2024年1月30日火曜日

『ナイフをひねれば』(アンソニー・ホロヴィッツ)読みました。

  

前回の『剣客商売』の感想文もどきでは、
時間の認識力(というほど高尚ではありませんが)
みたいなのがテーマのようになっちゃいましたが、
じつは書き始める前に考えていた内容とは、
ぜんぜん違ってるんです。

最初、書こうと思ったのは、その中に出てくる
久々に会った旧友との飲み会での話題なのでした。

「いろんな本を読んでるみたいだけど、
 本当に好きなのはどんなジャンル?」
って感じの質問をされて、ぼくが
「ジャンルはなんでもいいんだけど、
 とにかく楽しいのが好き」
と答えた。

前回文章は、そこからひっぱっていって、
『剣客商売』は楽しい本でした、
で締めようとしていたんです。

ほら、こんな短い文字数で終わっちゃうでしょ。

そんなんだから
キーボードをぺこぺこ打ち出す前に、頭の中に
「その流れはいいけれど、
 そこに何か付け足さないと、短すぎるぞ。
 内容は薄っぺらで質的にどうしょうもないのに
 量まで少ないんかい。それでいいのか」
って、どっかから戒めの声が聞こえてきて、

ほんじゃあってことで、
時間の認識力的なあほ話を乗っけたら、
それだけで終わっちゃったんです。

で、この『ナイフをひねれば』。

楽しかったです。
でも楽しさ値は前2作のほうが高いです。

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2024年1月23日火曜日

『剣客商売1』(池波正太郎)読みました。

 

昔々の思い出なんかは覚えていて、
最近の出来事になると忘れてしまうってのは、
年寄りになればなるほどよく見られる認知機能の
ぎくしゃく現象らしいですね。

もちろん、
サザエさんのお父さんの波平さんより6才も
年上のぼくなので、その脳みそぎくぎく状態は
多分にあるんですけれど
(というか、昔とか今とかにはかかわらず
 記憶力そのものが軟弱ですが)
それに加えて最近気になっているのが、
覚えているエピソードがいつだったのか、
そのイベント発生時から現在までの期間が、
どうにもあやふやになっていること。

時間の認識力っていえばいいでしょうか。

あの久々に会った友だちと2人で飲んだのは
いつだったか、頭の中がごちゃごちゃしてたり。
たしかあのときは、マスクもしてなくて、
コロナ前だったはずと思い込み、
だとすれば、もう4、5年はたってる。
ほーほそんなになるかと一度は納得し、

それでも、いや待てよと、
待ち合わせ場所とかをやりとりするメールが
残っているかもとメーラーを検索してみたら、
ありましたありました。

あれ? 2022年5月じゃん。
つーことはまだ2年もたってない。
でもぉ…。

それってたぶん、
もしメーラーの日付が2010年とか相当前でも
「ふーん、そんなになるんだ…」
と受け入れてしまうんだろうな。

で、この『剣客商売』。

鬼平で池波さんにはまったのは
2、3年前だと思ってたけど、
既読リストたぐってみたら約15年前でした。
そんなにたっても、本の好みは変わっていないようで、
また、マイブームが始まりそうです。

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2024年1月16日火曜日

『渇きの街』(北方謙三)読みました。


オマージュっていうんでしたか。
付け焼き刃的に覚えてる「換骨奪胎」
っていう四字熟語でもいいのかな。

世に出てる既存の作品に影響を受け、
その筋や構成なんかを引き継ぎながら、
自分なりの物語とかをつくること。

印象に残っているのは、
『呪われた街』(スティーヴン・キング)の
オマージュで、小野不由美さんが書いた『屍鬼』。

たしか小野さんのほうを先に読んで、
強烈に引き込まれ、そのあとで、
元になってるのがキング作品だと知り、
期待で鼻の穴全開にして目を通してみたら、

それなりに面白かったものの、
ひねくれたぼくのお眼鏡は
「かなう」とは言ってくれず、

オマージュって
オリジナルを超えちゃうこともあるんだ
と知りました。

で、この『渇きの街』。

北方作品は2冊目。
この話は1冊目に読んだ『檻』の
オマージュなのかなと思ったり。
でも「かなう」の声が聞こえたのは1冊目でした。

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2024年1月10日水曜日

『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』(奥野克巳)読みました。


なんとなく気づいてはいたのですが、
娯楽小説の分野でぼくが読む本の多くは、
宝島社の『このミステリーがすごい!』が
やっている人気投票ランキングで
上位入選した作品とかぶってます。

意識してベストテンものを選んでいるわけじゃなく、
その上位陣はどうしても話題作になり、
どっかで書評なり紹介なりを目にする機会が多いので、
チラ見したあらすじ文章またはおすすめ惹句に、
ふらふらと乗せられてついつい書店の棚から抜き
会計レジに運んでしまうから。

なにしろ、これまで『このミス』は
1冊も購入したことはなかったし、
平台にあんなに山積みされているのに
立ち読みどころか
手にとって見ることもありませんでした。

その心は、
ランクづけとかいって優劣を競うのが、
どうも好きになれず、
あえて避けて通っていたという
つむじ曲がりの脳みそにあります。

でもね。
今回の2024年版は買っちゃいました。
その脳内構造にピリピリくる
「思想信条上、僕はランキング、ダメなんですよね」
って題のインタビュー記事が載ってたんですもの。

で、この『ありがとうも(長いので以下略)』。

この本に出てくる森の民たちも
ランキングには興味を示さないだろうな
と思いながら読了。面白かった。

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