2020年12月24日木曜日

『銀河ヒッチハイク・ガイド』(ダグラス・アダムス)読みました。


映画学校時代の友だちTくんは、
(今どうしているかな…)
1999年に人類が滅びるという
ノストラダムスの大予言を信じていました。

卒業して何年かたった20代半ば頃、
何かで彼に会ったとき
「その年には35才になるけど、
 どうせそこで全部終わるんだから、
 我慢して嫌なことをしなきゃならないのはNGで
 だから定職にはつかず、好き勝手なことするんだ。
 それで、もし人類が滅亡しなかったら、
 そんとき人生を考え直せばいい。
 それでも遅くないいよ」
と言って、
短期のアルバイトなんかでくいなぎながら、
面白おかしく青春を謳歌していたようです。
(今どうしているかな…)

ぼくはそこまで割り切った考え方を
できなかったのですが、
そもそも臆病なので、
世紀末には何らかのビビリを感じていました。
(何もなくてよかった)

それと同じように
今から15年前の厄年が迫っていた頃も、
何かあるぞ、嫌だ嫌だと
日夜びくびくしていたものです。
少し前の誕生日に57才になったので、
15年前は42才で大厄だったんです。

でも、今思い返してみると、
とくに何があったわけじゃなく、
ヤダやだと不安だったことが
精神衛生上よくなかっただけかな。

「1999」も「42」も、少なくともぼくには
特別な意味は何もなかったようです。

で、この『銀河ヒッチハイク・ガイド』。

この本では「42」が特別な意味がありました。
いや、ないのか。




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2020年12月22日火曜日

『この本を盗む者は』(深緑野分)読みました。


パソコンの辞書によると
ジェネレーションギャップってのは
「世代の違いから生じる、価値観の相違。
 世代間のずれ。」だそうです。

それ見たとき、なぜに「世代の違い」から
「価値観の相違」が生じるんだろうって
考えちゃいました。

もっとほかに考えなきゃいけないことは
たくさんあるのに、
たまたま引いた辞書の言葉に
突っ込まなくてもいいんじゃね、ぼく。
とは思ったんですが、
考えて出てきた答えが、
そのままにされるのもかわいそうなので、
ここに書いときます。

大した答えじゃないから余計に
どっかに残しておかないと
浮かばれない気がして。

つまりはまあ、
世代ごとに育つ環境が違うってことですね。

世の中はいつも流行りすたりがあり、
こぶしを効かせた演歌全盛期に育った世代が
ヨーヨーヨーと繰り返す
アップテンポのラップに馴染めなかったり、

働き方改革の中を生きた若者が
家庭を顧みず猪突猛進に仕事する
おじさんに違和感を感じたりと。

するとですよ、
そのなんやらギャップの要因は
ひとえに環境ですわ。

もし演歌世代の人が
ラップを聞き続けたらラッパーなるだろうし、
ゆとりの若者も高度成長期に生きていたら、
モーレツ社員になる。

で、この『この本を盗む者は』。

この物語がずしんとこなかったのは
きっとジェネギャプのせいでしょう。




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2020年12月17日木曜日

『さざなみのよる』(木皿泉)読みました。


人は、どんな時に泣くのか考えてみると、
大きく2つに分類できるような気がします。

1つは、悲しみとか苦しみとか痛みとか、
「受け入れるのがイヤだー」ってとき。

とっても大好きなあの子に振られて
別れなきゃいけないときとか、

子どもが駄々こねて「買ってー」と泣くのも、
おもちゃが手に入らない状態を
受け入れられないからでしょう。

そしてもう1つは、嬉しすぎるとき。

みんなで一生懸命
地獄の苦しみに耐えながら練習して
大会で優勝したときとか、
自分では精一杯勉強してきたと思うんだけど
やはり志望校はレベルが高かったと
腹をくくって臨んだ合格発表の掲示板に
自分の番号が記載されていたときとか。
(今はメールでのお知らせなんですかね)

