2020年1月30日木曜日

『アステリズムに花束を』(宮澤伊織ほか)読みました。


「終わりよければすべてよし」
という言葉をここで使おうと思い、
何気なくネットで検索してみたら、

……あれれ
シェイクスピアの作品に
そのタイトルがあったんですね。

というかその戯曲の紹介記事も
書いたことあった……

いつものことながら、
わが記憶力は200歳を超えた
高齢者なみに大物です。

まあ、それはともかく、
出版物の売上に関しては、
「終わり〜」の法則は
当てはまらないように思います。

だって、
大部分の人は買った本を
最後まで読まないそうですから。
(と何かの調査結果に書いてありました)

話題になっていて面白そうだからと、
晩飯1食分くらいのおカネを出して
手に入れても、半分くらいで放り出しちゃう。

そうなると
いくら素晴らしいエンディングで
「終わりよし」の作品でも、
売上に貢献してるとはいえず、
「すべてよし」にはつながりません。

その面でいえば、
大切なのは冒頭数十ページくらいの
内容でしょうね。

本屋さんでパラパラと立ち読みする人は
それくらいの分量しか読めないはずだし、
そこで「お、これ買お」って
判断させるのだから。

で、この『アステリズムに花束を』。

短編集だから
どこから読んでもいいんだけど、
ぼくなりに考える出版物売上の法則からして、
この掲載順は正しいと思います。





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2020年1月28日火曜日

『みみずくは黄昏に飛びたつ』(川上未映子/村上春樹)読みました。


 万(10000)よりは
少ないかもしれないけれど
千(1000)も「途方もなく多い」
の意味でよく使われます。

千変万化とかね。
(この四字熟語の読み方は
「せんぺんばんか」だったんですね。
 ぼくはずっと「せんへんまんげ」
 って読んでいて、
 そう入力してもキチンと変換されないから、
 いつものように入力ソフトを
 バカにしていていて、辞書引いてみると、
 おのれがバカだったと知りました。
 ……ありゃ、またカッコ内に、
 いっぱい書いちゃった)

スポーツとか勝負の世界では、
どんなことでも千の単位までいくのは、
それこそ「途方もなく多い」らしく、
プロ野球で1000勝した投手なんて
聞いたことないし、
監督を長くやって、
ホントの名将って人だけがやっとこさ、
その数に届くらしい。

将棋の世界だとこれまで9人しか
通算1000勝した人はいないと
ウィキペディアさんも言ってます。
(囲碁だともう少しいるみたい)

で、この『みみずくは黄昏に飛びたつ』。

この読書ブログの投稿数、
1000冊を超えちゃいました。
我ながらよくやったなと思います。
誰にも何にも役に立つような代物ではありませんが。
あ、「みみずく」は1000超記念にふさわしい本でした。





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2020年1月23日木曜日

『地獄の楽しみ方 17歳の特別教室』(京極夏彦)読みました。


いつだったか忘れましたが、
フランス文学者の
内田樹さんがツイッターで、
これからの社会を生きる若い世代に向けて、
「ごめんなさい」みたいな
つぶやきをしていました。

自分たちの世代が、
こんなに生きにくい
世の中にしてしまった、と。

それ読んだとき、
「いやいやそれは、
 今に限ったことじゃなく、
 人間が言葉を使うようになって
 役割分担して暮らすようになった
 大昔から、ずっと同じだろう」
と思いました。

生きやすい天国のごとき世の中は、
あと1000桁くらい
世代が入れ替わらないと、
できはしないんじゃないか、って。

内田さんよりも
もっと前の世代の人を思い浮かべてみても、
その道では一番の栄誉だろう
ノーベル文学賞を受けた川端康成さんだって
理由はよく知りませんが
自死したようですし、
(あ、もし川端さんじゃなく、
 三島由紀夫さんがノーベル賞をとっていたら、
 2人とも自ら命を絶たなかった
 なんて話も聞いたことあります)
そんな具体例を出すまでもなく、
学校で習う歴史を見れば、
どの時代に生きていた人も
生きにくさは感じていたんじゃないかな。

