家の
佐藤忠男先生の講演を昔、聴いたことがあります。
(もしかしたら、映画学校時代の邦画鑑賞の授業かも。
 いや、友だちの撮ったドキュメンタリー上映初日の
 セレモニー講演だっかかも……
 すみませんはっきり覚えていません)

お話の内容は、
昔の日本の農村はどのように
共同生活を送っていたのかというものでした。

ほとんどの農村では、
何か決め事をするときは、村に住む全員が
必ず賛成しないとダメという決まりが
あったといいます。

誰か一人でも、
「そんなのは嫌だ」という人がいたら、
やらない。

その前提があるから、
どうしてもやらなくちゃ村が困るってときには、
反対意見の人を何とかなだめて、
「わかったいいよ」と言ってもらえるまで、
みんなで粘る。

一度ダメだと言われても夜を徹して説得し、
一夜の話し合いで納得してもらえなければ、
何日も何日も、一週間も、二週間も、
わかってくれと翻意を促し、
何とか首を縦にふってもらって、
全員の賛意を揃えて初めて事を決める。

「現在の社会では無理ですが、
 日本の農村はそんな手間をかけて
 生活していました」
と佐藤先生は言ってました。

で、この『シンクロと自由』。

この本に出てくる
介護のエピソードを読んでいたら、
佐藤先生の講義で知った
農村の人たちを思い出しました。




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2022年10月20日木曜日

『現代思想入門』(千葉雅也)読みました。


始めたのが
たまたまあの大地震の当月だったので、
これまでどれくらいの年月がたっているのか
すぐわかるんです、毎朝のランニング通勤。

あれは2011年だったから
引き算すると11年です。

ゴールにしているスポーツジムが
(そこでシャワーしてから会社に行く)
7時に営業開始なので、
逆算して6時過ぎに自宅を出て、
ほぼ同じコースを11年間ヘロヘロ走りしています。

最近、その期間って
結構長いんだと思うようになりました。

同じ人を見かけなくなったんです。

確か最初の2〜3年くらいは、
スタートから約1キロ地点で、
熟年夫婦らしきウォーキングの方と毎日すれ違い、
なんとなく顔見知りになってきて、
そろそろ挨拶でもしておこうかと考え出したら、
気がつくと見かけなくなってた。

ぼくは時間もコースも変わらずにいたけど、
あのお二人は何か生活環境の変化が
あったんでしょうね。

約3キロ地点でびゆーんと抜かしていく
韋駄天の兄さんも1年ほどで姿を消したし、

この人は永遠だろうと思っていた
子犬3匹ずれの小柄おばさんも
半年ほど姿が見えません。

いつもビル掃除していた
実写版のレレレのおじさんは、
割烹着的服装のおばさんに代わり、
今は清掃時間が変更されたのか、
ぼくの通るときには誰も掃除してません。

で、この『現代思想入門』。

世の中だけでなく
哲学にも移り変わりがあると知りました。




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2022年10月18日火曜日

『寒い国から帰ってきたスパイ』(ジョン・ル・カレ)読みました。


いつも行っている大きな本屋さんは、
ネットで在庫が調べられる。
そこで、検索窓に探している本の
タイトル入れて虫メガネマークのボタンを
クリックしたら「なし」の表示。

友だちご推薦の作家さんだから
一冊くらい読んでみようと
代表作って書いてあったのを探したんです。
だけど、だいぶ前に刊行した本だったから、
新刊書店では品切れだでした。

ロングセラーといわれているし、
わりと最近亡くなった著者さんだから話題でもあり、
9階建てビルまるごと書店という
規模の大きさからいって、
置いてあると思ったんだけどな。

と思いつつ、
「なし」の表示を見た後に、
前回触れたブックオフの入荷通知を設定しようとしたら、
あれやこれやの雑用が急に舞い込み、
すっかり忘れて、そのままになっていました。

で、この『寒い国から帰ってきたスパイ』。

うちの近所に頑張って営業してる
小さな(新刊の)本屋さんがあるのですが、
何とそこにあったんです、この本。
まあまあ面白かったです。




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2022年10月13日木曜日

『プロだけが知っている小説の書き方』(森沢明夫)読みました。


出版されてからだいぶたった本は、
普通の本屋さんには売っていないので、
ブックオフの入荷通知メールを使って仕入れる。

そんなやり方を覚えてから、
数年はたつでしょうか。

一時はまったローレンス・ブロック作品の
数十冊はそうやって揃えました。

でも、その覚え始めに入荷通知を設定した
ブロック泥棒シリーズの1冊が
(『泥棒はライ麦畑で追いかける』)
いまだに未入荷のままなんです。
あと1つでコンプリートなんですけどね。

そのメールが届かないせいもあると思うんですが、
その後は、新しく出る本に興味を
そそられるものが多くなり、
入荷通知はほとんど使わなくなっていきました。

通知の登録方法も忘れかけたついこの前、
ふとした拍子に、
昔読んだ『鉄塔 武蔵野線』って小説を
再読したくなり、自宅の本棚を探したところ
どうしても見つからず、

ならばと、
泥棒ライ麦が残っている設定ページに
それを追加したんです。
すると、ライ麦くんは
すんなり置いてけぼりにされ、
新設定の鉄塔くんの入荷通知が翌日に届きました。
今はもう読み始め、もうすぐ終わるとこです。

で、この『プロだけが知っている小説の書き方』。

『鉄塔〜』はプロの書き方とは、
ぜんぜん違うように思えるけど、おもろいです。




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2022年10月6日木曜日

『あの子とQ』(万城目学)読みました。


少し前に、
上下巻に分冊されている作品を
高評価する傾向が、
ぼくの頭の中にはあるようだ、
ってここでいいました。

と、ここまで書いて「少し前」などと
あやふやなままにしておくのも
無責任な気がしたから、
バックナンバーを検索したら、

それをいったのは、キングさんの
『ファイアスターター(下)』のときでした。

上巻は、思わず身震いしちゃうほど
面白かったから5つ星評価をつけ、
下巻も普通なら5つなんだけど、
上巻の緊迫感を考えると、
同じ満点じゃあ申し訳ない気がして
4つにしたと、半年弱前のぼくは書いていました。

ああ、そうだった。そうだった。

そこに引き合いに出されていたのが、
万城目学さんの『ヒトコブラクダ層ぜっと(上・下)』で、
これもまた上巻が最高点の評価で、
下巻がそれに比べると星の数は少なくなったと。

