2021年3月2日火曜日

『殺し屋ケラーの帰郷』(ローレンス・ブロック)読みました。


いつものように会社に行ったら入り口に
「当社は本日付けで事業を閉鎖しました」
と張り紙があって、

「なんだよそれ」とうろたえていたら、
後からナンバー2の取締役も出社してきたから
事情を聞いたけど、
そのお偉いさんも寝耳に水だったようで、結局、
社長一人が誰にも言わずに仕組んだ計画倒産だった
──って話を聞いたことがあります。

実はその会社、
ぼくも一時期在籍していたトコなんです。

あとからわかったらしいんですが、
その社長、Xデー前の1週間くらいで、
まだ納品が済んでいない
(もちろん代金の支払いもまだの)
お客さんの所をあちこち回って、
「今払ってくれれば半額にする」などと言い、
お金を掻き集めドロンしちゃったらしい。

いきなり会社がなくなっちゃった
昔の同僚からその話を聞いたとき、
ぼくはドロン社長が言っていた言葉を
思い出しました。

「俺はワルになりきれないんだよ。
 なりきれりゃ、もっとなあ……。
 でもまあ、これぐらいがちょうどいいか」

で、この『殺し屋ケラーの帰郷』。

題名の通り殺し屋が主人公。
殺すんだから、当然ワルなんですけれど、
ちょうどいい感じです。




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