2013年9月11日水曜日

『充たされざる者』(カズオ・イシグロ)読みました。


ぼくは会社までの片道約5キロを
ランニングで通っています。
走り始めてから、かれこれ約2年半。
それでも、いまだにへろへろでつらいんです。

しかも走り始めの一歩目からキツイ。
走り出しは楽ちんで徐々につらくなっていくのなら、
わからないでもないんですが、ぼくの場合はそうじゃない。

ひょっとすると約30分の道のりの中で、
一番キツイのが最初の10分かもしれません。
もちろん、残りの20分もキツイことに変わりはないけれど、
その頃にはもうどうでもよくなってるみたいです。

というか、
身体の発しているキツイって情報が、
脳みそに伝わりにくくなってる感じです。
情報の通るパイプが、だんだん細くなって、
キツイって気持ちを
受け入れないようにしてるのかもしれません。

そうなると、
逆に、気持ちよくなるというか、
冷静になれるというか、無になれるというか。

で、この『充たされざる者』。

長いです。
普通の本ならゆうに3冊分くらいの分量。
だから、読む前は、キツイかなって思ったんです。
ところがどっこい、そのキツさが、気持ちいいというか、
冷静になれるというか、無になれるというか。
ランニング通勤の残り20分の感覚で読み続けちゃいました。


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カズオ イシグロ
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