2014年7月11日金曜日

『クラスメイツ〈後期〉』(森絵都)読みました。

三十数年前の中学三年生の教室。
文化祭の出し物を決めるホームルームです。

最終的には、みんなで何をやるか決めるのだけれど、
「とりあえず俺は、お芝居を提案する」
と最初に担任の先生が発言しました。

そのあと先生は、
おもむろになんかのファイルを取り出し、
印をつけていた用紙のところを開くと
「例えばこんな話がいいと思う」と言って、
それを読み始めました。

「タイトルは〈ぼくはロボット〉だ」

……えっ!? それってもしかして
……先生の声を聞くうち、
ぼくは机の落書きを見つめたまま、
じっとうなだれて身動きできなくなりました。
顔が火照ってきます。

先生が読んだのは、
ぼくが卒業文集の原稿で書いた
ショートショートのお話だったんです。
その頃よく読んでいた星新一さんの
真似をしてつくったストーリー。

先生はたぶん、
物語の善し悪しより生徒がつくった
オリジナルの話で芝居がしたかった。
それを他の先生たちに自慢したかった
のだと思います。

そのネタにされたのがぼく。
事前に何も知らされず、いきなりみんなの前で、
自分の作品を読まれたときのどきまぎ感は、
宿題忘れたことを指摘されるよりも
レベルは数段上でした。
ちょっとは誇らしいとか嬉しいとか
そんな気持ちも入っていたんですけどね。

でも結局、文化祭の出し物は、
無難にやれる流行歌の合唱とかになっちゃったんですが…。

で、この『クラスメイツ<後期>』

中学生の頃を思い出したい人には、
ぴったりの本です。


クラスメイツ 〈後期〉
クラスメイツ 〈後期〉
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森 絵都
偕成社
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