物語の世界に入ったばかりとき(上巻)は
予備知識が何もないので、
背丈よりも高いボウボウの雑草を
かき分けながら進むような感じで、
そのどきどきが楽しく感じられるんでしょうかね。

それが下巻になると感覚が麻痺してきて、
面白いと思う気持ちが削られていく、のかな。

で、この『あの子とQ』。

1冊にまとまった本でした。
でも、もし上下の分冊になっていたら、
上巻には5つ星をつけたと思います。




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2022年10月4日火曜日

『東京の子』(藤井太洋)読みました。


住宅事情により本棚スペースが限られるので、
文庫より一回り大きい単行本の購入は
なるべく控えようと思っています。

それでも、やっぱ、

うずうずしつつ待っていた
お気に入り作家さんの新刊タイトル、

そりゃ誇大だろうとわかっちゃいるけど
吸い寄せられちゃった惹句、

うんうん同じ同じと
仲間意識を持ってしまった読者レビュー
などなどに、
右手を無理やり書店の該当棚に持っていかれ、
該当本を引き抜いてしまう事態は多々あります。

そうしてぎちぎち言い始めた
我が本棚の単行本を見ていたら、
その行く末に
3つのパターンがあることに気づきました。

一つは、ブックオフさんへのドナドナ組。
前は一番下の段に専用コーナーをつくっていたのですが、
そこも他分類の書物が侵食してきて、
今は本棚の前の床にただ横積みしています。

2つ目は、そのまま残し組。
いつか再読したいなと思うものです。

そして3つ目が
文庫での再販にも手を出す大小2冊揃い組。
すぐにでも再読したいけど、
ほかの積ん読本もあるからせめて文庫まで待つ分類です。

で、この『東京の子』。

結果的に大小2冊揃い組になりました。
でも実は、タイトルを間違えて買っちゃったんだ
ってことにあとから気づいたものでした。

本当の2冊揃い組にしたいと思ったのは
同じ著者さんの『ワン・モア・ヌーク』でした。
けど、それは単行本がなく文庫だけの本でした。




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2022年9月29日木曜日

『新しい世界を生きるための14のSF』(伴名練 編)読みました。


昔々の映画学校のとき
実習として一番最初に撮らせてもらえたのは、
尺が2〜3分がくらいの
ショートショートムービーでした。

どんな話にするか、
みんなが脚本を書いてきて選ぶ。

ぼくはそんとき、
とにかく数射ちゃ当たるだろうと考えて、
十数本提出しました。
(教務課の先生から
「そんな奴は学校始まって以来初めてだ。
 どれも内容はカスだけどな」
って言われました)

だって、
200字詰め原稿用紙で2〜3枚埋めれば、
それで1本なんですから。

合計で20〜30枚になるけど、
1つの話じゃないから、
全体に筋を通して辻褄合わせの
ストーリーテリングしなくてもいい。
思いついた一場面と、
なんとなくの結末だけつければ
それで1本できちゃう。

あの頃は、電車通学で
片道2時間弱ガタゴト揺られていて、
その暇さ加減に、
いろんな妄想が頭の中にぐるぐるしていたから、
思いつく場面なんかいくらでも出てきたんです。

忘れ物の傘が話しかけてきて
持ち主の家に持っていけと命令したり、
棚の上のスポーツ新聞が落ちてきてぼくに貼り付き、
そこに印刷されていた水着嬢とキスして赤面したり、
電車に飛び乗ったと思ったら授業中の教室だったりとか。
……やっぱカスですね。
なのでもちろんすべて不採用でした。

で、この『新しい世界を生きるための14のSF』。

当たり前だけど、14のSFのどれもこれも、
ぼくのようなカスアイデアじゃありませんでした。
こういう発想力ほしいです。




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2022年9月27日火曜日

『ロシアの歴史』(島崎晋)読みました。


最近、近くの物のぼやけ具合が、
どんどん深みにはまっています。
俗にいう老眼です。

たぶん両目とも進んでいると思うんですが、
右目のぼけ速度がやたらスピーディで、
それを思うと左目は、
なんとも健全だと勘違いするほどです。

よって仕事の資料を読むときには間違っちゃいけないので、
リーディンググラス(日本語で老眼鏡)を使います。

でも普段の読書は、
エセ健全の左目を頼りに、
裸眼でこなしています。

昼間の明るい場所で、
本を近づけ過ぎないようにすれば、
意外と大丈夫なもんですから。

照明が少ない帰りのバス車中とか、
寝床のスタンドが離れたときなんかは、
ちと厳しいのですが、

お弁当を食べながらの昼休みの本読みは、
ぼやけも少量になってくれます。

ただ昼休みでも、瞬間的に、
ぼけぼけが急拡大するタイミングがあるんです。

それはスープを飲むとき。
右手はフォークを持ちご飯やおかずを口に運ぶので、
スープのカップは左手で持ちます。
すると、それが口元に運ばれるとき、
左目の視線をさえぎる。
その1秒間ほどは、
ぼけの進んだ右目だけが
本に目を向けることになる。
つまり、ぼけのみになるんです。

で、この『ロシアの歴史』。

昼休み、老眼と格闘しながら読みました。




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2022年9月21日水曜日

『世界を手で見る、耳で見る』(堀越喜晴)読みました。


ものを考えるときにも
頭の中では言葉を使い、
それは生まれたときから
ずっと聞かされてきた日本語なので、
もしかしたら
ほかの国の言葉ができるようになれば、

頭の中での考えも、
例えば英語だらけとかになっちゃって、

そうすると思考のツールが
まったく違うわけだから、
自分の性格やらも劇的に変わっていき、

とんでもなく面白い状況になるんじゃないかと、
アホな空想をしたときがありました。

それを友だちに話して、
だから英語を勉強したいなと言ったら、
「それよりも日本語覚えろ」
って言われました。

広辞苑に載っている言葉を
頭のページからお尻まで
全部自分の中に叩き込んだほうが、
よっぽど劇的な変化があると。

ほうほう、
なるほどそうかもしれないと感じ入ったぼくは、
外国語の勉強には力を入れず、
日本語使いの道を極めるべく
広辞苑を1枚ずつ破きながら覚えては、
済んだらヤギのように食べる

