2016年1月22日金曜日

『あと千回の晩飯』(山田風太郎)読みました。



著者が自分のことを語るエッセイを
読んでいるとき、
かなりの頻度で頭をよぎるのが、
「ホントは違うんだろうな」
って印象です。

そこまで露骨に
「それはウソだよ」と思わなくても、

「実際にあったことの表面
 もくしは良い面だけ、お披露目してる」とか、
「いろんなこと気にして、相当つくってる」
とかは、ある。

面白くするために、
話を盛るのはいいんです。

読者に楽しんでもらいたい
っていうサービス精神から
来ているのだろうから。

盛っちゃう話ってたいていは、
自虐的な面白話だし。

でも、そうじゃなくて、
自己保身とか格好つけたいとかが、
におってくるのは、やっぱ引く。

よくよく思い出してみれば、
国会の答弁なんかは、
みんなそんなにおいがするから
真剣に見ないんだろうな。

でも思い出してみれば、
そんな自己保身とか格好つけ臭
(以下、自己つけ臭)
が感じられなかったのが、
劇場型とかいわれた
小泉純一郎さんだったように思えます。

で、この『あと千回の晩飯』。

山田風太郎さんが
自分のことを語るエッセイ集。
自己つけ臭はゼロ、
自虐話の面白盛っちゃう度8割。
超然としてます、風太郎さん。



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山田 風太郎
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