小学校の書道の時間。
何の文字を書いたのか忘れたんですが、
自分で書いたものとお手本とを見比べて、
「ちょっとハネが足りないな」と感じ、
太い筆から細筆に持ち替えて、
鋭角のぴゅっと上にあがる部分を、
ちょこちょこっと、書き足しました。
「うん、これでよし!」
と思ったら、
今度は、
一筆目の書き出し部分が、
見本では右下がりでカッコイイのに、
ぼくのは、
丸まっちくずんぐりしており、
「これじゃ、ドラえもんみたいだ」
と感じたので、
さっきから握っている細筆で
丸部分を鋭角に修正したんです。
墨が重なるトコの濃淡にも気をつけて、
後から修正したようには見えないように、
微妙なグラデーションもつけたんです。
「よっしゃ!」と顔を上げると、
目の前に先生が立っていました。
そして苦笑いしながら、
「ちょうちん屋はダメです!」
って言われました。
修正したり書き足したりすることを
そう言うんですね。
そんなの知らないよ、小学生だもの。
でも、
それを家に持って帰ったら、
親から「うまいな」と言われたんだけど。
で、この『アヒルと鴨のコインロッカー』。
かなりのちょうちん屋的補正作業をしないと、
ここまでのモノはできないだろうな。
すごいっす。
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