なんてことはもちろんせず、
結局どれもこれも中途半端なまま、
いまに至っております。

で、この『世界を手で見る、耳で見る』。

巻末に「点字の読み方一覧表」ってのが
ついていました。それ見たとき
「そうか、外国語じゃなく、
 点字でもいいんじゃね」
とひらめきました。

その数分後に、
それは書き方が違うだけで、
もとは日本語なわけだから、
頭の中の言葉が変わるわけじゃない
と気づきました。
中途半端なぼくは、今後も続きそうです。




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2022年9月15日木曜日

『逃げるが勝ち』(高橋ユキ)読みました。


会社の昼休み、
バス帰宅時の車中、
就寝前の床の中、
という3つの時間帯で
それぞれ別の3冊を読んでいる
ってことは、すでにここで
何度も言ってます。

何度もすみません。

ほんで今回は、そのうちの昼休み。

場所が会社ってこともあって、
選ぶ本はなんとなく
硬い内容のものになる傾向があります。
エンタメだと、なぜか海外の作品が多い。

そういう流れからなのか、なんかのか、
直近で読み終えた3冊のうち、
2冊がずっしりぎっしりのボリュームで、
その2冊をこなすのに、
ほぼ3か月かかっています。

どっちも前にここに書いていますが、
1冊目は『電気事業法の解説』って本で、
エクセルの読書リストを見ながら逆算すると
5月23日にスタートして、
最後のページにたどり着いたのは7月6日。
ひと月半くらい費やしました。
版も大きくて700ページ以上あったし。

その次は、前回も触れた『名探偵と海の悪魔』。
これは楽しくてよかったんだけど、
400ページはあって、
しかも上下二段に分かれたびっしり本だったから、
7月8日スタートの8月19日読了。
やっぱ1か月以上。

で、この『逃げるが勝ち』。

その次の3冊目です。
前の名探偵を19日の金曜に終え、
翌週月曜はパソコン月刊誌の斜め読みにあて、
次の火曜・23日スタートで、
土日を除く中3日の29日に終わりました。

読みやすい文章だし、ページ数も少ないし、
ちょこちょここういう本を挟むほうが
精神衛生上いいようです。お弁当食べながらだし。




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2022年9月13日火曜日

『まるで天使のような』(マーガレット・ミラー)読みました。


ちょっと前に読んだ
『名探偵と海の悪魔』は、
ヤッホーと叫びたくなるくらい
面白い物語でした。

何も考えず、
ふつーに読んでるだけで楽しめたのですが、
ぼくの場合、
ヤッホーの声量を増幅させる
アンプみたいな要素もありました。

何かというと「予想のハズレ」です。

名探偵のタイトルからわかる通り、
このお話は犯人探しも一つのテーマで、
「あ、こいつかな」「いや、あいつだろ」
なんてこと考えながらページをめくれます。

だいたい四分の三くらい進んだところで、
すっかり名探偵になりきったぼくは
「あ、あれが犯人だ」と結論を出したんです。

これまでのストーリーを振り返っても、
その推理に欠陥はないし、
そこから先のお話でも、
ぼく説を覆すエピソードは出てこない。
何のなんの、まだまだ甘いな
なんて思っていたら、がーん。

まったく違う納得の犯人でした。
なので、余計に面白かったんです。

で、この『まるで天使のような』。

予想が当たってしまった本でした。




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2022年9月6日火曜日

『告白』(町田康)読みました。


吹き出しがずりずりと
下方向につながっていくLINEは、
基本スマホで使うものらしいのですが、
ぼくのアイフォーン画面を見ている時間は、
週間レポートとかいう
使用統計のお知らせによれば
1日平均10分程しかないので、

あのカマボコ板状の電話機の操作に
まったく慣れず、
ほんの数行の吹き出し入力にも
玉の汗をかきつつ、
「つ」は、えーっと「たちつてと」の
「つ」なので、ならば「た」を選択するのか、
ってことは
「あかさたなはまやらわ」のうちの、
あったあった「た」だ、
なんてことをつぶやきながら入力するし、

にもかかわらず、
文章を書く仕事をしているのだから、
絵で済ませちゃうのはプロとしての矜持がないでしょ、
なんて、
どれもこれもちとコミカルなスタンプを
使うのが恥ずかしいだけなのに、
そんな言い訳も用意して、
あのお手軽マークは使わないものだから、

大抵はパソコン用のアプリで
使い慣れたキーボードによりLINEしてます。

ほんでそれだと、
大きな画面で打てるので、
一言で終わらず、
たいてい長文になっちゃうんです。

で、この『告白』。

そのぼく的LINE文章も、
この小説ほどは長くないです。
これみたいに長くても
飽きさせない文章だったらいいな
と思います。




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2022年9月1日木曜日

『名探偵と海の悪魔』(スチュアート・タートン)読みました。


なんや知らんけど頭の中で
同じ音楽がずっと流れるヤツありますやん。

あ、すみません。
今読んでる別の本が、
べろべろの関西弁で書かれていて、
しかも800ページ以上もある分厚い本で、
半月以上もそれと格闘しているので、
ついつい、その口調になっちゃいました。

町田康さんの『告白』って小説です。
もうちょいしたら、
ここに登場すると思います。

そんな大作に手こずっていたり、
向かいのビルの屋上にいるつがいの鳩が、
なんともまあ仲が良くて
クチバシでちゅんちゅんし合っているじゃないの、
さっきからずっとだな、
もう30分以上になるんとちゃうか、
いつまでやっとんねん、
とつぶやきながら眺めていたり、
あれやこれやしていたりしたら、
8月は今日までに3冊しか読めませんでした。
(これ書いたのは8月26日です)

いやいや、そんなこっちゃない。
えーと、頭の中の音楽です。

最近の脳内BGMはサザンや中島みゆき、
ときどきブルーハーツで、
だいぶ前にはサザエさんのテーマ曲が
朝から晩まで流れていることもありました。

そいつらが出現すると本が読みにくくて仕方ない。
ページがなかなかめくれない。

で、この『名探偵と海の悪魔』。

読んでる最中ずっと
『パイレーツ・オブ・カリビアン』の
音楽が頭の中で流れました。
でも、今回ばかりはそのおかげで、
楽しい読書ができました。




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2022年8月30日火曜日

『クジラアタマの王様』(伊坂幸太郎)読みました。


エクセルに入力している
読了本リストを眺めていると、
びっくりする書名に
出くわすことがあります。

「ほんとかよ。そんなのいつ読んだ?
 ぼく?ぼくが読んだの?」
ってヤツです。

例えば5年前の記録には、
又吉直樹さんの『火花』が載ってました。

時々、又吉さんが
テレビに出ているのを見たりすると、
「ああ、確かなんかの賞をとったよな、
 いつか読んでみよう」
なんて思ったりしてるんです。
もう読んでいたのに。

