2014年7月22日火曜日

『親鸞(下)』(五木寛之)読みました。

とある売れっ子作家さんが
インタビュー記事の中で、
こんなことを言っていました。

──小説家としてかなり経験を積んできた。
だから、依頼された長さに合わせて、
規定の文字数にすることが、
わりとスムーズにできるようになった──

この記事を読んで、
それまで感じていた違和感がどこからくるのか、
その理由がわかった気がしたんです。

ぼくがその人の作品を読んで感じていたのは、
しっくりくる部分と、なんか合わないという部分が
ランダムにでこぼこ出現していたこと。

それが、このインタビューのコメントから、
「しっくり」
 → 文字数を気にせず物語に集中して書き込んだ部分
「なんか合わない」
 → 依頼の長さを気にして、引き伸ばした部分
なんだろうなと思い至りました。

一冊にまとまられる前に雑誌で連載され、
その細切れの一回ごとに、
引き伸ばし作業があったのだと勝手に想像。
そういう部分って、
「コレ!」とはっきり指摘するのは難しいんだけど、
わかっちゃうんですよね。
においというか、雰囲気というかで。

で、この『親鸞(下)』。

上下巻あるうちの「下」。
上巻はジャストミートの「しっくり」でした。
でもこの下巻はあいにく「なんか合わない」でした。


親鸞(下) (講談社文庫)
親鸞(下) (講談社文庫)
posted with amazlet at 14.07.22
五木 寛之
講談社 (2011-10-14)
売り上げランキング: 60,210


**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************