2020年3月19日木曜日

『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』(相沢沙呼)読みました。


今はアポ電とかいって、
電話で家に現金があるかどうかを確かめ、
あれば押し入る、
とかったひねりのないヤツが
出てきていると聞いたけど、

もっと複雑な劇場型で、
「それは高齢者じゃなくても騙されるよ」
と思える巧妙な手口も
まだまだ廃れてないようですね。

ぼくが聞いたのには、
こんなのがありました。

警察を装いオレオレしてきて
「個人情報の流出で、
 偽造キャッシュカードがつくられ、
 あなたの口座も被害に遭う可能性が
 あるから気をつけてください」
と電話がかかる。

そのときは注意喚起だけで、
別に何を要求するわけじゃない。

でも後日、今度は銀行を装い
「やはりあなたの口座情報が漏れていた。
 申し訳ございません。
 もし被害があれば補償します」
と誤りの電話。

それから何回か人を変えて連絡をとり、
今使っているカードや通帳を
返却してほしいなどの流れにもっていかれ、
あれよあれよの間に、
パスワードとともに送ったりしちゃう。

よくは知らないけど、
そういうのにもやっぱり筋書きを
書く人がいるんでしょうね。

そのショッカー的集団の
専属シナリオライターも、
いかにリアリティのあるストーリーを
つくるかが勝負なんだろうな。

でもそれは
騙して悲しませるものなんですよね。
そうじゃなく、
小説にすれば、騙せば騙すほど、
喜んでもらえるのになあ。

で、この『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』。

この本みたいにね。
だから言います。
騙してくれてありがとう。





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