内容も読んだことも忘れているくせに、
「花火」と誤読して
友達に笑われたことは覚えてる。
だいたい「火花」ってタイトルに見合った、
ぶつかり合っちゃうみたいなお話だったけ。
それだったら
もう少し覚えていてもいいような気が
するんですけど。

まあ、
そんなふうにリスト見てびっくりするのは、
この本だけじゃないですが。

で、この『クジラアタマの王様』。

単行本で読み、文庫が出たから再読しました。
読んだことは覚えてました。
でも、タイトルの意味は
今回初めて知った気がします。




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2022年8月26日金曜日

『鯉姫婚姻譚』(藍銅ツバメ)読みました。


仕事の関係で
あまり一般には知られていない業界新聞を
とっています。

まあ、あくまで仕事の一環なので、
面白いとかとつまらないとかには関係なく、
頭の片隅に入れておかなきゃいない情報を
確認しておくためのものでした。
少し前までは。

さて、
その少し前に何があったかというと、
新規連載小説の告知記事を見たんです。

昔夢中になって読んでたあの「リング」の
鈴木光司さんが連載するって。うはは。

仕事の一環なのに、娯楽にもなる。
よくある新聞小説と同じ分量なので、
読むのにそう時間もかからないし、
仕事しているふりにもなる。うはは。

こんな業界紙でも、そんなことがあるのね、
と思い、ちと思い立って、
過去にはどんな人が
連載したんだろうと調べてみました。

そこにはなんと、
大好きだった『鉄塔 武蔵野線』の
銀林みのるさんもいるではないですか。

本は好きだったのに作者名を忘れていて、
連載は目にしているはずなのに、
一文字も読んでなかったんです。ああ。

で、この『鯉姫婚姻譚』。

ファンタジーノベル大賞の受賞作。
そして鈴木さんも銀林さんも同じ賞で
デビューした作家さんでした。
藍銅さんの名前忘れないようにしようっと。




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2022年8月23日火曜日

『殺す風』(マーガレット・ミラー)読みました。


ちょっと前にマイブームだった
ローレンス・ブロックさんの作風について、
何冊目かに読んだ作品の解説に、
「グライダーのようだ」と書いてありました。
確か伊坂幸太郎さんの意見だったと思います。

普通の飛行機はエンジンがついていて、
ぐんぐんのスピードで空を駆けるけど、
グライダーにはそんな推進機はなく、
風に乗ってゆったりのんびり、
眼下の風景を楽しみながら
スイーっスイーっと進んでいく。

ブロック作品には、
エンジン付き飛行機のように
物語がぐんぐんの速度で
展開するものもあるけれど、

それとは異なり、
スピードはないけれど景色や風の心地よさを
じっくり感じさせてくれるような小説も多い。

それがとっても気持ちよくて
好きだと言ってました。

そう、確かにそうでした。
話の筋には直接関係のない会話が
十数ページも続いたりする。

普通は、事件の謎が深まり、
なんだなんだこの先どうなるってドキドキ感や、
えーっちょっと待ってその扉を開けちゃダメ
みたいなハラハラ感なんかが、
読む人に次のページをめくらせるんだろうけど、
そんなのなくても、
テンポや洒落っ気、
噛み合わないのに噛み合っちゃうおかしさ
みたなところで読み進められる。
気持ちいいな、読み終えたくないな
って思えるんです。

で、この『殺す風』。

ブロックさん的な気持ちよさは
感じられなかったけれど、
グライダー系の作品だなあと思いました。




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2022年8月19日金曜日

『異常』(エルヴェ・ル・テリエ)読みました。


若かりし頃、自主映画を何本か撮りました。
そのときは楽しかったと同時に、
あれやこれやと
悩みの尽きない作業が続きました。

ぼくの場合たいていは、
映画なんかに興味がない、
ただ仲の良かった友だちを
無理やり手伝わせてつくっていたもんだから、

面倒なことや誰もやりたがらない力仕事、
それにちっとばかし知識が必要なカメラや
編集機の操作なんかは、
全部自分でやらなくちゃいけなかった。

脚本書いてコンテ割って、
あちこちに借りまくって制作費を算段し、
役者やスタッフ(無理やり引き込んだ友だち)の
都合聞いて、香盤表つくって、スケジュール組んで、
泊まり込みが必要なら宿の手配して、

撮影で近所から
「何いかがわしいこと、やってんだ」
と怒られればペコペコ頭を下げに行き、

なんてもろもろのエキサイティングジョブに
飛び回っていました。

そのとき、つくづく思ったのは、
ぼくとまったく同じ経験、
脳みそ、身体を持った人間が
もう一人いてほしい。
いや、一人といわず、二人や三人。

で、この『異常』。

うん、これこれ。ホント面白かった。
なんの躊躇もなしに5つ星つけました。
そうっすね。二人は要らないな、ましてや三人も。




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2022年8月16日火曜日

『山猫の夏』(船戸与一)読みました。


この前、なんとはなしに
アマゾンで売っている自分の
電子本のページを開いたんです。

やたら長ったらしい題名なので、
正確には覚えきれていないから、
そのタイトルを書き込まなくちゃいけない
用件ができて、確認するために開いたんでしょうか、

って人に聞いてもわかるはずはなく、
はっきりした理由は、
こんにゃく脳みそっていうか
古い言い方すればピーマン頭で
そこに空いた虫食い穴から
吹き飛んでいってしまったので、

今となっては、
宇宙の彼方へさあ行くぞというバズの誘いに乗って、
カッコつけながらどこかへ墜落しているんでしょう。
きっと鳥取砂丘あたりに。

えーと、何を書こうとしていたんでしょう、
と人に聞いてもわかるはずはなく、
書きたかった内容は、
こんにゃく脳みそ……以下省略。

そんなふうに遊んでいたら、
本当に何を書こうとしてたのか、
忘れちゃいました。

忘れたくせに、
埋めた文字数は結構な行数になっていて、
こりゃもう忘れたままで済ませても
いいんじゃないかとも思えてきました。

でもそれじゃあまりにも情けないので、
何とか最初に考えていた文章の流れを
思い出してみると。

ぼくの電子本1冊のページ数は少ない
→読了本の数を冊数で数えるのは
 意味がないのかもしれない
→ページ数で累計していけば
 正確な読書量になるのでは
→ページ数を確かめ記録するのは
 面倒だからきっとやらない
……って感じだったかな。

