2016年7月25日月曜日

『しゃらくせえ 鼠小僧伝』(谷津矢車)読みました。

友だち二人を自分のクルマに乗せ、
移動していたときのことです。

ぼくが運転し、一人は助手席、
もう一人は広い後部座席に
座っていました。

出発してしばらくすると、
「あれ?」と思ったんです。

いつもとは違う感じの振動を感じる。

とはいえ、
そもそもクルマは揺れるもので、
道の状態によっても、
ガタガタ感は変わってきます。

だから、
それほど気にはしなかったのですが、

ぼくだけじゃなく、助手席の友だちも
「何かこのクルマ、変な揺れ方する」
って言い出したんです。

「そうだろう。さっきからそう感じてた」
とぼくが答えて、
耳をすますように揺れを感じ取ろうとすると、

さっきまで気になっていた振動は
すっかり消えてしまいました。

「おかしいな」なんて言いながら、
揺れのことは忘れて
別の話題で盛り上がっていると、

またもや!
あの違和感のある振動を感じたんです。

そのときでした。
助手席の友だちが何を思ったのか、
いきなり後ろを振り向きました。

そして、
後部座席の友だちに向かって

「貧乏ゆすり、やめろよなー!」

と言ったんです。
そうか、あの揺れは貧乏ゆすりだったのか。

で、この『しゃらくせえ 鼠小僧伝』。

読んでいる最中、
お話の内容とか登場人物の人柄とかが、
ずっと揺れている感じがしました。
読書中、貧乏ゆすりはしてません。








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2016年7月21日木曜日

『第六大陸(2)』(小川一水)読みました。


2016年の年頭に
「今年はこれやろう!」
と誓いを立てたことがありました。

言っちゃうと
笑われるかもしれませんが、
言っちゃいます。

観葉植物の植え替えです。
事務所に置いてあるやつです。

少し前に、
なんと花が咲いた「幸福の木」。
(事務所にある植物はこれ1つだけ)

植えてあるのは
見た目には、おしゃれなで
大きめの白い陶器の鉢。

なんですが、
その中に小さなプラスチックの鉢が
発泡スチロールの上げ底の上に
載ってる仕様なのでした。

そのプラスチック鉢から取り出し、
大きな白い陶器の中の
発泡スチロールも取り出し
そこに土を全部入れ込んで、
根をゆったり伸ばしてもうおうと
思ったんです。

花を見せてくれたお礼にね。

ただ、園芸なんてしたことないぼくは、
「やっぱ面倒だな…」
と、年初からの半年以上、
ずっと先延ばししてました。

それをこの前、
とうとうやったんです。

案ずるより産むが易し。
やってみりゃあ、ちょろいもんでした。

で、この『第六大陸(2)』。

植え替え前の「幸福の木」って感じかな。
とりあえず、花咲きましたので。








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2016年7月19日火曜日

『かめくん』(北野勇作)読みました。

高校生の時、
アルバイト先のコンビニで、
チョコミントのアイスクリームを
初めて食べた──って話を、
何回か前に書きました。

今まで食べたことのない
ヘンテコな味なのに、
とっても美味しい。

新味、新鮮、人生初、意外、びっくり
……でした。

今でこそ
「そんなに驚くほどじゃないでしょ。
 ありふれた味じゃん」
と言われるかもしれませんが、
当時のぼくにとっては、
舌がひっくり返るくらいの
躍動感な味だったんです。