で、この『地獄の楽しみ方』。

タイトルにある「地獄」って、
ぼくらがいるこの世の中のことを
指しているようです。
京極さんは他の本で、
この世は「たまに天国、いつもは地獄」と
いっていた気がします。
そしてこの本では、その地獄を
面白がってみるのも一興と勧めています。
あれ? 今回はちゃんとした書評みたいに
なってるような……。





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2020年1月21日火曜日

『ぐるぐる問答』(森見登美彦)読みました。


前回、
〈あと3冊分くらいあとで、
 『みみずくは黄昏に飛びたつ』という本の
 感想文もどきを書くと思います〉
といったので、
そこにたどり着くまで、
今回を含めあと2冊になります。

なのでついでだから、
今日もみみずく本から引いちゃいます。
(たぶん、2冊後の本番のときには
 書籍の内容には触れず、
 関係ないおちゃらけの話題になると
 予想されるため、
 フォローの意味も含めて)

そのみみずく本の中で、
川上未映子さんの質問に答えて、
村上春樹さんは、
小説をつくるときの作業手順を
紹介していまいした。

ネタになるようなとっかかりを、
頭の中で何年か寝かせて、
「よし、いける」と思ったら、
プロットも何もつくらず、
とにかく書き始める。

1日原稿用紙10枚。
とにかく書く。

文章が粗くなっても、
ストーリー展開に矛盾が出てきちゃっても、
気にせずに、とにかく最後まで、
決まった枚数を書き続ける。

そうやって出来たものを、
また最初から何度も書き直す。
そんな感じでした。
そうか、プロットつくらないのか…。

で、この『ぐるぐる問答』。

前に単行本で読んだけど、
森見登美彦さんと伊坂幸太郎さんの対談が
追加されてると知り再読。

お二人とも、村上春樹さんのように、
いきなり書き進めるみたいな話があり…。
プロットをかためてから書く作家は
少数派なんだと改めて思ったりした次第。





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2020年1月17日金曜日

『白銀の墟 玄の月(2)十二国記』(小野不由美)読みました。


あと3冊分くらいあとで、
『みみずくは黄昏に飛びたつ』
という本の感想文もどきを
書くと思います。

作家の川上未映子さんが、
もはや世界的文豪になった村上春樹さんに
インタビューして、
作品についてとか文章についてとか、
根掘り葉掘りほじくり出した本。

(書いてて思ったんですが
 「根掘り葉掘り」の「葉掘り」とは
 なんのことでしょう。
 「根」を掘るのはわかるけど、
 「葉」?って思ってネットにいくと、
 たくさんの人が同じ疑問を持っているようで、
 瞬時に見つけられました。
 結論をいうと、
 特に意味はなく
 単に調子よく言うための
 語呂合わせなんだとか。
 ありゃ、カッコ書きの中で、
 こんなに文字を埋めちゃいました。
 内容が薄くなるわけだ)

そのみみずく本の中で、川上さんが
「春樹さんの文章は、
 どんどんどんどん読みやすくなっている」
という感じで指摘するところがあります。

答えて村上さんは
「そこを目指して
 長いことやってきたんですから」と言う。

ぼくがそこで思った読みやすさって、
小難しい漢字などは一切使わず、一文も短く、
これ小学生向け?
と思えるようなものでした。

で、この『白銀の墟 玄の月(2)十二国記』。

漢字たくさん、難しい言葉てんこ盛り
……なんですが、
どうしてこんなに読みやすいんでしょう。





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2020年1月15日水曜日

『ナポレオン(3)転落篇』(佐藤賢一)読みました。


読書っていうのは、
当たり前だけど文字を
目で追うことです。

文字を目で追って、
文字の連なりが表している言葉を
コリコリと頭の中で分析していって、
文章として理解して、
ガハハと笑ったり、
ウウウッと泣いたりする。

本を途轍もなく早く読める人は、
いちいち脳みその中で
朗読なんかしないで、
印刷されている文字だけを見て
瞬時にそういった一連の作業ができると、
どっかで聞きましたが、
ぼくはそこまでの達人じゃないので、
たいていは文字を
目ん玉でひょいひょい追いながら
脳内音読しています。

