2024年8月16日金曜日

『spring』(恩田陸)読みました。

 
修理に出したカメラの部品を取りに行く
という友だちに、付き合ったときのことです。

きちんと修理されているのを確認した友だちに、
お店の人が、受け取り書みたいなのを渡し、
商品受領の日付と名前を書いてほしいと言いました。

友だちは素直に記入して用紙を返したんですが、
そんとき「えっ、ぼくと違う」って思ったんです。

彼は、何月何日のあとに名字しか書かなかった。
フルネームじゃないんです。

ほんで、それを受け取った店の人も、
記入されたファミリーネームだけの文字を
ちらっと眺めて満足げに
「はい。ありがとうございます」
とか言ってる。

ぼくはそれまで名前を書けといわれたら、
姓名の4文字を全部記すもんだと思ってました。

そうじゃなくても、いいのか。

つーか、ぼくのフルネーム絶対主義は、
いつからどこで身についたものなんだろう。

ま、どっちにしても、それ以来、
宅配便の受け取りサインには、姓だけを、
しかも、ひらがなで書くようになりました。

ほんで、それとはまた別件。
数十年ぶりに開かれた同窓会で、
みんな名前と顔が一致しないから、
最初に自己紹介することになったとき、
ぼくも含めほとんどが名字のみ(菊池です)を
言うのに対し、ほんの数人だけ
フルネームにしてたんです。

その違いもまた、なんでだろうなと、
不思議に思ったのでした。

で、この『spring』。

主人公の名前は萬春(よろず・はる)でした。
彼はきっと紙に書く場合も、
自己紹介のときもフルネームだろうなと思いました。

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