2016年4月1日金曜日

『フィッシュストーリー』(伊坂幸太郎)読みした。


あのサイコロ型の立体パズル
「ルービックキューブ」が
最初に流行ったのは、
ぼくが高校生のときでした。

初めて見る不思議な形。
色を合わせろと言われ
グルグル回して、
正面だけは揃っても
ほかの5面は全部バラバラ。

授業そっちのけで
机の下に隠してグリグリやるけど、
とても歯が立たない。

いけずな友だちに
「先生ぇー、きくち君がマスかいまーす」
なんてチクられる。

みんながみんな悪戦苦闘して、
結局、誰かに手順を教えられ、
その通りに動かすことでしか
揃えられなかったヤツです。

頭で考えて
全面揃えの法則を
解き明かすなんてことは、
絶対無理っ!
って思ってました。

それが!
数式を書きながら、
揃えちゃった人がいるんです。

ぼくらの数学の先生!

休み時間に
生徒が遊んでいるのを見つけ
「面白そうですね、
 少し貸してくださいね」
と暗殺教室の殺せんせーみたいな口調で
職員室に持ち去ると、

次の休み時間に
「こうやるんですね」
とバラバラだった色を
きれいに揃えて持ってきた。

そのとき口にした
数学的な理論は
誰も理解できませんでした。

で、この『フィッシュストーリー』。

ほとんどの作家さんが
「数学の理論を知らずにキューブを揃える」
ような作品づくりをしているとしましょう。
(ね、そうしましょうよ)

でも、伊坂さんだけは、
その謎解き理論を利用して
作品をつくっているんだなと思います。
ずるいな。
……面白すぎ!


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伊坂 幸太郎
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