で、この『山根の夏』。

約750ページでした。
ぼくの電子本の10倍以上です。




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2022年8月9日火曜日

『十角館の殺人』(綾辻行人)読みました。


詰め物がとれてしまい
歯医者さんに行ったとき、先生から
「こんなに真っ黒じゃ、
 どれが虫歯かヤニかわからん」
と言われたのがきっかけで、

今では火を使うやつはやめて、
加熱式(電子式?)に変えています。

友だちの「これなら歯も黒くならないよ」
という言葉を信じて試したところ、
ホントに黒色変化はしなくなり、
それでもちょっとは汚れてくるので
毎日の歯磨きはちゃんとしています。
歯医者さんの治療も
もうだいぶ前に終わりました。

とまあ前振りが長くなりましたが、
タバコの件。

その加熱タバコに変えてから、
それほど吸いたいという気持ちが
起きなくなったんです。

紙巻きのときは、いつ何時でも
煙で肺がキュッとなる感覚が頭に浮かんできて
「ああ吸いてぇ」となってたのに、
それがなくなってる。

ひょっとすると、
このまま喫煙習慣自体をやめちゃえるかも、
なんて思えてきました。

そうなると、
もう紙巻きの煙を吸い込めない身体に
なってしまったように思え、
持参する加熱部隊を切らしたとき、
人から紙巻きをすすめられても
辞退する人に成長していました。

で、この『十角館の殺人』。

今ほど
モクモク行動が嫌われていない時代の話なので、
タバコを吸う場面がたくさん出てきました。
読んでると、とても美味しそうです。
思わず、吸いたくなっちゃいました。
もちろん、加熱じゃなく紙巻きのほう。




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2022年8月4日木曜日

『2020年度版 電気事業法の解説』(資源エネルギー庁)読みました。


だいぶ前にここに書いた
『人と数学のあいだ』のとき、
著作権法の条文をコピペしてスペースを埋め、
誰がどう見ても
感想文とはいえない文章にしちゃいました。
いまさらながら、ごめんなさい。

その『人と数学〜』という本の中で
法律の条文を使って言及してたのは、
コンピュータのプログラムについてでした。

よくシステム障害だとかバグだとかって
言葉を聞きますが、
そういった不具合のないプログラムを書くには、
いつくかのコツがあるそうです。

そのコツの中の「こうしたらダメ」
というNG記述のひとつが、
参照させる項目を一定数以上にしないこと。

具体的な数は忘れましたが、
とりあえず13としときましょうか。

何かを作動させる1つの
命令(コマンドっていうのでしょうかね)で、
ほかの13カ所以上の
計算値なり入力値なりを参照させて
次の処理に進ませるプログラムを書くと、

ほとんどの場合、
バグっちゃうそうです。

たぶんコンピュータの性能ってよりも、
書く人間側のミスというか理解力みたいなもんの
限界なんじゃないかとぼくは思ってます。

ほんで、あの引用した著作権法の条文は、
100カ所を参照してた。
本の中で指摘してた
「人間が読むもんじゃない」
ってのは、強くうなずけます。

で、この『2020年度版 電気事業法の解説』。

解説がついていても、やっぱりねえ。
法律の文章ですね。




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2022年8月2日火曜日

『オリエント急行殺人事件』(アガサ・クリスティ)読みました。


失礼ながらお名前は忘れてしまったんですが、
通っていた映画学校で小説家の先生が何回か
授業されていたことがありました。

その授業の中で
先生の言った冗談がみんなに通じず、
何事もなかったようにスルーされる中、
ぼくは密かにドギマギしてたって話。

……これ確か、ここに一度書いた気がするんですが、
いつだったか忘れちゃったし、探し出すのも面倒だし、
印象に残った作品は再読することもあるし、
ネタを再掲したっていいかなと思い、
も一回書いちゃいます。

えーと、
授業では小説をつくるときに
大切なポイントをいくつかあげ、
その一つに出だしの文章があると
先生は言いました。

具体的な作品を何個か例示して
(それがなんだったか思い出せないんですが、
 たぶん、トンネルを抜けた雪国だとか、
 激しく怒ったメロスだとかだったと思います)
この最初の1行で読者を引き込むテクニックのある作家は
「出だしスト」といわれる、とおっしゃった。

続いて、出だしに対する「切り」、
つまり最後の文章を秀逸な語句でまとめられる達人もいて、
それを「キリスト」と呼ぶって、さらりとおっしゃった。

あ、それ、駄洒落、とぼくは気づいたんですが、
周りにそれらしい反応をしている友だちはおらず、
どうしたものかとオロオロしているうちに
授業は終わっていました。

で、この『オリエント急行殺事件』。

これぞキリストって思いました(個人の意見です)。




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2022年7月28日木曜日

『シェエラザード(下)』(浅田次郎)読みました。


印刷物のデータをつくるとき
注意しなければいけない設定は
たくさんあるんですが、その1つに
オーバープリントというのがあります。

色を重ねて塗ることです。

大きな赤い丸の上に
一回り小さな青の丸を置いたとして
(図的にはこんな感じ→◉。白黒で色は違うけど)
そこにこのオーバープリントを設定すると、
中の丸は下の赤と上の青の両方が塗り合わさり
紫色っぽくなって印刷されます。

ただ、デフォルトの作業画面では、
普通の赤と青の表示のままなので、
間違ってオーバープリントを設定してしまい、
気づかず印刷に回ってしまうこともある。
そんなときは、あちゃーとなる。

で、この『シェエラザード(下)』。

ひとまとまりのお話は、
誰か一人の視点で描くのが小説の王道で、
そうなると他人物の視点は重なりません。
でも、この本には、
ぼくが勝手にオーバープリントを設定して、
重複した色を見たくなっちゃいました。




