2014年7月18日金曜日

『藍のエチュード』(里見蘭)読みました。

昔、友だちのアパートに遊びに行ったとき、
部屋にフォークギターがあるのを見つけました。

そこで「何か心にしみる歌、弾き語りしてよ」
と頼んでみると、彼はしばらく考えて
『はじめ人間ギャートルズ』のエンディング
『やつらの足音のバラード』を歌い出したんです。

そんとき、ぼくは、「なぁ〜んにもない♪」って
最初のフレーズを聴いただけで、

「なんだよ!
 そんな、おちゃらけアニメのヤツじゃなくて、
 もっとマジなヤツにしてよ」

と言っちゃいました。すると彼は、

「何言ってんの!? 名曲だよこれ!
 宇宙の創成期から人類の誕生まで、
 悠久の時の流れが詰め込まれた歌なんだから」

と真顔で反論し、はじめから歌い直したんです。
仕方なくぼくも姿勢を正して聴いてみると、
「ほー!確かに、こりゃイイ歌だ!」
と感じ、いつの間にか全身に鳥肌が立っていました。

そうなんです。
子ども向けアニメの主題歌には、
ときどきタダもんじゃない歌詞が潜んでいたりします。
『やつらの〜』のほかにも、

「どう生きるのが幸せなのか、
 わからないまま終わりたくない」

と歌う『アンパンマンのマーチ』も、そうですね。

で、この『藍のエチュード』。

アンパンマンの主題歌が
効果的に引用されている部分で、
泣いちゃいました。


藍のエチュード
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