2016年1月29日金曜日

『鬼平犯科帳(21)』(池波正太郎)読みました。



確か中学生のときだと思います。
友だちがケガをしたか、
何かの病気になったかで
入院したことがありました。

そこで、
数人の仲間とお見舞いに行ったんです。

それまで病院へのお見舞いなど
したこともないから、
みんなおどおどと緊張した様子。

でも、一人だけいつもと変わらず、
くだらない冗談を飛ばしながら、
おちゃらけているヤツがいたんです。

みんなが病気の友だちに
「大丈夫か」「早く元気になれよ」
みたいな、
いわばノーマルな励ましの言葉を、
借りてきた猫のような
こわばった表情でやっと口にしているのに、

ヤツだけは、
学校の休み時間と勘違いしているかのように、
大声を上げて笑いながら、

誰それが授業中におならをしただの、
アイツがコクって振られただの、
ソイツが悪さして
先生にゲンコツくらっただの
とまくし立てていました。

するとどうでしょう。
そのおちゃらけ坊主が話すごとに、
入院君の顔色がどんどんよくなり、
もう明日にでも退院できそうな
面持ちに変わっていったんです。

ぼくはそのとき、
人生に大切なのは
「おちゃらけ」で人を笑わすことだ
と知りました。

で、この『鬼平犯科帳21』。

この巻は、
思わずニヤニヤなお話がたくさんありまっせ。



鬼平犯科帳〈21〉 (文春文庫)
池波 正太郎
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