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2022年7月26日火曜日

『なめらかな世界と、その敵』(伴名練)読みました。


ひねくれ者を自認するぼくは、
みんなが騒ぐ時流ネタを書くのが
好きじゃありません。

だから多分、コロナに翻弄されたあれこも、
ここにはあまり記してないと思います。
まあ、わざわざ公表するほどに
振り回されてもいないんですが。

そのコロナ、人より少し遅れて
時流にかすった話題をするのも、
ピントがずれたぼくらしさがあって
いいじゃないかと、思ったんで、やってみます。

コロナ前は、毎年クリスマスの時期に、
高校時代の仲間がぼくのうちに集まって
パーティしてました。

食べ物と飲み物を持ち寄ったただの飲み会です。

たいてい家族連れで来るので
狭いマンションに十数人がわいわいします。

その中に一人、本好きがいるんです。

うちの本棚を見てもらい、
ぼくは、これ面白かった、それちょー面白かった、
あれメチャ面白かったなんてまくし立てます。

帰りには2、3冊オススメを貸出す。
(というか無理やり渡す)

そんで翌年、それを返却してくれて、
また違う本を押し付ける。
そのサイクルをずっと続けてたんです。
コロナまでは。

そしてコロナ。
3密の標本みたいな飲み会はできなくなり、
当然「返却&押し付け」の儀式も
途絶えたままになりました。
今年の年末はできるのかな。

で、この『なめらかな世界と、その敵』。

これは文庫版。
そのもとになった単行本が今、返却待ちです。
今年の年末は帰ってくるかな。
帰ってきたら、今度は文庫版を押し付けようかな。




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2022年7月14日木曜日

『シェエラザード(上)』(浅田次郎)読みました。


事実は小説よりも奇なりっていいますよね。
確かにその通りだと思うんだけど、
ある意味当たり前のことを
言っているだけな気もします。

小説は、
現実よりも奇なる出来事を描くことで、
物語が面白くなるんだろうけど、
その奇が何で起きたのか、
原因が説明されていないと、
薄っぺらに感じちゃう。

とんでもない偶然の出会いが重なって、
あれよあれよと何事かに巻き込まれていく
ストーリーを見せられても、
そんな偶然ラッシュはありえないでしょ
って冷めちゃう。

だからその偶然が、
実は偶然じゃなく誰かが仕組んだことだとか、
悪魔みたいな奴を登場させちゃって
人智を超えた力に導かれているとかの
説明が入ってきます。

そうなるとロジックとしては
納得できるから不思議じゃなくなる。
奇じゃなくなる。
それが小説というか、つくったお話ですね。

でも、現実に起こる偶然って、
誰も何も説明してくれない。
百円玉が自販機の下に落ちて、
取れないから諦めて歩き出したら
足元に五百円玉が落ちてたなんてことあったら、
説明はないから奇のまま。
ほら、小説は奇じゃなく、事実は奇なんです。

で、この『シェエラザード(上)』。

おや、その偶然はあり?ってのが出てきます。
下巻に期待。




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2022年7月12日火曜日

『祝祭と予感』(恩田陸)読みました。


前にも何度か言っていますが、
言葉ってやっぱりそこかしこに
欠陥がむき出しになってる道具だと思います。

人から人に
思っていることを伝えるものなんだけれど、
100%完璧に思いを伝えることはできない。

少し前に亡くなった立川談志さんは、
伝わっているのは「良い勘違い」か「悪い勘違い」の
どちらかしかないって言っていたし、

あの芥川龍之介さんも
「風呂に入るのは簡単なのに、
 風呂に入ったことを書くのはめちゃくちゃ難しい」
みたいに言って、言葉が一筋縄じゃ扱えないものだと
途方に暮れてた。
(とぼくは記憶してます。
 原典にあたったわけじゃないので
 間違っていたらごめんなさい)

自分の頭の中で何かものを考えるときには、
言葉に変換して、こうだから、ああで、そうなる、
みたいな道筋をつくっていき、そのときは
言葉があるからロジックを組み立てられると、
ありがたがったりするけれど、

実はそんなものなければ、
ずばり本質的でストレートな思考が
できるのかもしれません。

普段からそんなこと思いつつ、
だらだらとネットを見ているとき、
何かの曲の楽譜を載せているページに目が止まりました。

そんとき閃いたのが
「あ、言葉とかそれを表す文字とかは、へなちょこだけど、
 音符を記した楽譜って、頭の中身を
 100%伝えられる道具なのかもしれない」
でした。

で、この『祝祭と予感』。

楽譜も完璧じゃないってこと、この本で知りました。
頭の中に浮かぶものを、
そのまま伝える手段って、はたしてあるのかな。




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2022年7月7日木曜日

『万感のおもい』(万城目学)読みました。


だいぶ前、
政治家の人が「長幼の序」って言葉を使って
相手の非礼を叱ったとかで話題になりましたね。

ぼくは、そのことわざの意味もよく知らないけど、
自分より年上に見える人には、
とりあえず、へつらっちゃいます。
(年上じゃない人にも、たいていは、
 揉み手する感じで接してます)

最近は、なぜだかわからないけれど
その人が自分より年下なのか上なのか、
外見から判断するのができなくなっているようで、

カチコチの敬語で対応してた相手が
同じウサギ年だけど一回り下だったり、

肌艶も良くチャラい感じだからと
タメ口きいてたら十も上だったなんてざらです。

もっとわからないのが、
作品を通してしか知らない作家さん。
プロフィールなんかを読まなけりゃ
一つの作品をまとめ上げた人は
みんな年上に思っちゃいます。

で、この『万感のおもい』。

作者の万城目さんは46歳らしいです。
それが59歳の京極夏彦さんに会ったとき
ひどく緊張したと書いてありました。

でもその彼の緊張度数は、
もしぼくが万城目さんに会うことになったときの
ぼくのカチコチ度よりも小さいと思います。

ちなにみぼくは京極さんと同じ年です。




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2022年7月5日火曜日

『図書館島』(ソフィア・サマター)読みました。


確か椎名誠さんの作品だと思うのですが、
活字中毒者を滑稽に描いたものがありました。

タイトルもストーリーも前後の脈略も
まったく覚えていないのですが、
その作品に出てくる場面で、
ときどきひょっこり何の前触れもなく
ぼくの頭に浮かび上がってくるシーンがあるんです。

