昔、友だちのアパートに遊びに行ったとき、
部屋にフォークギターがあるのを見つけました。
そこで「何か心にしみる歌、弾き語りしてよ」
と頼んでみると、彼はしばらく考えて
『はじめ人間ギャートルズ』のエンディング
『やつらの足音のバラード』を歌い出したんです。
そんとき、ぼくは、「なぁ〜んにもない♪」って
最初のフレーズを聴いただけで、
「なんだよ!
そんな、おちゃらけアニメのヤツじゃなくて、
もっとマジなヤツにしてよ」
と言っちゃいました。すると彼は、
「何言ってんの!? 名曲だよこれ!
宇宙の創成期から人類の誕生まで、
悠久の時の流れが詰め込まれた歌なんだから」
と真顔で反論し、はじめから歌い直したんです。
仕方なくぼくも姿勢を正して聴いてみると、
「ほー!確かに、こりゃイイ歌だ!」
と感じ、いつの間にか全身に鳥肌が立っていました。
そうなんです。
子ども向けアニメの主題歌には、
ときどきタダもんじゃない歌詞が潜んでいたりします。
『やつらの〜』のほかにも、
「どう生きるのが幸せなのか、
わからないまま終わりたくない」
と歌う『アンパンマンのマーチ』も、そうですね。
で、この『藍のエチュード』。
アンパンマンの主題歌が
効果的に引用されている部分で、
泣いちゃいました。
**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら。
**********************