2014年11月4日火曜日

『深夜特急〈4〉シルクロード』(沢木耕太郎)読みました。

もう20年近く前に、
外国で暮らしたことがある友だちから聞いた話です。
海外生活で、禁断症状的に求めてしまうもののこと。

何のことかって言うと、日本語の「活字」。

当時は携帯もインターネットもないから、
文章を読みたかったら印刷物に頼るしかない。
でも、
海外で日本語の文章が印刷されているものを
手に入れようと思っても、
日本にいるときのように簡単にはいかない。

だから、
滞在先でたまたま出会った日本人旅行者が
母国語の本を持っていると、
それに飛びつくように群がっちゃう。

相手の旅行者も同じように
日本語禁断症状になってるから、
互いが持っている本
(何度も読み返してすり切れた感じのヤツでも)
を交換して、両者安堵のため息をつく。
との、経験談でした。

とはいえ今は、
スマホなんて便利グッズがあるから、
そんな経験、誰もしなくなってるんだろうな。

で、この『深夜特急4 シルクロード』。

まさに、この友だちと同じ話が出てきました。
世界を旅していた40年前ほど前の若者たちが、
どこかの異国で日本語の本を交換し合っていた話。

今は電子書籍でかさばらずに何十冊も持ち運べるから、
禁断症状も起こらないと思いますけどね。
……うーん、紙の本って、いいっすね。


深夜特急〈4〉シルクロード (新潮文庫)
沢木 耕太郎
新潮社
売り上げランキング: 12,460



**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************