きっと、
時間経過に伴い脳内脚色されて
もとの作品とはかけ離れていると思いますが、
まあ、こんな感じです。

定期的に活字を目にしないと
禁断症状が起きて苦しみもがいてしまう男がいる。
(「ヤクをくれー」じゃなかった
 「ホンをくれー」って感じで)
その病気を乗り越えるために
活字断ちの治療をしてるってシチュエーションです。

ちょっとでも活字に触れてしまうとダメなので、
牢屋みたいな所に入れられて、
膝を抱えて震えながら、
本を(活字を)読めない苦しみに耐えている。

そんなとき、手を伸ばしても届かない
高い位置についている鉄格子の窓から、
風に飛ばされたごみが舞い込んでくる。

きっと幼稚園かなんかのイベントで
先生が子どもを喜ばすためにつくった紙吹雪です。
それが数枚ちらほらと。

幼稚園の先生は、色紙を使うのはもったいないから、
スーパーの安売り広告なんかの
新聞の折込チラシを千切ってつくったんでしょう。
数枚のうち1つだけ活字が読めるものがありました。

発見した男は、
狂喜乱舞して拾い上げ、むさぼるように眺めている
……なんでか知らないんですが、
この場面を唐突に思い出すんです、数年に一度。

で、この『図書館島』。

ちと長く感じました。
活字断ちの人には喜ばれると思います。



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2022年6月28日火曜日

『マイクロスパイ・アンサンブル』(伊坂幸太郎)読みました。


前回、星評価の話をしたので引きずります。

その昔、確か地震の前の年、
森見登美彦さんの『ペンギン・ハイウェイ』を読んで、
「こりゃ完璧、五つ星だ」と感激しました。

自分の感性がひねくれ児であると自覚しているぼくは、
良いと思った作品でも
人に薦めることはほとんどないんですが、

そのときばかりは、友だちに
「絶対いい」って断言しちゃったんです。

ほんでまあ、後日。
ペンギン読んだそのご友人は、
案の定「そんなでもないな」とすげないご返事。

いやいや
今回ばかりは賛同してくれると思ったのにな
と、ちょいしょげたけど、すぐ忘れ、
そして確か地震の次の年、
ひょんなことから再読したら、
ぼくもご友人の意見になってました。

で、この『マイクロスパイ・アンサンブル』。

読了直後、友だちに薦めようと思いました。
でも再読後にしとこかな。




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2022年6月23日木曜日

『ファイアスターター(下)』(スティーヴン・キング)読みました。


去年から今年までの読書リストを眺めていて、
五つ星評価をつけたのは何個あるかなと、
数えてみました。

140冊中9冊。率にして6・5%です。
だいたい15〜16作品に目を通して
1つ見つかる感じですかね。

そんなことしてたら、
ちょっとした傾向に気づきました。

高評価は、
上下分冊になっているものが多いようなんです。

確かめて見ると、
2巻に分かれているのは10冊(5作品)あって、
そのうち五つ星が4つありました。

10の4だから40%。
全体の6・5%からすれば6倍以上の確率です。

そりゃまあ、一つの作品が気に入ったら
上下の両方の巻に満点をつけるだろうから、
1つで2倍おいしいキャラメルのような計算になって、
割合も高くなるんじゃないって思いきや、

その10冊(5作品)の上下ともに
満額評価がついているのは、
まったくなかったんです。

『カササギ殺人事件』は
上巻が「4」で下巻が「5」
『ヒトコブラクダ層ぜっと』は
最初が「5」で次が「4」ってな具合です。

で、この『ファイヤスターター(下)』。

これ4つにしました。上巻は5だったのに。
今いった法則に
無理やり当てはめようとしたわけじゃないんです。
普通なら5にしてたと思います。

でも、上巻が面白すぎて
そこからちょい失速しちゃったなと思ったから。
比較するものがあると不利なのかも。




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2022年6月21日火曜日

『サラ金の歴史』(小島庸平)読みました。


少し前、
テレビ番組の『世界一受けたい授業』で、
有名学校への合格率がすこぶる高い
学習塾の先生が出ていました。

教え方の特徴は「教えないこと」らしく、
子どもたちにただ問題を解かせて、
それを判定するだけという授業の様子が
紹介されていました。

与えるのは先生がつくったナンプレみたいな問題です。
(ナンプレってよく知らないんですが、
 何かのルールに従ってマスに数字を
 当てはめていくヤツのこといってます。
 わかってあげてください)
クロスワードパズルのような四角のマス目に、
先生が考えたルールに適合するように数字を入れていく。
(縦横それぞれの1列をたすと合計が「6」になるとか)
子どもたちは、嬉々として四角に数字を埋めていき、
できた子はドヤ顔で高々と手をあげていました。

その先生曰く、
考えて考えてよく考えて、解くのが楽しくなる問題は、
つくるのが難しいとのこと。
逆にいえば簡単につくれてしまう問題は、
容易に解けてしまうし、解答作業も楽しくない。

問題の作成者のほうが、
考えて考えて、もっと考えてつくったとき
初めて面白がってもらえるものができる。

努力して汗水垂らさないと、
(この場合は、脳からの汗水でしょうね)
受け入れてはもらえないってことですね。

で、この『サラ金の歴史』。

この本を仕上げるのは、
並大抵の労力じゃあ済まないだろうなと思いました。
きちんとつくってあると感じました。
面白かったです。




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2022年6月16日木曜日

『ファイアスターター(上)』(スティーヴン・キング)読みました。


昔発行された本で
今では新しく印刷しなくなっているもの
(最初「絶版」と書いたんですが、
 意味が合っているか不安になり
 パソコン辞書で検索したら
 「一度発行した書籍の印刷・販売を中止すること」
 「印刷用の版を廃棄すること」と出てきて、
 ぼくが言いたいものとは
 正確には違うんじゃないかと思いました。
 出版社としては印刷や販売の中止を
 決めているわけじゃなく、
 印刷の版も捨てていない状態のまま、
 増刷しなくなっているものはたくさんあって、
 もしかしたら、そんな宙ぶらりん作品のほうが
 多いのではないかと想像しちゃったからです。
 だから「絶版」というできれば避けたい言葉を、
 できたので避けちゃいました。
 とするとこんな言い方でもいいかな
 →「優柔不断状態で追加印刷しないまま
   放っておかれている作品」)
は、いつも利用している新刊の書店で
在庫が売り切れちゃったら、
その店には並んでいません。
だから買えない。

