2023年12月27日水曜日

『鵼の碑』(京極夏彦)読みました。


たしか映画監督の大島渚さんだったと思うのですが、
影響を受けた文学作品を聞かれ、
カミュの『シーシュポスの神話』をあげていました。

山の上に岩を運ぶよう命じられるれど、
岩は大きすぎて頂上には載らずに転がり落ちてしまい、
何度やってもダメで、ずーっと同じことを
繰り返さなければならないってあの話。

なぜ生きるのかとか、何のためにとか、
っていう哲学チックな謎の答えは
人間には結局は見つけられない。
シーシュポスの運んだ岩が、
結局は転がっていっちゃうように。

頂上には載せられないってことも、
人生の答えが見つからないってことも、
わかっていながら、
ずーっと続けていくことが大切なんだと、
カミュの本から教えられたと、
(違ってるかもしれないけど)たぶん大島さんが
言ってました。

そう、わからないんですよね。
逆にわかっちゃったら、
面白くないのかもしれないっすね。

パズルでも、謎解きミステリーでも、
ああじゃないこうじゃないと
考えることが楽しいのであって、
結末がわかったときには
「なるほど!」なんて到達感みたいなのが
あるにはあるけれど、
それでおしまいだから楽しみもジエンドですからね。

で、この『鵼の碑』。

結末の謎解き部分の前までは非常に楽しく
わくわくで5つ星評価でした。
んで最後まで読んだら星が1つ減っちゃいました。




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