2023年5月30日火曜日

『マシンフッド宣言(下)』(S・B・ディヴィヤ)読みました。


翻訳家の人が書いた新聞のコラムに、
例のチャットGPTを使った感想が載ってました。

そうそう今は、このツールを使うことを
「ジピる」っていうんですね。

ぼくの中では「ググる」が
やっと違和感なく使えるようになってきたのに、
そんな化石野郎をビューンと
振り向きもせず追い越すように
新しい技術が言葉になって世に浸透していく。

少し昔はテレフォンカード、つい最近は携帯電話を
まったく寄せつけなかった原尞さんの作中人物である
探偵の沢崎の気持ちが、年々わかるようになってます。

あれ? なんの話だったっけ。

そうそう、ジピるの感想でした。
翻訳家の人は、とりあえず今のところは、
きちんと使えるものにはまだ仕上がっていない、
と結論づけていました。
間違っているのものが多すぎると。
それが間違いじゃなく
絶対正しいもののように示されると。

ぼくも、ジピちゃんの物言いは、
なんだかマウントをとりたい人のように
感じちゃってます。今のところ。

で、この『マシンフッド宣言(下)』。

とりあえず今のところは仕上がっていないAIが、
仕上がった先の未来のお話。
でもまあ、そうなったらそうなったで、
やっぱりぼくは、探偵・沢崎の気持ちを
より深く理解するんだろうな。




**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2023年5月23日火曜日

『「狂い」の調教』(春日武彦/平山夢明)読みました。


後輩たちが頑張ってくれて年に一度、
出身高校バドミントン部で
OB・OG会を開いてくれます。
(コロナで3年ほど中断していましたが、
 この前、復活開催しました)

昼間に学校の体育館でお遊びの試合をして、
夜は親睦会という名の酒の席。

10代のあの頃は部活で
1日に5日分くらいバドをしていたんですが、
何十年もたった今、ラケットを握るのは
もうその会だけになっています。

当然のことながら昔のようには
身体はついていきません。

それでも頭の中には
かつての動きが記憶されていて、
脳みそからは
四肢やあちこちの筋肉に向かって
指令が出てしまう。

ってことに結構前に気づいて、
このままだとケガするぞとビクビクになって、
バドでなくていいから
日頃から運動しておこうと思い立ったんです。

そんなビビりから始まった行動が、
今やっている毎日の
ランニング通勤になっていきました。

あれれ……今回の感想文もどきは、
「走りが日課になってる」ってことから始めて、
走りと人生をからめた悟りみたいなトコに
落とし込もうと思ったのに、
走りのきっかけだけでこんなに書いちゃった。
なので、もういいかな。悟ってないし。

で、この『「狂い」の調教』。

本の中で、著名な精神科医の先生が
「人生はしんどいんだ!」と言ってました。
人生同様、走るのもしんどいです。




**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2023年5月18日木曜日

『悪意の科学』(サイモン・マッカーシー=ジョーンズ)読みました。


これを書いている今日は、選挙戦の最終日だそうで、
選挙カーやら街頭演説やらの拡声器での「お願い」攻撃が
最高潮に達し皆さんの暮らしを必ず豊かにします。ています。
あ、攻撃が指先に直撃したようです。

前文の中に出てきた「皆さんの暮らしを必ず豊かにします」は
拡声器音声が訴えていた文言です。
原稿を書いていると、ときどきあるんです。
聞こえてくる言葉をそのまま打ち込んじゃうこと。

だから歌詞のついた音楽を聴きながらとか、
ラジオを流しながらとかでは、仕事ができないんです。
スティーヴン・キングさんは、パンクロックなんかが
ガンガンに響いている中で小説を書いていると誰かが言ってたけど、
そんなのができる人って羨ましいなと思います。

売れっ子作家には、そういう一票を争う大接戦です
勝たせてください。人が多いそうで(…あ、また被弾しました)
もしかしたら、歌を聴きながら書けば、ぼくも文豪と
呼ばれるようになるかなと考えて、何度か練習したんですけれど、
そのたび流れてくる歌詞を入力したり、
「聴いちゃダメだ受け流せ」と頭の中で唱えるのに夢中になって
1行も先に進めなくなったりと粉砕してます。
そうだ、昔買った耳栓があったよな、あれ引っ張り出して、
この「お願い」攻撃に対処しよっと。

で、この『悪意の科学』。

前回間違って書いた最後通牒ゲームにもあるように、
人には自分が損してでも相手に損させるような
意地悪気質があるようです。
「お願い」攻撃は、意地悪じゃないですよね、たぶん。




**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2023年5月16日火曜日

『マシンフッド宣言(上)』(S・B・ディヴィヤ)読みました。


最後通牒ゲームってのを初めて知りました。
自分と共犯者が黙秘するか自白するかの
「囚人のジレンマ」は、
なんとなく聞いたことあるように思うのですが、
それと同じようなゲーム理論の仲間みたいです。