その嬉しい場合は、受け入れられないはずはなく、
どうしょうもなく受け入れたいわけですよね。
まるきり反対のシチュエーションですわ。

とすると、とっても悲しくつらい状況にあり
泣くのを堪えているとき、
「元気だして大丈夫だよ」とか優しい声を掛けられて、
泣いちゃうのってどっちになるんでしょう。
優しさをどうしょうもなく
受け入れたいってことなのかな。

で、この『さざなみのよる』。

帯に「書店員が選ぶ泣ける本 第1位」
って書いてありました。
うん、確かに泣けました。
どっちの泣きなんだろう。別種かな。




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2020年12月15日火曜日

『憑神』(浅田次郎)読みました。


今日は銀行の人が来てくれる日です。
月に1回、〇日の午前中という約束になっていて、
土日なんかに重なると日程を前後に動かします。

午前中というのは当たり前ですが12時まで。
だいたいいつも11時半くらいに来ます。
もう少し遅くなるときもあるんですが、
そのときはお昼の時間にかかってしまうので、
申し訳なさそうな顔をして
「すいません」と言いながら、
振込とかの処理をしてくれます。

そんで、今は11時20分。
書き始めたのは11時10分くらいでした。
そんで、いつものように30分に
インターフォンのピンポーンが鳴るだろうから
書いていられる時間はあと10分。

まあ、銀行の用事が終わったあと、
また続ければいいんですが、
そのあとはお弁当の時間になるし、
そのときんは、別の本も読むし、
読んだらちょっとだけ(15分)お昼寝するし、
ランニング通勤で汗まみれになった服を干しているから、
それを取り込んでたたんで、リュックサックの中にしまうし、
そんなこんなをしていると
何を書こうと思っていたのか忘れちゃうんで、
できれば途切れずに書きたいとろこです。

さ、ここまで書いて11時26分。あ、27分だ。
もう来ちゃうかも。
なんて焦っていたら、やっぱり、
最初に何を書こうと思っていたのか、忘れちゃいました。

ということで、この『憑神』。

たぶん「面白かったです」と
書きたかったのだと思います。
ふー間に合っちゃいました。11時29分。




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2020年12月10日木曜日

『八百万の死にざま』(ローレンス・ブロック)読みました。


最近何回か引用している
伊坂幸太郎さんのエッセイから、
またまた引っ張ります。

小説はドキドキハラハラの
ストーリーだけじゃなく、
起伏に富んだ話の筋がなくても、
ウィットを感じさせる文体とか、
セリフ回しとか、地の文の語り口調だとか、
そういう部分で好きになるものが多い、
というような意見を書いていました。

それ読んだとき、ぼくは
「えーっ、それでもやっぱ、
 ミステリーもからんだサスペンスフルな
 エンタメストーリーがないと
 楽しめないじゃない」
と思ったもんです。

もう少し若かりしときには、
事件など何も起こらず
日常を淡々と描いた作品ばかり読んで
「ああ、素晴らしい」
とため息ついていたのに、
なぜか最近は
どっぷり娯楽のほうがよくなってきちゃった。

でも、この『八百万の死にざま』。

面白かったー。
伊坂さんの言うこと、よくわかりました。
エンタメしてないわけじゃないけど。
それ以外の部分のほうがいい。
もしかして、若かりしときに戻ってるんでしょうか。




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2020年12月8日火曜日

『宇宙(そら)へ(下)』(メアリ・ロビネット・コワル)読みました。


読む本を見つけるのに
ときどき参考にしているのが、
日経新聞の夕刊に
1週間に一度載っている書評です。

たしか「目利きが選ぶ3冊」ってタイトルで、
3人の選者がそれぞれ3冊紹介して合計9冊に、
短い文章と評価星(5つ星が満点)をつけています。

「選ぶ」ってタイトルをつけてるだけあって、
各選者がいい本だと感じた本を並べているんでしょう。
星の数が1つしかついていないものは、
今まで見たことありません。
(2つは何回かあります。選者の先生もしくは編集者が、
 この書評原稿の締め切りまでに、平均以上の点数を
 つけられる本と出会えなかったんでしょう)

