もう何十年もの昔になる、
高校卒業を記念してクラスで行った卒業旅行。
おっきな貸別荘に大勢で詰めかけ、
どんちゃん騒ぎをしたってことは
おぼろげな記憶にあります。
そのとき男女ペアになって
夜道の先にあるチェックポイントまで
行って戻ってくるという肝だめしゲームを
やったらしいんです。
ぼくは、そんなのまったく忘れていたんですが、
数年前に同窓会にきていた女子から、
あのときにペアになったでしょと言われ、
どうあがいてもその情景が心に浮かんでこないので、
素直に「頭が悪くてごめんなさい」と謝りました。
人並みの記憶力を持っていないことは、
とうの昔から自覚しているので、
それはとくに驚くことではありません。
びっくりしたのは、その後再びあった同窓会で、
かの女子が教えてくれた肝だめし話の続編でした。
彼女が昔のクラス仲間と、
卒業旅行の思い出を語っていたら、別の女子が
「私、肝だめしゲームで、きくち君(ぼく)とペアだった」
と言ったそうなんです。
レクリエーションメニューはほかにもたくさんあり、
肝だめしは1度だけだったはずなのに、
どうしてぼくは2人も相手がいたのでしょう。
どっちも脳内情報には保存されていないんですけどね。
で、この『グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船』。
パラレルワールドのお話でした。
肝だめしもパラレル世界の現象なのかな。
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