2013年9月30日月曜日

『わたしたちが孤児だったころ』(カズオ・イシグロ)読みました。

体調がベストな状態のときには、
身体のどの部分も意識することなく、
空気に溶け込んじゃってるみたいな、
まったく「無」って感じだと思いませんか。

そんで、調子が悪くなったときに初めて、
身体のその部分を意識するようになる。

足が痛くなったとき、お腹がごろごろしたとき、
目がしょぼしょぼしたとき、
そんときになってあらためて、
「足」「お腹」「目」の存在に気づく。

ぼくの場合、本を読んでいても、
これに似た感覚があります。

すっごくはまった作品のときには、
文体も構成もキャラクターも、
細かな部分は、なんにも考えずに
「わー面白い!」ってだけ思ってる。

自分が「無」になって、
本の中に溶け込んじゃってる感じですかね。

で、この『わたしたちが孤児だったころ』。

面白かったんです。
ですけど、ところどころで「細かな部分」を
意識しちゃいました。
まあ、意識できたからこそ、
面白かったともいえるんですけどね。


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