2015年3月23日月曜日

『火天の城』(山本兼一)読みました。

人柄とか性格とかって、
同じ人でもころころ変わるのが
ノーマルなんだと思います。

自分より弱い立場の人の前では
やたら強気の言動をしていても、
格上の人と一緒にいると
おべっか連打になるスネ夫のような人。

いつもみんなをひっぱるリーダーで
外では天下国家を論じて
リスペクトの的になっている人でも、
家に帰ると
奥さんに足蹴にされて泣き寝入りする人。

そんなふうにシチュエーションごとに
性格が変わるのをひっくるめて、
一つのキャラクターといえるんでしょうね。
キャラクターの型っていうのかな。

で、もう一つ言っちゃうと、
この型自体も、
ころころと変わるのが
実際の人なんだと思います。

でもね。
実際の人とは違って、物語の登場人物は、
キャラの型が変わらない
というお約束みたいなものがある。

キャラの型が変わるときは、
なにか特別なイベントがあって、
それに触発されてから変わる。

なんにもなしに、
「あれ? この人こんな人だったけ?」
となっちゃうと、お話がわけわからなくなる。
これをぼくは「キャラぶれ」って呼んでいます。

で、この『火天の城』。

面白かったです。
ただ、ちらちらと「キャラぶれ」感じちゃいました。
(面白かったからこそ、あえて……
 という、あまのじゃく的感想にしました)




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