2023年2月21日火曜日

『風神雷神 Juppiter,Aeolus(下)』(原田マハ)読みました。


それまでテンポよく
セリフの掛け合いで
話が進んでいたのに、唐突に

そこで太郎は、ある計画を打ち明けた。
花子はあまりにも面妖なそのくわだてに
返す言葉が見つからなかった。

みたいな
「ある計画」などと思わせぶりな
「気になるでしょ。でもまだ教えないよー」的な
説明文が入って、

読んでいる人をじらせる小説って
数えきれないほどたくさんあります。

そういうのを読むたびに、
やめてほしいなって思っちゃうんです。

「このあと驚きの展開が!」みたいな
ナレーションが聞こえてきて
CMに入るテレビ番組じゃないんだから、
いいじゃん教えれば。

そのじらしの前振りはやめて、
いきなり、その驚きの展開とか
その面妖なくだわての場面に
入ってほしいな。

じらすのはたぶん一種の小説作法で、
読者を引き込むための定石なんだろうけど、
へそ曲がりのぼくには、
どうもむず痒く感じちゃう。

自分が物語をつくるとき、
その定石をうまく使えず、
試してみてもどうも
ポンコツな展開になってしまい、
上手に活用できる人はうらやましいな、
とも思うけど。

で、この『風神雷神 Juppiter,Aeolus(下)』。

作者の原田マハさんは、
じらさないから好きです。




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