2人が参加して賞金を分け合うゲーム。

名前は、KさんとNさん
(ちなみに、ぼく「きくちのりよし」の頭文字)
賞金は10万円としましょうか。

はじめに提案者と回答者が決められます。
提案者がKさん、回答者はNさんになったとしましょう。

提案者のKさんは賞金を分ける割合を決められます。
5万円ずつの折半でもいいし、
自分が10万円、Nさんがゼロ円でもいい。

そんで回答者のNさんは、
提案された割合を聞き、イエス・ノーを判断します。

イエスなら2人とも
Kさんの示した割合の金額をもらえる。
でもそこでノーと答えると
2人とも何ももらえない。

Nさんにしてみれば、
自分が1万円で相手が9万円と提示されても、
ゼロより多ければ何も損はなく
お財布は温まるんだけれど、
自分のほうが少ないと
「ノー」と答える人が結構いるんだって。

で、この『マシンフッド宣言(上)』。

あ、間違った。
最後通牒ゲームが出てきたのは、
この本の次に読んだ『悪意の科学』でした。
すみません。




**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2023年5月11日木曜日

『流人道中記(下)』(浅田次郎)読みました。


売れ行きが好調だからなのか、
自信があるから絶対売れると
信じているからなのか、

もうそろそろやめてもいいんじゃない、
と思えるほど、長期にわたって
新聞広告を出している本があります。

いくつも過去作を読んでいて
気になってる作家さんのものだと、
その広告を目にするたびに、
読みたいぞアンテナがピクピク反応してしまう。

そのとき、
いやちょっと待てよと思いとどまるのは、
判型です。本の大きさ。

いわゆる単行本だと、
あふれかえっているわが家の本棚に収める場所を、
必死の思いでつくり出さなくてはなりません。

それがポケットサイズの文庫本なら、
苦労は少し軽減される。

奥に並んでいる単行本の前に並べれば、
背が低いので後ろの背表紙は
数センチほど見えるから大丈夫。
(それでも定期的なブックオフへの
 ドナドナ作業が必要ですが)

とはいえ、
単行本が出てから文庫化されるまでは、
年単位ほどの時間を待つ必要がある。

それでも広告を一度見たくらいなら、
低レベル記憶力のぼくですから、
新聞のページをめくった途端に忘られるんだけど、
長々と何度も繰り返し広告されると、
その度にアンテナピクピクで脳みそに刻みこまれ、
辛抱たまらなくなってくるんです。

で、この『流人道中記(下)』。

文庫本のポケットサイズ。
単行本の広告を何度見ないふりをしたことか。
でもまあ、待った甲斐ありました。
面白かったです。




**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2023年5月9日火曜日

『流人道中記(上)』(浅田次郎)読みました。


流行にうとく、あえていえば
避けて通ってるともいえるぼくなのですが、
コンピューターが人のごとく
流暢な文章をつくるという話題の
ガンマGTPじゃなかったチャットGPTには、
どうにも触手が動いてしまいました。

ここに書く感想文もどきなんかも、
上手に誘導的な質問を投げかけてやれば、
1分もかからずにできちゃうんだろうと思って。

それやると、
ぼく自身がいらないことになるので、
やらないけど。

いや、やってみて、
自分のつくったのとどっちが面白いか
比較してみてもいいかな。

とりあえず試しに
「幕末・明治に活躍した勝海舟の性格を
 100文字以内でまとてみて」
と聞くと、
「勝海舟は知識欲旺盛で大胆な行動力があり、
 自信と決断力にあふれていたが、
 自己中心的な一面もあった。
 指導力と判断力は多くの人々に支持され、
 大きな功績を残した」
って返されました。
(最初100文字以上の答えだったので、
 再度、短くしてとお願いしました)
時間はほんの数秒でした。

で、この『流人道中記(上)』。

物語に登場する流人が、
なぜか勝海舟さんに思えました。
ぼくはGPTの0・01%も勝さんのことは知らず、
そのレベルは少し前の大河ドラマ「西郷どん」に出てたな、
くらいなんですけどね。




**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2023年5月2日火曜日

『後悔と真実の色』(貫井徳郎)読みました。


構成、プロット、筋立て
(きちんとした言葉の意味が
 わかってないのでとりあえず
 同じようなこと表すもの並べちゃいました)
みないなのをつくるのが得意な人と、

構成(何度も並べるのも面倒だし、
わずらわしいので、この1つに絞りました)
はへなちょこだけど、
ちまちまと文章を書いていくのは上手にできる人が、

2人でコンビを組んで小説を完成させていく
(漫画でいえば、ストーリーをつくる人と
 作画する人の組み合わせみたいな)
って内容の本がありました。

話の概略はなんとなく覚えているんですが、
作者およびタイトルは、
例によって忘却の彼方なんですが

…いや、もしかして『小説の神様』だっけかな、
ちょっとネット見てみます。
…ググりました。やっぱ多分当たりです。

相沢沙呼さんの作品。
観てないけど映画にもなってるようです。

小説をつくるのって、
ひとつのまとまった作業だと思っていたけど、
よくよく分けていくと、
やりずらい部分、
ひょひょいと完璧にこなせちゃうところ、
なんかがあるんだと、
『小説の神様』(たぶん)読んでいて
よくわかりました。

ぼくが仕事で
あれやこれやの記事をつくっていくのに、
「向いていない」と思うのは、
原稿内容をチェックする校正作業なんですけどね、
それとは別の話か。

で、この『後悔と真実の色』。

構成はいいな、面白いな、と思いました。
ほんで、この構成をそのまま使って、
「構成はポンコツだけど、文章はピカイチ」
って人が書いて仕上げた作品も
読みたいなと思ったり。




**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************