2014年4月4日金曜日

『ふりだしに戻る〈上〉』(ジャック・フィニイ)読みました。

書かれている部分と書かれていない部分の
バランスの善し悪しが、
その本を大好きになるか、それほどでもないかを
分ける理由になることがあります。

例えば、京極夏彦さんの巷説百物語シリーズ。
あれによくあるパターンは、
「えっえっ、この後どうなるの?」っていう
クライマックス場面を生放送的な描写にしないで、
済んでしまった過去のこととして
登場人物のセリフで表現したりしてます。

それだとライブなら書かなきゃいけないことも、
省略できたりする。
ぼくにはその書かなさ加減がしっくりなじむんです。

その反対に、
「ここまで細かく書いてくれてたのに、
 なんでそこを書かないの?」って作品もあります。
行間を読んで欲しい場所はほかにしてよって。

で、この『ふりだしに戻る(上)』。

下巻に続いているので、まだ判断しちゃいけないけど、
とりあえず上巻までの感じでは、
書いてあることと書かれていないことのバランスが、
ぼくの好みには合いませんでした。
面白さ5つ星だったスティーブン・キングさんの
『11/22/63』のあとがきで、
参考図書みたいに紹介されていたので読んでみたんですが、
キングさんの面白さにはまだ届いてません。
下巻で届くのかな。


ふりだしに戻る〈上〉 (角川文庫)
ジャック・フィニイ 福島 正実
角川書店
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