2016年12月12日月曜日

『死神の精度』(伊坂幸太郎)読みました。


子どもの頃、
親に連れられて
どこかで外食する機会があると、

決まって
「オムライス!」
と言っていた時期がありました。

日本そばの店には、
そんな料理はないと
言い聞かされても、
とりあえず言う。

行く店が特殊だったのか、
ぼくの記憶が
ねじ曲がってしまったのか、

「うちはオムライスは
 やってないんですよ」

と言われた覚えがないんです。

どこの店でも、
あの黄色と赤の、
子どもの視覚には
たまらない刺激を与えてくれる、
こんもりお山の
ほかほかメニューが
出てきたような気がしてます。

んで、その頃は、
どこの店で食べても美味しかった。

美味しくないオムライスが
存在することなんて、
考えもしなかったんです。

でもまあ、
中にはあるんですね、
お子様のお口に合わない
オムライスを出している店が。

どこの店だかは、
まるっきり覚えてないんですけれど、
普段は行き慣れない、
少し高級なトコだったと思います。

味も覚えてないんですが、
とにかく
「うげっ、違う! まずーっ!」
って吐き出しちゃったことだけ、
記憶に残っています。

そのとき知りました。
いつも美味しいオムライスでも、
不味いときはある。

どんなに上手な人でも、
失敗することはあるって
人生訓を。

で、この『死神の精度』。

思わずにやけました。
ほほー、
いつも「うまい!」とうなってしまう
伊坂作品にも、
それほどじゃないと
思えるものがあるんだなって。






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