2015年11月24日火曜日

『ヒトでなし 金剛界の章』(京極夏彦)読みました。

テレビのCMで
夫婦がキャッチボールしながら
会話する場面があったのを覚えています。

奥さんが
「夕飯は何がいい? 何でもいいはなしよ!」
と言いながらボールを投げるとこ。

ぼくは食事のメニューを聞かれても、
いつも「何でもいい」と言ってしまうので、
テレビから「それダメ」
と言われギクっとしたのでした。

さて、この「何でもいい」。

ぼくとしては、
それなりの覚悟をもって
発言しているつもりです。

「何でもいい」と言ったからには、
出てきたモノには一切文句をつけない。

好き嫌いはそんなにないんですけれど、
ちょっと苦手だなと思うモノでも、
嫌な顔しないで食べる。

辛いモノは嫌いではないけれど、
食べるとシャワーを浴びたときみたいに、
頭からジャバジャバと
汗がしたたり落ちてくるので、
「難儀だな」とは思うけど、
それでも「何でもいい」と言ったからには、
タオルを片手にちゃんと食べる。

まぁ、それでもカミさんは、
ぼくのそんな体質を知っているので、
それなりの美味しいメニューを
つくってくれるんですけどね。

だからそれに甘えて
「何でもいい」なんて
ほざいてるんですけどね。

なんかモノ凄いゲテモノ料理が出てきたら、
きっと「何でもいい」と言ったときの覚悟は、
どっかに吹っ飛んでると思います。

で、この『ヒトでなし』。

胸ぐらをつかまれて、
「お前は本当に、何でもいいのか!」
と思い切り揺さぶられた気がしました。
(本では「何でもいい」じゃなく
 「どうでもいい」という表現だったけど)

コレ、たくさんある京極本の中で、
ぼくの大好きランキングベスト3に
入る作品でした。



ヒトでなし 金剛界の章
ヒトでなし 金剛界の章
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京極 夏彦
新潮社
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