逆に5つ星はいつも目にしていて、
特に時代物を専門にしている先生は、
毎回大判振る舞いで、
選んだ3冊すべて満点状態なのはいつものことです。

ファンタジー評論家という肩書きの先生は、
たいていが4つ星まで、たまに5つ星が出ると、
ぼくは迷いなく、その本を求めて本屋さんに行きます。

で、この『宇宙(そら)へ(下)』。

ぼくの記憶では、
ファンタジー先生はこの本に4つ星をつけていました。
まあ妥当な線だなと、読み終えて思った次第。




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2020年12月3日木曜日

『東海道中膝栗毛(上)』(十返舎一九)読みました。


世間がおろおろするような事態がなければ、
例年3月に、高校時代に入っていた
バドミントン部のOB・OG会が開かれます。

今年は、
その事態が直撃したので中止になってしまい、
多分来年も危ういかなと思ってます。

懐かしい顔にたくさん会えるから、
やりたいんですけど。
ま、仕方ないときは、仕方ないです。

いや、そんな愚痴を言おうと思ったんじゃなく、
書こうと思ったのは、
そのOB会でやるバドミントンのお遊び試合のこと。

一対一のシングルスはとても疲れるので、
ぼくがやれるのは二対二のダブルスだけなんですが、

それを同期の仲間同士で、
すっかりサビついている足腰や
ヒョロヒョロになっちまった腕や、
シャトルが安定して乗っかるような
お腹を笑い合いながらやるんです。

同期ってのは同じ歳ってこと。
早生まれとかあるから1つ誤差はあるけど、
やるのは3月だからたぶんみんな一緒。

もし来年できるとしたら
57歳になっているハズです。

ダブルスなので1つのコートに4人入る。
(と、ここで電卓を用意して)
57歳が4人だと、わっ! 合計で228歳だ。

この母校のちっちゃなバドミントンコートの1つに
のべ228年の歳月が、どたばたしてるんです。
百年単位の時間なんて大したことないんですね。

で、この『東海道中膝栗毛(上)』。

もともとは
1802〜1814年にかけて出された本だそうです。





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2020年12月1日火曜日

『泥棒はスプーンを数える』(ローレンス・ブロック)読みました。


12月になりました。
1年の締めくくりをしなきゃです。

世の中は騒がしいけど、
とはいえ、よく思い返してみると、
ぼく個人の生活は、いつもの年と
それほど変化があったわけではないし、
どう1年をまとめても面白くはならないので、
今年5つ星つけた本を並べて
締めくくり的なものにしておきましょう。

読んだ順に
『みみずくは黄昏に飛びたつ』(川上未映子/村上春樹)
『三体』(劉慈欣)
『おちび』(エドワード・ケアリー)
『ワン・モア・ヌーク』(藤井太洋)
『三体Ⅱ 黒暗森林(下)』(劉慈欣)
※上下巻でまとめてもよかったんですが、
 前半部分より後半のほうがグイグイきたので
 下巻にしときました。
『水晶のピラミッド』(島田荘司)

ついでに、
読んだ順につけていた番号なんかも言っとくと、
頭から「6」「10」「13」「25」「69」「82」
になります。そんでもって、
じつはもう一つ出てきたんです、嬉しいことに。

それが、この『泥棒はスプーンを数える』。

キリのいい100冊目でした。
78番目に読んだ同じローレンス・ブロックさんの
『殺し屋最後の仕事』も同じくらいよかったんだけど、
なぜか5つ星つけるの忘れちゃっていました。
今から付け替えてもいいけど、
まあ、忘れるのも記録のうちと考えときます。
今もブロックさんの他の本を読んでる途中。





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