でももしかしたら、
何かの間違いで入荷するかもしれない。

本屋さんの棚の下にはよく引き出しがついていて、
そこには棚差ししない在庫的な本が収められているけど、
その隅っこのほうに隠れていたのを、店員さんが発見し
「まっいいか。
 棚にはちょうど隙間が空いたし、並べるか」
となるかもしれない。

などと淡い期待を抱きつつ、たぶん6年ほど、
見つけたら買う本リストに入れ続け、
それでも入手できずに、
仕方なくブックオフの入荷お知らせ機能を使って購入した本。

それが、この『ファイアスターター(上)』。

めっちゃ面白かったです。
下巻も同じ方法で入手済みです。




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2022年6月14日火曜日

『時間の終わりまで』(ブライアン・グリーン)読みました。


どこも同じようなもんだと思いますが、
事務所のベランダの柵の下には、
深さ2〜3センチ程度で幅10センチ程の
浅い排水溝がぐるりとついています。

そこ、普段は
枯れた水路状態になっているんですが、
夏の時期になると端の5分の1くらい
(長さにして1メートル程)のところに
水が溜まるんです。

それは、隅っこにある
階下へ水を流す穴(排水口っていうのかな)が
詰まってるから。

夏の時期にはエアコンを使うので
室外機から出てくる水が、詰まった排水口から
下に流れず、排水溝に溜まってしまう。

でもご存じの通り、
室外機からの水はポタポタ程度で
大量に流れ出るわけじゃないから
使わない夜間にはある程度乾き、
それでもまた昼には使って乾燥分が補われる。

結局、長さ1メートル程の
一定区間だけのプチ貯水路が、
夏の時期の3〜4カ月だけ登場するんです。

でね。
そこに、その水の中に。

なんと、ちっちゃな生き物も登場するんです。

一分刈りのごく短の髪の毛一本くらいの
ミミズ的生物(色も)で、
よーく目を凝らさないと見えない。

数もそれほど多くなく、
身体が大きくなる様子もない。
彼らは夏が過ぎ、水が枯れるとともにいなくなります。

で、この『時間の終わりまで』。

人間の生きる100年も、ミニミミズ君の一夏も、
同じ一生なんだよな。
んでもって、この本は宇宙の一生を語ってます。




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2022年6月9日木曜日

『皆殺し』(ローレンス・ブロック)読みました。


前回の『血まみれのマリア』では、
読了した本なのに、なぜか
ここに書き忘れてしまうものがある
といいました。

そのネタにしたのは、今回ここに
話を引き継ごうと目論んだからではなく、
純粋に単発で思いついたからなんです。

でもね。
予期せぬ出来事が起こり、
そりゃそのネタは引き継がにゃならんだろうと、
なっちゃいました。

それに関係するのが
「5、17、18、10、16、4、8、15、
 6、1、11、12、2、3、7、13、14」
というなんの法則もないランダムな数列です。

シリーズものの本であれば、普通は
古いものから刊行された順に読んでいくもの。

でも、最初の出版からはだいぶ年月がたって、
絶版とかで新刊書店では手に入らなくなったシリーズは、
古本屋さんで見つけるごとに買っていき、
その順で読み進めることになる。

やっとシリーズ全巻コンプリートしたところで、
このブログに検索かけつつ、
読んだ順にタイトルを並べてみて、
そこにホントの刊行順の番号を当てはめたのが、
上のランダム数列なのでした。

全部で18冊あって、一番最初の読了がシリーズ第5弾、
3冊目に早くも最終巻を読んだようです。

そして、この数列を作成して気づいたのが、
読んだはずの「9」が入ってないってこと。
そう、ここに感想文もどきを書き忘れてるから
検索で引っかかってこなかったんです。

で、この『皆殺し』。

シリーズ14冊目でした。
なお「9」は『倒錯の舞踏』です。
もう一回読もうっと。
いや「1」から順に全部読みなおそ。




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2022年6月7日火曜日

『血まみれのマリア きんぴか(2)』(浅田次郎)読みました。


1冊読み終わったら、
何がしかの文章をここにペコペコ打ち込む。

その作業は、自分縛りのルーチンとして、
欠かさずにやっているつもりなんですが、
ごくごくたまに抜けちゃうことがあります。

「おお、しょんべん、しょんべん」
とか言いながら、トイレに行くまでの
途中にある本棚の前を通り過ぎたとき、

なんかのタイトルが横目に入り、
「あ、これ面白かったな」
と頭をよぎった瞬間に、

「あれ?これの感想文もどき、書いたっけ?」
となる。

ほんでもって、
「うーん、いつものことだけど、
 まったく覚えがない」
なんてぼやきつつ小用を終えて、
エクセルの読了本リストの検索窓に
その題名を入れてみると
「検索条件に一致するデータは見つかりません」

で、この『血まみれのマリア』。

危うく書き忘れるトコでした。面白かったのに。




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2022年6月2日木曜日

『恋大蛇 羽州ぼろ鳶組 幕間』(今村翔吾)読みました。


読むのが遅いぼくは、
1日で読み終えられる本など、
ほとんどありません。

したがって、
どこまで読んだのか目印になる栞が必要です。

あっそうだ、
北村薫さんの小説に出てきた読書好きの主人公は、
読みかけの本を途中で一旦閉じるとき、
そのページ番号をぢいっとみらみ、
脳みそに焼き付けるようにしておけば、
栞を使ったり紙面の端を折ったりしなくても、
次のときには、間違いなく
前回読み進めた最後の部分を開けるって
特技のようなものを身につけていました。

その技、欲しい気もするけど、
別々の3冊を同時に読んでいるぼくは、
もしページ番号を覚えられたとしても、
どの本がその番号なのか、ごっちゃになって、
結局ダメだろうな。

なので、栞。
本の中に新刊広告なんかの紙片が入っているときは、
それを利用します。
入っていないときは、読み終えた他の本から、
そうした紙片を引き抜いて使います。

それがつい最近、
おしゃれな栞をプレゼントしてもらったんです。
プラスチックなんだけど
ペラペラ感がちょうどよくて、
3枚セットだったので、
いつもフル回転で活躍しています。

で、この『恋大蛇 羽州ぼろ鳶組 幕間』。

3枚の中のひとつ、
北斎の赤富士がデザインされた栞を使って
読み進めました。
内容は富士山とは関係ないけど、
時代的にぴったりでした。




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