あ、
今ちょっと見栄を張っちゃいました。

読書中のぼくの目ん玉は
「ひょいひょい」とは動きません。

読むスピードは早くはないので
「のろのろ」もしくは「へろへろ」です。
これは、毎日やっているランニング通勤の
足の運びと一緒です。

でもでも、
本当のたまに、
脳内朗読じゃなく、
読書の達人技みたいに、
ページをさらうだけで、
ちゃんと内容が理解できちゃうこともあるんです。
年に数回あるかないかだけど。

で、この『ナポレオン(3)転落篇』。

気がついたら達人技で
読んでいた箇所がありました。
それって、
文章が読みやすいってことなのかしら。





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2020年1月9日木曜日

『孤狼の血』(柚月裕子)読みました。


去年の読書リストを開いて
そこに加えるのが面倒だったのと、

2020年の読了本数を
見かけ上だけでも増やしたかったから、

という
ずぼら&姑息な了見のダブルの理由で、

この本、
2020年の最初に読んだ本に
しちゃいました。

正直に言うと2019年12月の30日か、
もしくは大晦日に読み終わったんです、
たぶん。
(これを書いているのが
 年末年始の休み明けなので
 よく覚えてないんです)

去年(2019)は1年間のトータルで
100冊までとどかず、
しかし今年は、世の中、
世界規模の大運動会で賑やかになるようなので、
やっぱり3桁しておいたほうが、
社会的潮流に沿うかなと。
そうはいっても、
1冊ぐらいズルして多くカウントしても、
大勢には影響ない気もします。

だって、去年は93冊で、
その前は90冊もいかなかったし。
あれ……よくみると徐々に増えてるじゃん。
もしやいけるかな。

で、この『孤狼の血』。

解説には金字塔とかとベタ褒めでした。
うん、そんなふうに感じる人も
いるでしょうね。
ぼくはとりあえず、目指せ100冊。





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2020年1月7日火曜日

『交通誘導員ヨレヨレ日記』(柏耕一)読みました。


前に読んだ
『へろへろ』(鹿子裕文)を
引き合いに出し、
ここに書こうと思いました。

5W1Hの法則に従い
「When」を記すため、
まずはいつ読んだのか
確かめようと思い、
ずっとつけているエクセルの
読書リストで検索をかけたんです。

検索窓に「へろへろ」と
打ち込んでリターンキーをペコッ。

すると即座に
「検察条件に一致するデータは
 見つかりません」
のダイアログが表示されました。

あれれ?
たしか今年の春頃だったんだけど、
去年だったかな。

あの本は単行本で読んで気に入って、
最近文庫になったから
買い直したやつなので、
そんなに昔ではないはず。

3年ほど前の初版のと今年のとで、
年を分けたシートに2冊、
リストされているんだけど…。

首をかしげながら、検索するシートを
去年の分に切り替えて
同じ作業を試しても、結果はやはり
「データは見つかりません」。

仕方なく
その前年の2017年シートでやるも、撃沈。
2016年も2015年も2014年も同じでした。

いやいや、そんなハズはない。
もしかしたらタイトルを間違えて
入力しているのかなと、
今度は著者名で検索してみると、
ありましたありました。

そこにはやっぱり
『へろへろ』じゃなく『へrへろ』と
打ち間違いの文字が並んでいました。

で、この『交通誘導員ヨレヨレ日記』。

『へろへろ』を引き合いに出して
もっと違うこと書こうと思っていたのに、
検索作業のアタフタで忘れちゃいました。
思い出したら、別の機会に書きます。





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