2021年6月15日火曜日

『迷子の龍は夜明けを待ちわびる』(岸本惟)読みました。


前回の『日々翻訳ざんげ』は
本当に面白い本だったのに、
いつものごとく、
本とは関係ない話題で
お茶濁ししてしまいました。

ということで、ざんげの意味で、
そこに書かれていたことを
紹介しようと思います。

日本語の使い方、
主語につく「は」と「が」についてです。

著者の田口さんは
最近はみんな「が」を使い過ぎじゃないか
と言ってます。「は」でいいじゃんって。

どっちを使うかの拠り所にしているのは
2つあるそうで、

1つは国語学者の大野晋さんの、
未知の主語には「が」、
既知の主語には「は」をつける、
(昔々おじいさんとおばあさん〈が〉いました。
 おじいさん〈は〉山へ〜、おばあさん〈は〉川へ〜
 ……だと、最初は知らない「未知」だから「が」、
 2回目はもうわかってる「既知」だから「は」)
という説。

もう1つは、作家の井上ひさしさんの、
やさしく示すときは「は」で
鋭く提示するときは「が」、
って使い方。

ふむふむ。
その部分を読んだとき、
2つの拠り所のどっちにも既視感があったので、
ぼくもそれぞれの引用元を読んでいると思いました。

でも、今まで気にしてなかった。

あ、ここまで書いたこの文章も、
そんな使い分けのことなど、
一瞬も考えてないじゃん。

で、この『迷子の龍は夜明けを待ちわびる』。

なんとなく「迷子の龍が夜明けを待ちわびる」
でもいい気がしてきました。
「が」を使い過ぎる風潮に流されるまま。




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