物語といえば、おちゃらけ漫画とか
ヒーロー戦隊モノとかにしか
触れていなかった小学生時代。
そんなぼくの中には「主人公不死身神話」が、
でんと腰を据えていました。
物語の主役級の登場人物は、絶対に死なない。
死んだと見せかけても、
とんでもマジックを使って、生き返る。
だってそれじゃなきゃ、物語じゃないもん、
って考えてました。
事故が起こるわけないじゃん、
っていう安全神話みたいなもんです。
死ぬわけないじゃん。
だから、びっくりしたんです。
映画の『ポセイドンアドベンチャー』を観たとき。
小学校6年か中学1年くらいのときだったと思います。
自分の危険も顧みず、
遭難したみんなを助けるヒーローが死んじゃう。
えっ、うそでしょ? それ、ありなの?
うわーっ、この映画すごい!
今までの価値観が崩壊だぁ!!
(当時のぼくは「価値観」や「崩壊」なんて
難しい言葉は知りませんでした。
やっとそんな言葉を使える大人になりました)
で、この『シスマの危機 小説フランス革命6』。
主役級の人が死んじゃう(←ネタバレかもしれませんが、
史実に基づいたストーリーで、5巻まで読んだ人なら、
その後の出来事年表も掲載されているので、平気でしょ)
のは、知ってました。
でも、でも、すごい。
ポセイドンアドベンチャーみたいな「わーっ、なにそれ!」を
ひさびさに味わえた本です。
シスマの危機 小説フランス革命 6 (小説フランス革命) (集英社文庫)
posted with amazlet at 13.03.15
佐藤 賢一
集英社 (2012-02-17)
売り上げランキング: 61,077
集英社 (2012-02-17)
売り上げランキング: 61,077