食べ物じゃなく音楽で、
それと同じような
「これ、初めてだァー!!」的衝撃を
感じたのはサザンオールスターズです。

中学か高校のときにテレビから
『勝手にシンドバッド』が流れてきて、
「こんな滅茶苦茶な歌、
 聴いたことない! すごーくイイ!」って。

映画だと
『ストリート・オブ・ファイヤー』の
場面が変わるときの
ビューンって感じのワイプですね。

今ではあちこちで使われてるけど、
初めてみたときは、
うわうわうわっ、うわ〜!
って何回言ったことか。

で、この『かめくん』。

調べてみたら、
初めて出版されたのは
15年くらい前でした。

でも、ぼくには、
サザンやビューンワイプと
同じくらい新鮮でした。

北野勇作さんか……何冊か続けて読も。







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2016年7月15日金曜日

『ひとはなぜ戦争をするのか』(アインシュタイン/フロイト)読みました。


昔読んだ
「広告のつくり方」的な
ハウツー本に、

読者の目をひくための
ビジュアルには、

「有名人の写真を使いなさい」

って書いてありました。

できれば
読者を見つめるようなカメラ目線で。

色んな記事が載っている
雑誌や新聞の中で、
ほかに紛れ込まないよう、
ふだんよく見かける有名人で、

まずその広告に
読者の視線を引きずり込む。

広告の文章が
どんなに素晴らしい出来であっても、
注目される引きがなく、

素通りでページを
めくられちゃったら、
何の意味もなくなってしまうだろ、と。

有名人の代わりに
若い女性の水着姿でも、
効果はあるといってました。

写真じゃなく、
「セックス」の文字を
大きく配置するのも一つの方法だ、
とも。

で、この『ひとはなぜ戦争をするのか』。

著者名のところに
「アルバート・アインシュタイン」と
「ジグムント・フロイト」
ってあるのを見て、買っちゃいました。

だってビッグネームなんですもの。

「なぜ戦争をするのか」についての
明確な答えは、見当たりませんでした。








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2016年7月13日水曜日

『ポーラースター ゲバラ覚醒』(海堂尊)読みました。


今の仕事を始める前だった
かもしれません。

とにかく、今よりもっと
世間のことを知らなかった若かりし頃。

大学の講義だか、
何かの講演会だかの
録音テープを聞き、
文字に起こす仕事をやりました。

仕事って書いたけど、
もしかしたら
ギャラが発生するものじゃなく、

友だちの宿題を手伝うとか、
そんな感じだったのかなぁ

……まあ、とにかく
そんな作業をしたんです、昔。

録音された話の内容は
まったく覚えてないんですが、

一つだけ忘れずに、
頭に残っていることがあります。

それは、
世の中のことを
ちっとも知らないぼくだからこそ、
やっちまったミス。

録音テープの中で言っている言葉が
聞きとれなかったんです。
そんな言葉一度も聞いたことなかったから。

それでも無理矢理
ぼくが起こした文字は

「裂け腹よろしく
 祖国か死かなどと言う若者」

この「裂け腹」のところが
どうしても聞きとれなかった。

「ちゃけばら」とか
「きばら」とか
「ちぇばら」とか、
いろいろに聞こえて、

あれやこれや考えているうちに

「そうか! サケバラだ!
 裂け腹! 切腹ってことじゃん!
 それならちゃんと意味通じる!」

と喜び勇んで、
原稿用紙にえんぴつを走らせたんです。
……違いますよね。

「サケバラ」じゃなく、
正解は「チェ・ゲバラ」だったんです。

で、この『ポーラースター ゲバラ覚醒』。

チェ・ゲバラの伝記小説。
昔のミスを帳消しにするため、
今から知識を得ることにしました。

でもこの本はまだ青春期の話で、
物語はこの後まだ続くそうです。
帳消しになるのはまだ先です。







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2016年7月11日月曜日

『キャッチ=22(下)』(ジョーゼフ・ヘラー)読みました。


本を読んだ直後に
この感想文もどきを
書ければいいんですが、

なんやかんやで、
なかなかそうはいかないものです。

だけど、
あまり日を置いてしまうと、
読んだ内容を忘れてしまうという
情けない頭しか
装備されていないぼくは、
日がたつと、
だんだんあせりが膨らんできます。

今回は、土曜日に読み終わって、
月曜にこれを書くという
中1日のインターバル。

だから、内容は
もう、かなりぼやけています。

とはいっても、
ここには本のあらすじとか
解説的なものは
ほとんど書かないようにしているので、

(書かないのは、
 ぼくの記憶力の問題が第一の理由ですが、
 そういった内容に関しては
 アマゾンなり他の図書紹介のサイトに
 ごまんと載っているはずなので、
 ぼくが紹介するまでもないかなと…
 …不親切ですけどね)

いつ書いても同じなんですけどね。

で、今回読んだ『キャッチ=22(下)』。

日がたつと忘れるとは言いましたが、
強烈に面白い本は、
やっぱ頭のへりにこびりつきます。

でも、さっきも言ったけど、
ぼやけて来ちゃたな、
この本……残念ながら。

がんばれ!ぼくの頭!





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2016年7月8日金曜日

『人間臨終図巻(中)』(山田風太郎)読みました。


小林一茶さんって
名前は聞いたことあるけど、

俳句の人だってことくらいで
詳しいことは何も知りませんでした。

あえていえば

「やせ蛙 まけるな一茶 これにあり」と
「雀の子 そこのけそこのけ お馬が通る」を、

なんとなく覚えていたくらい。
(それもネットで検索して拾ってきた)

でも、すごい人だったんですね!

50代半ばのときの日記に、
こんなこと書いていたそうです。

 8月15日 晴。月見。三交
 8月16日 晴。三交
 8月17日 晴。墓詣。夜三交
 8月18日 晴。夜三交
 8月19日 晴。三交
 8月20日 晴。三交
 8月21日 晴。四交

ホントすっごい!

