2013年3月15日金曜日

『シスマの危機 小説フランス革命6』(佐藤賢一)読みました。


物語といえば、おちゃらけ漫画とか
ヒーロー戦隊モノとかにしか
触れていなかった小学生時代。
そんなぼくの中には「主人公不死身神話」が、
でんと腰を据えていました。

物語の主役級の登場人物は、絶対に死なない。
死んだと見せかけても、
とんでもマジックを使って、生き返る。
だってそれじゃなきゃ、物語じゃないもん、
って考えてました。
事故が起こるわけないじゃん、
っていう安全神話みたいなもんです。
死ぬわけないじゃん。

だから、びっくりしたんです。
映画の『ポセイドンアドベンチャー』を観たとき。

小学校6年か中学1年くらいのときだったと思います。
自分の危険も顧みず、
遭難したみんなを助けるヒーローが死んじゃう。
えっ、うそでしょ? それ、ありなの?
うわーっ、この映画すごい!
今までの価値観が崩壊だぁ!!
(当時のぼくは「価値観」や「崩壊」なんて
 難しい言葉は知りませんでした。
 やっとそんな言葉を使える大人になりました)

で、この『シスマの危機 小説フランス革命6』。

主役級の人が死んじゃう(←ネタバレかもしれませんが、
史実に基づいたストーリーで、5巻まで読んだ人なら、
その後の出来事年表も掲載されているので、平気でしょ)
のは、知ってました。

でも、でも、すごい。
ポセイドンアドベンチャーみたいな「わーっ、なにそれ!」を
ひさびさに味わえた本です。

シスマの危機 小説フランス革命 6 (小説フランス革命) (集英社文庫)
佐藤 賢一
集英社 (2012-02-17)
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