2023年3月2日木曜日

『浄土』(町田康)読みました。


小説や物語の中に
寓意ってあったほうがいいのかな、
ないほうがいいのかな、
なんてことを最近つらつら考えます。

あっ、ちなみに「寓意小説」ってのが
パソコン辞書に項目立てしてあったので
そのままコピペすると

「教訓・批判などを
 出来事にかこつけて暗示した小説」

だそうです。

正直じいさんが灰をまけば、
枯れ木でも花は咲くけど、
意地悪じいさんだと
殿様を灰だらけにして罰を受ける。

その話なら欲深、性悪はダメだよって
教訓になってて、ふむふむと思う。
うん、寓意。寓意。

でも
桃太郎が鬼退治しても、
戦さのドキドキハラハラはあるかもしれないけど、
「教訓・批判」をふむふむするほどじゃない気がする。

とはいえ、
みんなが恐れて、
今まで誰も盾つかなかったような
悪者をやっつけるのは、
お話としては面白くて、
そんなとこがあるから
長いこと語り継がれてるんだと思える。

前に読んだスティーヴン・キングさんの
小説のつくり方本では、
何かのメッセージを伝えようとして
お話をこしらえるんじゃなく、
流れるまま思いつくままストーリーを書いていけば、
いつの間にか寓意みたいなのが
生まれてくるっていってたな、確か。

で、この『浄土』。

シュールな内容の短編がいつくかのってます。
仕事ができずダメダメな男の
尻拭いばかりさせられているOLさんが、
自分の指先から出てきた得体の知れない黒い液体を乾かし、
海苔だと嘘ついてダメ男に食べさせると、
彼の首がぐるぐる回ってちょん切れちゃう、みたいな。

この本、全編に寓意があるような気がするんですけど、
ぼくの頭ではそこまで読み解けませんでした。




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