2013年3月27日水曜日

『王の逃亡 小説フランス革命7』(佐藤賢一)読みました。


音楽についてはあまり詳しくないんですが、
曲をつくるときの「編曲」って工程が、
かなり重要だって話は聞いたことがあります。

核になるメロディーとか歌詞なんかも、
もちろん大切なんでしょうが、
この編曲によって、
まったく印象の違う作品に仕上がっちゃうとか。

昔聞いたゆったりしみじみのフォークソングが、
編曲の妙で、よー、よー、なんて合いの手が入る
ラップになっちゃったりする。
ビートルズが演歌になって、
「あッ、せんすいかん」とコブシをきかされたりする。

素材をどう料理するかってことなんでしょうね。
料理の仕方によって、美味しいものはより美味しく、
まずいものも美味しくなる。
逆のパターンもあるでしょうが。

で、この『王の逃亡 小説フランス革命7』。

音楽でいえば、編曲の妙。
読んでる最中、にんまり顔がずーっと続く
美味しい喜劇に仕上がってました。
料理の仕方が上手なんでしょうね。
だって内容はタイトルの通り「王の逃亡」なんですから。
ふつう王の逃亡なんていわれたら、
「あちゃぁ、重そうだな」って思うでしょ。
でも、読んでみれば、にんまりで、
ときどき「ぷっ」と吹き出す。
楽しいっす、この本。


王の逃亡 小説フランス革命 7 (小説フランス革命) (集英社文庫)
佐藤 賢一
集英社 (2012-03-16)
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