2017年4月17日月曜日

『騎士団長殺し 第1部』(村上春樹)読みました。


山田風太郎さんの『魔界転生』は、
たしか上巻の3分の2まで、
物語の鍵になる
忍法についての記述で占められていて、

ページをめくりながら
「いったい主人公は、
 いつになったら活躍するの?」
って思ってました。
(読んでから2年以上もたつので
 記憶はあいまいなんですけどね)

その忍法は、
死んでも復活しちゃうというか
死なないといか、
そんな掟破りの究極コースで、

その術を完成させる工程には、
お得意のエロ的要素が
ふんだんに絡んでいます。

なので、最初にいった
〈主人公はどうなのよ?〉
の疑問はあるものの、
読んでて楽しいんです。

「おいおい、そんなお下劣な、
 とんでもないこと、
 どんな頭の構造してたら、
 思いつくんだよ。
 その脳みその仕組み、
 ぼくにも少し分けてほしい!」

って羨望と尊敬とニヤニヤが
まぜこぜになりながら、
読み進めていったように覚えています。

最初から主人公がきちんと登場して、
キャラの背景なんかが説明されて、
次に戦う相手方の描写があってとか、
そんな普通に流れる
ストーリーの構成は無視されても、
許されちゃう楽しさがありました。

で、この『騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編』。

あれれ?
ここまで引っ張ってからの登場なんですか?
と『魔界転生』を読んだときみたいな
ひっかかりがありました。

山田さんのときは「それも、ご愛敬」と、
ニヤニヤしながらうなずいていたんですが、
今回はノドに小骨が刺さったような
感じが残っています。

第2部読めば、
違和感なくなるかな……。




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