ぼくは52歳で、
この日記を書いたときの一茶さんと
同じくらいですけど、
この絶倫ぶりはとても真似できません。

ってことが、
この『人間臨終図巻(中)』の
「小林一茶」の項に書いてありました。

「そんな人がいたのか」
ってことを知っただけでも、
この本を読んだ価値ありました。

ちなみに今、
「項」と書こうとしたら
「交」って変換されてしまい、
当分の間「交」変換が
デフォルトになると予想されます。 







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2016年7月6日水曜日

『カメリ』(北野勇作)読みました。


チョコミント味の
アイスクリームを初めて食べたのは、
高校時代にアルバイトした
コンビニでした。

その頃のコンビニの
レジ横にはたいてい
サーティーワンみたいな
アイスクリームの
冷凍ショーケースがあって、

お客に
「ラムネーズン一つください」
などと言われると、

店員が、あの専用お玉みたいな器具で
コーンにすくって渡していたんです。
(たしかカップはなかった)

で、ぼくはバイトの店員。

お客じゃないので、
どの味のアイスも食べたことは
ありませんでした。

そのバイトが数カ月続き、
だんだん慣れてきた頃。

休憩時間に控え室で
マンガを読んでいるときでした。

店長が
「これ、食えよ」
とチョコミント味のアイスを
小さな紙コップに入れて
持ってきてくれたんです。

容器の交換のとき、
端にへばりついたのがもったいなくて、
こそぎおとして
一杯ぶんにしてくれたそうです。

どの味のアイスも
食べたことがなかったぼく。

バニラやコーヒー味は
なんとなく想像がついて
食べたいとは思ったんですが、

あの水色に黒のつぶつぶが入ったのは、
「一生食べなくてもいいかな」
と避けていたんです。

でも、
わざわざ店長が持ってきてくれたのに、
無下にするわけにもいかず。

恐る恐るプラスチックの
小さなスプーンですくってパクリ。

「あれ? これウマッ!!」

今までこんな味、
食べたことあったっけ。

いやいや初めてじゃん!

世の中に、こんなにヘンテコで
美味しいものがあったんだ!

で、この『カメリ』。

世の中に、こんなにヘンテコで
楽しい本があったんだ!








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2016年7月4日月曜日

『キャッチ=22(上)』(ジョーゼフ・ヘラー)読みました。


バドミントンの
ダブルスの試合の途中……。

「オレが後ろ側から
 スマッシュ打ったんだから、
 お前はどうすんだよ!」

「前衛の位置に動く」

「今、動いてなかっただろ!
 だからふらふら上がった
 チャンスボールを叩けなくて
 ミスったじゃんか。
 動いてないだろ!」

「なんで?」

「なんでって何だよ!
 なんで前に行かない!」

「いつ?」

「いつじゃねぇよ!
 オレが後ろ側から
 スマッシュ打ったんだから、
 お前はどうすんだよ!」

「攻撃のポジション体勢なるから、
 前衛の位置に動く」

「わかってんなら、動けよ!」

「どこで?」

「はっ? ここだろ! ここ!
 オレが後ろ側から
 スマッシュ打ったんだから」

「なら、ネット近くの前衛になって、
 ふらふら上がってきた球を叩く」

「そうだよ、それやれよ!」

「いつ?」

…なんて会話をしていると、
 試合には絶対勝てません。

以上、この『キャッチ=22(上)』に
出ていたセリフのやり取りを真似て、
バドミントンバージョンにしてみました。

下巻も楽しい会話出てくるかな……。





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2016年7月1日金曜日

『第六大陸(1)』(小川一水)読みました。


味の違いが
ハッキリわかる人ではないのですが、

お店で出てくる
おしゃれなガラスのおちょこで呑む
冷えた日本酒(いかにも高級そうなヤツ)と、

紙パックに入って
ストローでちゅうちゅうするものとでは、

ぼくでも別物だと感じます。

格が違うっていうんですかね。

高級そうなのは、
ほのかに甘くてスルンと溶けていくように
ノドの奥に入っていく。

紙パック系は、
ざらざらした引っかかりがあるような感じで、
ミネラルウォーターを飲み慣れたあとに
水道水を口にしたみたいな。

どちらが美味しいかといえば、
普通なら高級系に軍配が上がるんでしょう。

でも、
シチュエーションによっては、
その順位も逆転すると思うんです。

ぼくは大人になってから一度だけ、
テントでの一泊を含む
山登りをしたことがあります。

そのとき、暗いランプの明かりの中で
呑んだ紙パック酒は旨かった!

あのとき、あの場所で、
もし高級系を出されても、
それほどには感じなかったはずです。

格は違っても、
それに相応しい場面はあるってことです。

で、この『第六大陸(1)』。

高級系と紙パック系に分類しろ
と言われたら、
後者になるなぁ……。






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