「泣かすのは簡単だけど、笑わすのは難しい」
ってよく聞きます。
そんなことを口にするのは、
作家さんとか、映画監督とか、舞台演出家とか、
物語をつくる人たち。
たしかにそうだと思います。
だって、泣かす場面をつくりたかったら、
善良そうな登場人物を劇中で死なせちゃえばいいから。
人間が死ぬのって、普通の人の感覚からすれば、
悲しいし、泣きますよね。
さらにもっと泣かせたかったら、
その人が楽しく過ごしているときの姿を
たくさん描いてから、逝ってもらう。
そうすると泣けますよ。
そんなやり方がわかっているから、
クリエイターさんたちは
「泣かすのは簡単」って言うんだと思います。
で、この『「平穏死」という選択』。
泣きました。しゃくりあげる寸前くらい。
でも、この本、物語じゃありません。
つくりものじゃないから、
泣かそうと思って書かれた本じゃありません。
介護とかの現場で問題になっている
終末医療について教えてくれる本。
こんなに簡単に泣いちゃう可愛らしい生き物が、
最後はどんな姿でいるべきか──それって真剣に
考えることだよな、と教えてくれた本です。
いい本でした。
「平穏死」という選択 (幻冬舎ルネッサンス新書 い-5-1)
posted with amazlet at 13.03.01
石飛 幸三
幻冬舎ルネッサンス
売り上げランキング: 3,290
幻冬舎ルネッサンス
売り上げランキング: 3,290